小説

馬を売る女




以下はWikipediaより引用

要約

『馬を売る女』(うまをうるおんな)は、松本清張の小説。「黒の線刻画」第3話として『日本経済新聞』に連載され(1977年1月9日 - 4月6日付)、1977年9月に中短編集『馬を売る女』収録の表題作として、文藝春秋から刊行された。連載時のタイトルは「利」。

1978年・1982年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

日東商会の社長・米村重一郎は5年前から競馬に凝っており、電話で馬主仲間と競走馬の情報を交換していた。が、その電話は、社長秘書の星野花江に盗聴されていた。花江はその情報を元に、会員制の競馬予想ビジネスを行い、将来に備えた資金を稼いでいた。不器量な彼女に結婚の見込みはなく、親しい友人もいなかった。電話の盗聴に感づいた米村は、日東商会の孫請け会社の八田英吉に調査を依頼する。八田の提案で、米村はニセの競走馬情報を流すよう手配した。

競馬予想が不振に陥った星野花江は、気落ちしているように見えた。英吉は江戸川区まで花江を尾行し、得意なパチンコの話を契機に花江に接近する。資金繰りの苦しい英吉は、花江の貯めた金に目をつけ、彼女と関係を結んだ後、花江の貯めた金を大量に借り始めた。花江は実際、英吉によって初めて女の歓びを知った。しかし、英吉への貸金が累積し、生活設計が狂ったことに気づき、花江は愕然とする。英吉は返済を先延ばしにしていたが、花江の請求が