馬なり1ハロン劇場
以下はWikipediaより引用
要約
『馬なり1ハロン劇場』(うまなりいちハロンシアター)は、よしだみほによる日本の漫画作品である。
『週刊競馬報知』(のちの『ファンファーレ』)1989年12月10日号で連載開始。当初は『それいけ岡部クン!!』という題名だったが、翌1990年に表題のタイトルに改名した。1998年8月に『ファンファーレ』が休刊になったことに加え作者の自宅が火災に遭ったため約半年間連載休止を余儀なくされるが、翌1999年4月より『漫画アクション』に移籍して連載を再開。さらに2003年9月に『アクション』が休刊になるとインターネット(双葉社Webマガジン)での連載に移行。2013年4月には双葉社の漫画雑誌編集部全体の再編に伴い『WEBコミックアクション』に移籍した。
2019年、連載開始30周年を迎え、同年4月19日に連載1000回を迎えたのを機に連載終了。改めて、『馬なり1ハロン!NEO』(netkeiba.com、2019年5月10日 - )と『馬なりde SHOW』(週刊大衆、2019年6月3日号 - )の2本の連載を開始。
概要
通常1話4ページで構成される。現実の競馬で起きた出来事をモデルにして作られておりお笑い系のストーリーが多いが、シリアスな話や読者の涙を誘うような話もある。主役は馬で、まれに騎手が主役になるときもある。作中に登場する馬は擬人化されており、人間の言葉を話し意思の疎通もできる。レースの場面ではしばしば乗っている騎手が省略されて描かれ、馬が2本足で走っていることもある。
漫画であることを利用したメタフィクション的な小ネタも駆使される。たとえば芦毛のプレクラスニーを「スクリーントーン貼り忘れ」とネタにしたり、フジキセキが故障で早々に引退したときに「わざわざ彼の毛色(青鹿毛)のためだけにトーンを買ったのに」と作者自身が作中で嘆くといったネタが見られる。
おもな設定
登場する馬の性格は、さまざまな情報(スポーツ新聞の記事など)や馬名をもとに設定されている。以前に登場したことのある馬が別の性格に変わっていることがあるが、作者いわく「マンガに登場する馬は役者であり、その回その回で異なる役を演じてもらっている」とのことである。
種牡馬や繁殖牝馬はだいたい服を着ている。すでに死んだ馬や人が登場することも多々あり、その際には頭上に天使の輪(後光)をつけており、雲に乗って現れることもある。馬の性別はまつげの有無で区別されており、まつげのあるほうが牝馬であるがそれ以外は大きな違いがなく、この点を作者自ら作中でシーキングザパールを使ってネタにした。
登場回数が多く、ある程度性格が決まっている馬や騎手などのおもな例を以下に示す。
おもな登場馬
シンザンには「先生」、シンボリルドルフには「様」、ノーザンテーストには「御大」の尊称がつけられることが多い。オグリキャップやサンデーサイレンスは自分で自分に「様」をつけるが、ほかの馬がそう呼ぶことはない。競走成績についての詳細は各馬の項目を参照。
サンデーサイレンス
生前は他馬や自身の産駒以外の馬に対して見下した態度をとることも多く、とくに性格も立場も正反対であったオグリキャップとは犬猿の仲であった。のちにローエングリンにお酌して酒を交わすなど、産駒以外の馬と普通に接する描写もされているが、怒筋は相変わらずである。
日本の種牡馬と繁殖牝馬が自身の産駒であふれて次世代が交配できない危機を迎えたとき、キングマンボ産駒のエルコンドルパサーが大量の繁殖牝馬と交配してくれたという恩義があるため、彼には頭が上がらない。
産駒が負けると、牡馬に対しては「噛み付き」でお仕置きをする。死後もよく天界から「噛み付き」にやってくる。怒りが頂点に達すると自分の天使の輪を噛み砕くこともある。
オグリキャップ
義理人情に篤く、自分と同じ地方競馬から移籍してきた馬や、当時の規定でクラシックに出られない外国産馬には親身に接する。サンデーサイレンスとは仲が悪く、よく「サン公」と呼び捨てにしていた。タケユタカともコンビを組んだ当初は彼の『笑っていいとも!』内での発言や秋の天皇賞でユタカ騎乗のスーパークリークに負けたことなどの理由からあまり良好な関係ではなかったが、その後はクサレ縁的な関係になっていた。
現役当時に長期滞在することが多かった馬の温泉には「日本ダービーでの着順でお風呂に入る順番や洗い場のポジションが決まる」という不文律があったが、ダービー不出場の彼はそれを一切無視していた。
現実のオグリキャップの馬体は引退後に白くなったが、本作品では「違和感がある」ということで現役時代同様の容姿で登場している。スクリーンヒーローに白毛馬のユキチャンと間違えられ、自分で身体を現役時代の姿にペイントするという描写もなされた。
シンザン
シンボリルドルフ
息子のトウカイテイオーは父と正反対の庶民派である。シンボリクリスエスがシンボリ牧場ではなく息子と同じ社台スタリオンステーションで種牡馬入りしたことに不満気の様子。
自身の主戦騎手であるオカベとは特別な絆で結ばれているものの、プライドが邪魔をしてつい天邪鬼な態度をとってしまう。しかしオカベが絡む企画では必ずと言っていいほど登場して彼を独占する。ほかのオカベのお手馬から反発を受けることもあるが、ほとんどは威圧してしまう。
テイエムオペラオー
ブロコレ倶楽部入りし、作品内において「イマイチ馬」としてのイメージが定着してしまったため、のちに顕彰馬となるほどの実績を挙げたにもかかわらず損な役回りが多い。ナリタトップロードからも「この漫画ではお笑い系」とたしなめられた。
2001年の有馬記念後のブロコレ倶楽部の打ち上げで、酒に酔っていたメイショウドトウから突然「お前のことが好きだったんだー!!」と告白され、後日夢にまで見るほど彼を意識してしまったことがあった。
ディープインパクト
あまりに強すぎるため友達は少ないという設定だが、シックスセンスだけは親友として接している。同じ厩舎ということでレクレドールとも仲が良い。
2010年に産駒がデビューしてからは、あと一歩勝利に届かない子供たちの走りにハラハラしながら胃が痛い思いをする父親という役回りも増えた。一方で2017年の有馬記念では、出走できたのが一頭のみという子供達の不甲斐なさにキレて一時的に父親を思わせるキャラ崩壊を起こしている。
ステイゴールド
テスコガビー
ゴールドシチー
競走馬引退後宮崎で乗用馬転向のための調教を受けていたので、ときどき方言が混ざる。
ライスシャワー
メジロライアン
現役時代に重賞でことごとく芦毛馬に負けた(ハクタイセイ、メジロマックイーン、オグリキャップ、ユキノサンライズ)のは芦毛の叔父メジロティターンの同期だったサンエイソロンの呪いらしいとのこと。
メジロマックイーン
種牡馬のけい用先が同じサンデーサイレンスとは性格が180度反対ではあるがなぜか仲が良かった。彼とは「我々の仔同士を結婚させ、その仔で天下を獲ろう」と約束。その結果生まれたのがドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟であるという。
イクノディクタス
サクラホクトオー
トウショウファルコ
サクラバクシンオー
ミホノブルボン
ウイニングチケット
ビワハヤヒデ
作中ではスーパークリークと並ぶ2大「顔デカ」キャラでもある。芦毛であるためオグリキャップ同様引退後は馬体が真っ白になったが、こちらは「華やかになった」という理由で真っ白な姿で登場している。
ナリタタイシン
ベガ
ナリタブライアン
現役時代にシンザンやミスターシービーら先輩馬に三冠達成のためのアドバイスをもらいに行ったが、それまで何度も負けていたため、シンボリルドルフからは「(三冠の)資格なし!!」と一蹴された。死後には同じく三冠がかかっていたネオユニヴァースからアドバイスを乞われている。
ヒシアマゾン
引退後はオーナーの強い要望で、競走成績から見れば格下のヒシマサルと交配したが、まだ生まれぬ産駒の売り出し方法をめぐって大喧嘩した。
フジキセキ
競走馬として将来を期待されていたがクラシックを目前に故障して引退したので、期待を押し付けられた同じ父親で同期のジェニュインとダンスパートナーに袋叩きにされた。
ダンスパートナー
勝負に生きる競走馬としての誇りは高く、弟・ダンスインザダークが屈腱炎を発症したときは彼に想いを寄せていて故障に怯えたロゼカラーに「壊れる馬は弱い」と言い切った。しかしそのあとでロゼカラーに慰めの言葉をかけたり、戦績不振に陥り周りから責められていたタヤスツヨシをフォローしたりといった一面もある。
引退後は妹・ダンスインザムードを自分のような恋多き女路線に引き込むべくダービーに挑戦させようとするが、弟に阻止される。その後も妹の前に現れては悪女キャラの指導をしている。
マーベラスサンデー
バブルガムフェロー
骨折して皐月賞とダービーを逃したことを父にさんざん責められていた。その怒りを逸らすべくダンスインザダークを牧場に呼び、スケープゴートにする。
スキーパラダイス
ドージマムテキ
シーキングザダイヤに対しては、自分の放牧場の近くで飼われているヤギをお供に面倒を見る気満々だが、彼には心底うっとうしがられている。彼のブロコレ倶楽部入りについては「今度勝てなければ強制入会させる」と言ったり反対だったり、話によってスタンスが変わる。
スティンガー
エルコンドルパサー
現役時代は芝のレースへの出走を嫌がったり、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスでは当時主戦騎手が同じマトバだったグラスワンダーと対決するにあたり騎手交替を嫌がったりとわがままが多かった。しかしグラスワンダーが骨折していることを知り、気持ちを入れ替えた。
死後には勝たせたい産駒の鼻に自分の天使の輪を引っ掛けて牽引してレースを勝たせる。
スペシャルウィーク
引退後も産駒が活躍していることから登場回数は多い。セイウンスカイ、グラスワンダー、キングヘイローとは同期のライバルとして親交が深く、キングヘイローとは産駒の応援をする際に競馬場で再会することが多い。
サーガノヴェル
引退後は性格的にもかなり落ちつき、主婦としての時間の合間に執筆した小説が大ヒットした(詳細は後記「英雄譚」を参照)。原作とは別に同人誌として「やおい本」も作って「湾岸の祭り」(コミックマーケット)に出品している。読書好きなムーヴオブサンデーは彼女のファンである。
ジャングルポケット
引退後は非常に教育熱心な父親になっており、実の子ではないがブレイクランアウトに対しては「昔の自分と似ている」という理由で、とくに厳しく調教に付き合った。
現役時代はよく舌を出す癖があった。
ローエングリン
2010年には繋養先がテレグノシスやヒシミラクルらといっしょになり、彼らに囲まれて緊張した空気の中での新年を迎えた。
2013年、産駒のロゴタイプが第73回皐月賞を制したが、その発走前にヒシミラクルの激励を受け、またしてもその発言にやられていた。
アグネスタキオン
早くに引退してしまったが、産駒が活躍したため、子供想いの優しいパパとしても多く登場した。
メイショウカイドウ
サマー2000が新設された際は初代チャンプの騎手の座を狙うタケユタカの口車に乗せられて七夕賞に出走した。
引退後は小倉競馬場の誘導馬に就任して後輩達を太鼓で応援している。小倉記念で一番人気の馬が勝てないのは彼の応援が激し過ぎて調子を崩すためらしい。
エリモハリアー
スイープトウショウ
気性難についてたびたび取り上げられ、とくに2007年の京都大賞典を調教を嫌がったために回避したというエピソードについては、同時期に起こった沢尻エリカ問題とリンクして描かれ、いわゆる「女王様」キャラとなってしまった。
アドマイヤドン
「7冠会」メンバーであるが、ほかのメンバーの前では一歩引いた態度をとっている。
ウオッカ
ダイワスカーレット
テイエムプリキュア
京都でのイベント(エリザベス女王杯)以降、クィーンスプマンテ、シャラナヤ(調教師のミケル・デルザングルの名がスーパー戦隊っぽいというのが理由)とはオタク友達として仲良くなったほか、演歌歌手のコイウタとは同じ歌手として仲が良い。
ディープスカイ
オウケンブルースリ
ブエナビスタ
一時期スランプに陥った際には精神的に追い詰められるあまり自らブロコレ入りを志願したが、先にブロコレ入りしていたレッドディザイアの励ましによって立ち直った。
青メンコをつけてダイワスカーレットにコスプレしたり、実はコミケで噂の凄腕の描き手であることが判明するなどといった側面も持っている。
騸馬ンズ(おネェマンズ)
ローズキングダム
同じレースでデビューしたヴィクトワールピサとはライバルであり、親友として接している。
オルフェーヴル
さらに第91回凱旋門賞でソレミア、第32回ジャパンカップでジェンティルドンナといずれも牝馬に敗れたことから「牝馬に弱い」というイメージも定着してしまい、本人は「三冠馬なのにおっぺけ、凱旋門賞2着馬なのにあぷれぶー!!」とかなり気にしてイメージを変えたがり、アンドレアモンの演技指導を受けることになった。また、現役引退後の新年会パーティではシンザン・シンボリルドルフら歴代三冠馬を迎えたときにガチガチに緊張していた。
ナカヤマナイト
が、同じく中山巧者のダイワファルコンよりも、中山での経験が若干劣っているのが判明した。
アルフレード
それだけに、同じようにデビュー5連勝で「競馬ってチョロい」と考えていたカレンブラックヒルの態度が気に入らず、なんとかして挫折を味わわせてやろうと、休養中の身ながら暗躍する。
だが第30回フェブラリーステークスでカレンブラックヒルが1番人気ながら15着と惨敗した際には、「お前がこんな負け方するなんて」「お前は挫折なんかしてないっ」と、本人以上にショックを受けるという、ツンデレキャラにされてしまった。
カレンブラックヒル
だが第63回毎日王冠ではアルフレードの妨害工作をものともせずに5連勝、次戦の第146回天皇賞(秋)ではエイシンフラッシュに敗れて5着と連勝が止まるが、それでもトラブル等があったため全然堪えておらず、ついには「挫折すると強くなるのなら、1回やってみようか」とまで言い放ってしまう。
ところが次戦の第30回フェブラリーステークスでは1番人気ながら15着と惨敗。ついに挫折を味わって「挫折ってのは、痛いもんですね…」と打ちひしがれた(それでもアルフレードほどではなく、レースが終わった途端にケロッと気持ちを切り替えている)。
おもな登場騎手
作中では騎手・調教師など競馬に関わる人間の名前はおもにカタカナ表記である。
タケユタカ
スゴ腕のチケットゲッターとして登場することもあり、あらゆる手段を用いてチケット(この場合は優先出走権)をゲットするので顧客には人気がある。
オカベユキオ
フクナガユーイチ
ヤスダトミオ
ヨコヤマノリヒロ
マツナガミキオ
アンドウカツミ
おもなオリジナルキャラクター
誘導馬仮面
ターフデビル
「チロリンチロリン」という擬音とともに登場する。人間、および性格が人間臭いオグリキャップには姿が見えない。
誘導馬仮面とは宿敵同士だが、単行本に特別編として描かれた「誘導馬仮面対ターフデビル」は両者がともにマナーの悪い少年たちを懲らしめるという結末であった。作中の人形劇でも横浜市の勝馬投票券発売税を批判したりばんえい競馬支援を訴えるといった共闘が見られる。
ローエングリンから「ヒシミラクルを宝塚記念で惨敗させてほしい」と依頼された際には、仕掛けた罠がことごとく裏目に出て失敗している。間違えてユキチャンに誘導馬仮面の扮装をさせたりと、そそっかしいところもある模様。
北味の秘書
ホースメンタルクリニックの医師
蛯原こずみ
姓の読みは「えびはら(屈腱炎の通称)」。「こずみ」とは馬に筋肉痛や筋炎が発症した際に見られる歩様の異常のことを指す言葉である。名前を聞くと馬がみんな逃げ出して行くという。おばあちゃんの名前は「ソエ」(管骨骨膜炎の通称)。
佐々張ケンタ
ナンでもアリま記念の実況アナウンサー
コレクトビル
ルドルフの馬車馬
白鳥のぬいぐるみ
その後次第にしゃべり出して動き回るようになる。ローエングリンがなかなか結果を出せなかったことで自身の存在理由を見失い、北海道で種牡馬入りしていたヒシミラクルのもとに向かったこともあったが、ヒシミラクルに説得されて引き返した。
ターフデビル扮する黒鳥とともに主役となることがあるが、彼らが主役の回では白鳥が「(馬マンガなのに)これじゃ鳥マンガじゃないか!!」とつっこむのがお約束となっている。
第395R「応援、する?しない?」において発した台詞から実はアヒルだと判明した。「生命保険のCM」に関する台詞は単行本では差し替えられている。
その後はしばらく出番がなかったが、第685R「お役に立たねば」ではジェンティルドンナのお付きとして牝馬3冠達成に貢献した赤い鳥(アパパネ)に刺激を受け、種牡馬としてのローエングリンを支えるべく、息子のゴットフリートのサポート役に付いた。その後、併せて同じく息子のロゴタイプの面倒も見るようになっている。
坂路の鹿
ヤギ
赤い鳥(アパパネ)
キングカメハメハから娘のアパパネへの手紙を託されるが、その道中で北海道の冬の寒さに耐え切れず倒れているところをローエングリンの白鳥に助けられる。無事アパパネに手紙を渡し、彼女が阪神ジュベナイルフィリーズに勝利したあとはお目付け役としてそばにいた。
2012年にアパパネが引退したため、以後は彼女の意向で同じく牝馬3冠を期待されたジェンティルドンナに仕えることになったが、それも彼女が無事牝馬3冠を達成し、第32回ジャパンカップも制したのを機に「これからは自分の力で戦ってかなくちゃ」ということで、第685R「お役に立たねば」の冒頭で御役御免となり、アパパネのもとへと帰っていった(その際、ジェンティルドンナからはお礼のマフラーを贈られている)。
思い詰めすぎるのが欠点らしく、ジェンティルドンナが秋華賞を前にヴィルシーナより絶交を宣言されたのを目撃した際に慌ててしまい、思い余って画鋲を取り出してヴィルシーナへの妨害工作を企むも、その意図を読みきっていたアパパネに窘められ、阻止された。
架空の施設
馬の温泉
カフェテラス「逍遥馬道」
どんなメニューの注文にも応じ、季節外れの食材は缶詰などを使って対応する。
客として騎手が馬の着ぐるみを着て来ることもあるが、オーナーはウェイトレスに「気がつかないふりをして差し上げなさい」と指示を出すなど容認の姿勢。
ショットバー「ウッドチップ」
架空の親睦団体
競走成績や受賞歴に共通項のある競走馬による親睦団体がいくつも登場する。
- ブロコレ倶楽部(後述)
- ル・サロン・ダルジャン:日本語に訳すと「銀の会」、銀とは2着のこと。ブロコレ倶楽部のライバル団体として登場。のちに両者は統合されたが、会自体は継続中。レーヴドスカー・メイショウドトウが所属。
- MVHサクセション:2年連続で年度代表馬を受賞した馬を対象とした殿堂。メンバーはシンボリルドルフ(発起者)、シンザン、ホウヨウボーイ、シンボリクリスエス、ディープインパクト、ウオッカの6頭。
- 7冠会:日本競馬史上最多(当時)となるG1競走7勝を挙げた馬が対象。メンバーはシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、アドマイヤドン、ウオッカら。
- G1砂の会:ヴァーミリアンがダート交流G1 9勝を挙げたのを機に、7冠会から分派する形で結成。メンバーはヴァーミリアン、アドマイヤドンを中心にブルーコンコルド、カネヒキリらダートG1馬。
おもなシリーズ
ブロコレ倶楽部
「ブロンズコレクター倶楽部」の略。BCCとも略される。重賞(とくにGI)で2着や3着を繰り返す馬によって構成される親睦団体を描いたシリーズ。作中ではワイド・三連複・三連単はブロコレ倶楽部の働きかけで、馬単はメイショウドトウの働きかけでそれぞれ導入されたという設定になっている。初期には「ブロコレ」を「ブロッコリー」と勘違いするなどのネタがあったり、しぶしぶ入会する馬も多くいた。
ブロコレ倶楽部の入会資格は「イマイチであること」と「重賞で3着以内に入る(=馬券の対象になる)程度の実力があること」。特に後者は「複勝やワイドでファンの皆様にささやかなお返しができる」として重要視されており、三連複導入前には「7頭立てで3着に入るも、複勝2着払のため馬券は不的中で他の会員から白い目で見られる」(ホッカイルソー)、「3着だが複勝配当が100円(元返し)だったため入会を拒否される」(ナリタトップロード)といった話もあった。入会の目安としては「重賞で3回以上連続で2着もしくは3着に入っている」ことが挙げられるが、最終的に入会させるかどうかは「作者の気分」で決まるため、この条件を満たす馬であっても入会していないケースも過去にある。一例を以下に記す。
- シーキングザダイヤ:交流重賞を含むGI4連続2着があったが選出されず。単行本24巻の巻末漫画によれば、この扱いについて作者も苦慮していた模様。
- ブエナビスタ:GIで2着5回、3着2回。さらに2度降着の憂き目にあったため、自ら倶楽部に確認したこともあるが、「イマイチである」という条件に当てはまらないとして反対されている。
- ロサード:重賞5勝を挙げるもGIでは入着どまり。メンバーにはならなかったが、2001年の毎日王冠(2着)出走の際にしきりに倶楽部のことを気にかけていた。
- ドリームジャーニー:一時期成績不振に陥った際に自薦で入会希望するも父・ステイゴールドに激しく拒否される。2010年のオールカマー2着後に父から入会を命じられるが今度は拒否。
戦績にあわせて名前のインパクトがブロコレ新時代を背負う器に相応しいという理由でオレハマッテルゼを勧誘したこともあった。凱旋門賞3位入線ということでディープインパクトや、馬ではないが薔薇一族を含めGIで勝ちきれない馬を多数管理しているハシグチ調教師も狙われている。
ステイゴールド、テイエムオペラオー、ウイングアローのようにブロコレ倶楽部に入ったあとにGIで勝利するなど活躍する馬もおり、それがネタにされることもある。
おもなメンバー
競走成績についての詳細は各馬の項目を参照。
- ナイスネイチャ:発起者。有馬記念3年連続3着などの記録を残す。
- ロイスアンドロイス:発起者。団体発足時にはすでに死んでいたが霊界から現れる。別名「最強の3勝馬」。
- ホッカイルソー:発起者では唯一の現役馬だった。後に屈腱炎を克服しオールカマーを勝ち、感動系名馬となり卒業を宣言した後も後輩馬の激励など活動を続ける。
- メジロブライト:ブロコレ発足の回で勧誘される。後に天皇賞馬になり脱退を宣言するが、最終的に「僕はもう現実から逃げないことにした」といって会にとどまる。
- ステイゴールド:ホッカイルソーのスカウトにより1999年の宝塚記念後に入会。のちに2着も多かった(GIで2着4回など)ためにシルコレ部長となる。
- クロックワーク:最初の女性会員で書記を務めた。条件クラスで3着と取りこぼしたあと、トライアル3着で出走権を獲得した1999年秋華賞で2着、重賞で3度3着を記録。
- テイエムオペラオー:1999年の東京優駿から有馬記念までの5走が3、3、2、2、3着だったため2000年初めに入会。古馬になってから勝ち続け、事実上「現役最強馬」となったことから一時はクビを言い渡されるが、のちに名誉会員へと格上げになる。その特権として「ゴルコレ倶楽部」を立ち上げた。そうした経緯から、入会について「早まった」と少し後悔していたこともあった。
- ウイングアロー:自薦でダート部長に就任。就任後にGI2勝を挙げるがテイエムオペラオーほどではないということでとくに沙汰はなかった。
- ナリタトップロード:自薦で入会しようとするもそのレースの複勝配当が100円だったため一度は拒否された。その後改めて入会。天皇賞春3年連続3着の記録を残す。死んだあともレギュラーメンバーとしてまめに顔を出している。
- トゥザヴィクトリー:ローズバドを倶楽部に引き込む。2010年には息子のトゥザグローリーが有馬記念で3着に入った。
- ローズバド:ローズキングダムの母親。息子との決着がついていないとしてブエナビスタの倶楽部入りに反対している。
- コイントス:ナリタトップロードが引退する際に彼の推薦により入会。2002年有馬記念3着など重賞では2着5回、3着6回。
- ヴィータローザ:未勝利時代に3着を6回記録、姉のロゼカラーが娘のローズバドに入会を打診するが実力不足を理由に拒否される。のちに実績を挙げて入会。
- シックスセンス:2006年京都記念勝利後に自薦で入会するも直後に故障、引退。故障した名残で右前脚に包帯を巻いている。ステイゴールドが産駒の応援にかまけて留守のときは皆のまとめ役。死んだあともナリタトップロード同様レギュラーメンバーとして天界からやってくる。
- マチカネキララ:2006年エプソムカップと札幌記念で上位人気に推されながらの連続3着がある。
- ディアデラノビア:2006年エリザベス女王杯では繰り上がり3着になるなどし、ほかのメンバーから「大物」と言われた。
- スマートギア:2009年以降に重賞で2着が3回。
- レッドディザイア:テイエムオペラオーからの勧誘もあったが、結局自薦で入会。
- ヒルノダムール:2011年京都記念3着を期に強制入会。
- ワンダーアキュート:2011年末からジャパンカップダート2着→東京大賞典2着→フェブラリーステークス3着とGIで連続2・3着が続き強制入会。なお、2012年11月にJBCクラシックを勝つが、その後はジャパンカップダート2着→東京大賞典3着→川崎記念2着→フェブラリーステークス3着と会にふさわしい内容が再び続いている。
- ダノンバラード:2012年3月現在、キャリア9戦中3着が5回という実績から入会が決定。倶楽部の活動が低迷し、ステイゴールドも産駒を重視して倶楽部を突き放した格好となった時期に関ヶ原ステークスで勝利を収め、再活性化のきっかけを生み出す。その後も第54回AJCCを制するなどして、先輩会員からは「ブロコレのくせに、勝ってどうする!」と嬉しい悲鳴(?)が上がっている。
- ヴィルシーナ:2012年に入り桜花賞・オークス・ローズS・秋華賞・エリザベス女王杯と重賞で5連続2着を記録し、メイショウドトウの勧誘(というか自身も同じようにテイエムオペラオーに辛酸を舐めさせられた経験があることから、本人の意志を確かめようとしていた)もあり、ヤケッパチのまま自ら入会。当初は素直な性格だったが、常にジェンティルドンナに辛酸を舐めさせられるうちに捻くれてしまい、ブロコレ入りする頃には常にムッツリの「大魔神顔」になってしまった(本人はこともあろうに「ドンナに勝つまではこの顔」と宣言してしまい、それゆえ第8回ヴィクトリアマイルを制した際も勝ったのに大魔神顔は相変らずという結果になったため、さすがにその発言を後悔していた。なお、結局ジェンティルドンナに先着できたのは2014年の宝塚記念の一度のみ(この時はヴィルシーナ3着、ジェンティルドンナ9着)で、引退までジェンティルドンナを抑えて勝利することは叶わなかった)。
- ルーラーシップ:2012年秋古馬三冠路線(天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念)において全て3着。ヤケ酒で酔いつぶれていたところをブロコレの新年会に巻き込まれ入会。
- アドマイヤラクティ:2着4回、3着5回、3戦連続3着という実績でAJCC後にダノンバラードから勧誘。一度は断るものの結局入会。同馬は2014年にオーストラリアのG1コーフィールドカップを制する。
- ホッコータルマエ:3着→3着→2着→3着という成績でヒルノダムールが東海ステークスで捕獲。一度は断るものの結局入会。が、それ以降重賞4連勝と絶好調で、「これ以上勝ったらブロコレ追い出す!」と歓喜の悲鳴(?)が上がっている。
- アドマイヤタイシ:重賞4連続2着のところで同馬主のアドマイヤラクティから推薦された。一度は断るものの第35回新潟大賞典でまた2着になり、入会後に活躍中のホッコータルマエを見て入会。
商社シリーズ
種牡馬を社長とした会社に見立てて話を作っている。当初は商社間のシェア争いがメインだったが、途中からは物流など別分野の話も登場した。サンデーサイレンス、ノーザンテーストといった主役となる馬が死んだあとも「天国での会社ごっこ」という形でシリーズは継続されている。
おもな会社
- 北味(ノーザンテースト):読み方は「きたあじ」。今は日静の一部となっている。単行本未収録作には「新潟支社」が存在しており、支社長は当時準オープンクラスを走っていたベテランのダイナバトラーだった。
- アンバー社(アンバーシャダイ):北味の直系子会社。
- 東商(トウショウボーイ)
- 日静(サンデーサイレンス)
- トニー便(トニービン)
- Bタイム(ブライアンズタイム)
- リアル社(リアルシャダイ)
- ミル商事(ミルジョージ):単行本未収録。
恋のマイル戦
1マイル前後のレースを走る馬たちの織り成す恋模様を描いたシリーズ。ベースとなっているのは、初期の人気シリーズであるダイタクヘリオスとダイイチルビーの「ヘリオス・ルビー恋物語」。作者いわく、当初ローテーションが同じでよく対戦していた両馬をネタにして半分シャレのつもりで恋愛ドラマ風に描いたところ、予想外に反響を呼びシリーズ化されたという(『馬より素敵な役者はいない』の「『ヘリオス・ルビー』シリーズとの死闘」より)。タイキシャトルとキョウエイマーチの淡い想いを描いたり、ダイタクヘリオスの仔のダイタクヤマトとメジロダーリングの恋を扱った続編がある。
後付けではあるが、デュランダルがマイルチャンピオンシップに挑戦する際に相談を受けたニホンピロウイナーはシャダイソフィアに関する悲しい思い出を少しだけ語っている。その後、レース直前にダンスインザムードを見かけたデュランダルはきついローテーションが可哀想だと思ったが彼女は2着と健闘し、同父だけどちょっと気になる存在に変化した。
スカーレットブーケはダイタクヘリオスに片思いしていたが、思いを伝えないまま現役生活を終えた。後年、息子のダイワメジャーがダンスインザムードとふざけて遊んでいたのを「同父の禁断の恋」と誤解し、同じく勝手に恋愛と思い込んだダンスインザムードの姉・ダンスパートナーと激しい口論となるドタバタ展開もあった。
英雄譚
サーガノヴェルが執筆する、とある王国を舞台とした物語。当時流行していた映画『ロード・オブ・ザ・リング』の影響を受けている。主人公はサニングデール、デュランダル。2003年の短距離 - マイル戦線で活躍した馬が多数登場した。しばらくシリーズとしては途絶えていたが、2009年夏にデュランダルの仔がデビューすると久々に登場した。
おもな出演馬
- サニングデール:主役。「女王付きの近衛兵」という設定。女王に密かな想いを寄せていたが、それを胸の奥に秘めお側近くに仕えている。しかし、胸の痛みに耐えかねて孤独の旅に出たときに女王が敵国の襲撃を受けて傷を負わされたという知らせを聞いた。傷を負わせた剣の名はデュランダルで、宿命のライバルとなる彼との戦いが始まった。
- デュランダル:サニングデールのライバルの剣士。
- ビリーヴ:女王。
- テレグノシス:超能力者。
- ウインラディウス:魔術使い。
- シーイズトウショウ:美女剣士。
- カルストンライトオ:醜面の補弼。シーイズトウショウに仕えていたが密かに力をつけ、剣士としての勢いが止まらなくなってしまった。
- ツルマルボーイ:宰相。
- カリバーン:デュランダルの息子。父のような剣士を目指す。なおこの漫画では「カリバーン」は「エクスカリバー」とは別の剣としている。
- ジュエルオブナイル:デュランダルの娘。女ながらコクラの国(小倉2歳ステークス)を制した。
- エリンコート:デュランダルの娘。聖遺物の水晶の力を借り、樫の冠(オークス)を手にした。
任侠シリーズ
オグリキャップ・イナリワン・タケユタカらがヤクザ役に扮する初期の人気シリーズ。商社シリーズとも関係があり、サンデーサイレンスが「日静会」を率いて登場したりもした。これとは別にキタサンヒボタンが主役の女壷振り師のシリーズもある。昔任侠映画のファンだった作者は続きが書きたいらしいのだが、任侠キャラとして成立する馬がいないためシリーズを続けられないらしい。
最近になってキタサンブラック(馬主がかつて任侠映画に出演したことで知られる北島三郎)の登場もあって再び描かれるようになり、ディープインパクト率いる「深衝組」とキングカメハメハ率いる「金亀組」の抗争が中心となっている。
グルメ旅シリーズ
ノボトゥルーを主役に、地方遠征先のご当地土産やグルメを堪能するシリーズ。紹介されるお土産やグルメは実在するものであるが、名前が伏字で紹介されることが多い。
初期はノボトゥルーとノボジャックのコンビであったが、ノボジャックが引退したあとは相方がシーキングザダイヤに代わりシリーズを引き継いだ。2008年1月にシーキングザダイヤが引退したあと一度だけシリーズが復活したが同年にノボトゥルー自身も引退し、その後のシリーズ展開はない。
サム君パス君
ドリームパスポートが自分に勝った馬に手渡す「夢のパスポート」を手に入れるべく、メイショウサムソンをはじめとした同世代の競走馬が集うシリーズ。メイショウサムソン(以下、サム君)は当初ドリームパスポート(パス君)を利用するべく友達として接近するが、あまりにも「いい馬」なパス君に罪悪感を抱く。
作者自身はイマイチ系コンビとしての短編的なスタンスで描いていたが、2006年の皐月賞で両馬のワンツー決着になるなどクラシック戦線で活躍したためシリーズ化された。 そして「夢のパスポート」の効力か、サム君はクラシック2冠を達成。しかし「夢のパスポート」は有効期限が3か月くらいで切れるらしい。
「夢のパスポート」という言葉はこのシリーズとは関係なく作中の馬たちや関係者の会話に出てくることがある。
ナンでもアリま記念&馬なり新年会
「ナンでもアリま記念」は有馬記念のパロディとして描かれる年末恒例のシリーズである。その年の話題の馬や人がゲストとして登場するほか、主要キャラクターが総出演するオールスター的要素も持っている。「馬なり新年会」も同様で、普段あまり描けないようなダジャレネタを中心としたシリーズとなっている。
この2つは恒例のシリーズとなっている。実際の有馬記念のレース結果が話のベースとなっていないのは、印刷業界の正月休みと重なるため。
イソイソシリーズ
ビワハイジが「うっかり見てしまった禁断のカラミ」など、勘違いから来る妄想に悩まされるシリーズ。作中ではビワハイジが「イソイソ」の擬音とともに登場するのがお約束となっている(現役時代からすでにそうであった)ことから、そのままシリーズ名として定着した。
例年、年初にこのエピソードが登場しているが、2009年には産駒のブエナビスタが活躍した関係から、ビワハイジの登場頻度が増している。ブエナビスタからは「誤解は母さんの得意技」だとたしなめられている。
- 現役当時、主戦騎手のツノダのもとを訪れた際に、彼が餅の食べすぎをやめさせようとしてヒシアケボノと喧嘩になったところを目撃。しかしこれを「ツノダさん…オトコ(とのカラミ)もOKなの?」と勘違い。
- 母になったビワハイジは息子・アドマイヤジャパンの激励に来たのだが、そこで見たのはヨコヤマ騎手の騎乗をめぐって争う息子とクラフトワーク、そしてヨコヤマ。「オトコ3人三角関係の修羅場中??」と勘違い。
- 息子・アドマイヤオーラを激励に来たときにはダイワスカーレットとの争いを「同父(アグネスタキオン)の禁断の恋…?」と勘違い。ビワハイジとダイワスカーレットの母・スカーレットブーケはこれ以降、互いを意識しつつも「よきライバル」として接している。
- 2008年にはアドマイヤオーラとエイシンデピュティの会話で出てきた「HG(ハイアーゲーム)にやられてイタかった」(2007年鳴尾記念で2頭とも負けた)を「ハードゲイに襲われた」と勘違い。さらに翌2009年正月にはアドマイヤオーラとアドマイヤフジの会話に出てきた「焼き餅が大好き」を「ヤキモチが大好き」と勘違い。
- 2009年、オークスでは出走馬の1頭のハシッテホシーノが名付け親であるほしのあきのような容姿だったため、競走形式を「アイドルの衣装勝負」と勘違いしてしまいそうになった。
- 2010年秋の天皇賞のレース後、ブエナビスタの「獲れるものは全部獲って年度代表馬を目指す」というコメントに「これ以上何を取るの??」と取るものを勘違い。
- 2011年は「レーヴ(ディソール)、チューリップ賞へ」という新聞記事の見出しを見て、なぜ息子のトーセンレーヴが牝馬限定のレースに出走できるのかと勘違い。
カノちゃんスーちゃん
控えめで内気な性格のカノちゃんことカノヤザクラと活発で明るい性格のスーちゃんことスリープレスナイト、性格が正反対の2頭の複雑な友情関係を描くシリーズ。カノちゃんの視点で描かれることが多く、スーちゃんが引退したあとはカノちゃんの後輩のエミちゃん(カレンナホホエミ)とナディちゃん(グレナディーン)に引き継がれており、カノちゃんは2頭の保護者的な立場にまわっている。
音楽シリーズ
2008年10月26日に京都競馬場の新馬戦で揃ってデビューしたリーチザクラウン、アンライバルド、ブエナビスタ、スリーロールスを中心に、2009年度3歳馬をミュージシャンに見立て、同期ライバルたちと競い合いながらそれぞれがトップアーティストを目指していく姿を描くシリーズ。
おもな出演馬
- リーチザクラウン:このシリーズの主役的存在。もともとブエナビスタ、アンライバルドらとユニットを組みデビューするが、メンバー間の音楽性の違いで解散。その後フローテーションといっしょに活動するも彼が旅に出てしまったためソロで活動。ストリートなどで地道なライブ活動をしながら自身の音楽を追及する。いっしょにデビューした馬たちが次々と大物になっていくなかで取り残されてしまうが、ストリートライブで食われたロジユニヴァースと皐月でのフェス(皐月賞)で再会。お互いの息や音楽性が合ったことからユニット結成に至る。担当パートはギター。
- フローテーション:リーチザクラウンの先輩。ゴールドシチーにヘビメタに勧誘されるもリズム感のなさを指摘され、リーチザクラウンに書き置きを残してリズム感を養う旅に出てしまう。
- ブエナビスタ:リーチザクラウンやアンライバルドと同じグループでデビュー。のちにトップアイドルミュージシャンとなる。
- アンライバルド:リーチザクラウン、ブエナビスタらのグループのリーダーであり、当時のパートはキーボード。のちに売れっ子ロックシンガーとなる。性格はエリートコースを歩む兄たちと違い、我が道を行くロッカー気質である。
- ロジユニヴァース:地道なライブ活動を行っており、歌唱や楽曲のセンスの高さで一躍トップアーティストの仲間入りを果たすも、皐月でのフェスで自身が「井の中の蛙」だったことを思い知らされる。その後リーチザクラウンと意気投合したことから本格的にユニットを組む。担当パートはキーボード。
- スリーロールス:リーチザクラウン、ブエナビスタ、アンライバルドらといっしょにデビューしたが、彼らとは別に音楽活動を行っていた。大作バラードが得意。父・ダンスインザダーク譲りのセンスでトップミュージシャンへの仲間入りを果たすが、その後重度の怪我を負い、活動を停止。
- セイウンワンダー:2歳時に日本最大級のヴォーカルオーディション(朝日杯フューチュリティステークス)に優勝した実力の持ち主で、戦線離脱したリーチザクラウンやアンライバルド、スリーロールスらに才能を見込まれ2010年の宝塚音楽祭(宝塚記念)で復帰するロジユニヴァースのサポートを頼まれたが、結局うまくいかなかった。
- ナカヤマフェスタ:裏方としての活動が主であったためあまり目立たない存在であったが、宝塚音楽祭ではブエナビスタに奏者としての実力の高さを感心されていた。
単行本
単行本は従来年1 - 2冊ペースで不定期に刊行されてきたが、2007年より刊行体制を改めて年2回(春・秋)の定期刊となり、巻数の表記も「第24巻」といった通巻表記から「2007年春」というように刊行時期による表記に改められた。
通常版以外に2004年には「オグリキャップ編」「ダービー編」「オークス編」「ブロコレ倶楽部編」という4種類の特別編集版が、2007年にはコンビニコミックとして「一年の総決算!なんでもアリま記念編」が、2009年には連載20周年を記念した「総集編 甦れ!名馬たち」が刊行されている。一部の特別編集版には通常版に未収録の作品も掲載されている。
2019年7月現在、単行本は合計55巻(通常版49巻+特別編集版6巻)刊行されている。
通常版
- 馬なり1ハロン劇場
- 1992年5月12日発売 ISBN 4-575-93294-9
- 1992年9月23日発売 ISBN 4-575-93309-0
- 1993年3月27日発売 ISBN 4-575-93328-7
- 1993年12月11日発売 ISBN 4-575-93349-X
- 1994年8月27日発売 ISBN 4-575-93370-8
- 1995年4月26日発売 ISBN 4-575-93396-1
- 1995年11月28日発売 ISBN 4-575-93425-9
- 1996年5月28日発売 ISBN 4-575-93445-3
- 1996年12月10日発売 ISBN 4-575-93479-8
- 1997年11月12日発売 ISBN 4-575-93535-2
- 1998年5月28日発売 ISBN 4-575-93566-2
- 1998年12月14日発売 ISBN 4-575-93599-9
- 1999年12月11日発売 ISBN 4-575-93663-4
- 2000年11月28日発売 ISBN 4-575-93720-7
- 2001年7月19日発売 ISBN 4-575-93748-7
- 2002年5月13日発売 ISBN 4-575-93777-0
- 2002年12月12日発売 ISBN 4-575-93805-X
- 2003年5月12日発売 ISBN 4-575-93831-9
- 2004年2月28日発売 ISBN 4-575-93880-7
- 2004年9月28日発売 ISBN 4-575-93907-2
- 2005年4月12日発売 ISBN 4-575-93944-7
- 2005年12月12日発売 ISBN 4-575-93984-6
- 2006年10月28日発売 ISBN 4-575-94040-2
- 2007年2月10日発売 ISBN 978-4-575-94066-4
- 2007春 2007年5月22日発売 ISBN 978-4-575-94088-6
- 2007秋 2007年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94138-8
- 2008春 2008年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94169-2
- 2008秋 2008年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94199-9
- 2009春 2009年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94230-9
- 2009秋 2009年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94255-2
- 2010春 2010年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94282-8
- 2010秋 2010年11月27日発売 ISBN 978-4-575-94299-6
- 2011春 2011年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94319-1
- 2011秋 2011年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94337-5
- 2012春 2012年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94349-8
- 2012秋 2012年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94367-2
- 2013春 2013年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94382-5
- 2013秋 2013年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94397-9
- 2014春 2014年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94411-2
- 2014秋 2014年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94430-3
- 2015春 2015年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94446-4
- 2015秋 2015年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94462-4
- 2016春 2016年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94472-3
- 2016秋 2016年11月19日発売 ISBN 978-4-575-94488-4
- 2017春 2017年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94501-0
- 2017秋 2017年11月22日発売 ISBN 978-4-575-94513-3
- 2018春 2018年5月19日発売 ISBN 978-4-575-94527-0
- 2018秋 2018年11月21日発売 ISBN 978-4-575-94540-9
- 2019春 2019年7月25日発売 ISBN 978-4-575-94554-6
- 2007春 2007年5月22日発売 ISBN 978-4-575-94088-6
- 2007秋 2007年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94138-8
- 2008春 2008年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94169-2
- 2008秋 2008年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94199-9
- 2009春 2009年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94230-9
- 2009秋 2009年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94255-2
- 2010春 2010年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94282-8
- 2010秋 2010年11月27日発売 ISBN 978-4-575-94299-6
- 2011春 2011年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94319-1
- 2011秋 2011年11月28日発売 ISBN 978-4-575-94337-5
- 2012春 2012年5月28日発売 ISBN 978-4-575-94349-8
- 2012秋 2012年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94367-2
- 2013春 2013年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94382-5
- 2013秋 2013年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94397-9
- 2014春 2014年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94411-2
- 2014秋 2014年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94430-3
- 2015春 2015年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94446-4
- 2015秋 2015年11月20日発売 ISBN 978-4-575-94462-4
- 2016春 2016年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94472-3
- 2016秋 2016年11月19日発売 ISBN 978-4-575-94488-4
- 2017春 2017年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94501-0
- 2017秋 2017年11月22日発売 ISBN 978-4-575-94513-3
- 2018春 2018年5月19日発売 ISBN 978-4-575-94527-0
- 2018秋 2018年11月21日発売 ISBN 978-4-575-94540-9
- 2019春 2019年7月25日発売 ISBN 978-4-575-94554-6
特別編集版
- 馬なり1ハロン劇場 オグリキャップ編 2004年4月12日発売 ISBN 4-575-96087-X
- 馬なり1ハロン劇場 ブロコレ倶楽部編 2004年4月12日発売 ISBN 4-575-96088-8
- 馬なり1ハロン劇場 ダービー編 2004年5月12日発売 ISBN 4-575-96090-X
- 馬なり1ハロン劇場 オークス編 2004年5月12日発売 ISBN 4-575-96091-8
- 馬なり1ハロン劇場 一年の総決算!なんでもアリま記念編 2007年12月6日発売 ISBN 978-4575993868
- 馬なり1ハロン劇場 総集編 甦れ!名馬たち 2009年5月20日発売 ISBN 978-4-575-94231-6
ゲーム
1994年から1999年にかけてゲーム化もされた(PC-9800シリーズ版2作、Windows版3作、セガサターン版1作)。プレイヤーはオーナーブリーダーとして競走馬を生産し、レースに出走させるという競馬シミュレーションゲームであった。最大の特徴は漫画同様に「馬が言葉を話す」という点で、コンディションの目安となっていた。
PC-9800版
- 馬なり1ハロン劇場(マイクロビジョン、1994年12月16日)
- 馬なり1ハロン劇場2(マイクロビジョン、1995年11月17日)
Windows版
- 馬なり1ハロン劇場3(マイクロビジョン、1996年11月)
- 馬なり1ハロン劇場3DX(マイクロビジョン)
- 通常版(1997年7月)
- NET版(1997年9月)
- 馬なり1ハロン劇場98(ボーステック、1999年3月12日)
- 通常版(1997年7月)
- NET版(1997年9月)
セガサターン版
- 馬なり1ハロン劇場 1997年12月4日発売(マイクロビジョン)
- 公式ガイドブックも発行されている(1998年2月10日、ISBN 978-4575160871)。
- 公式ガイドブックも発行されている(1998年2月10日、ISBN 978-4575160871)。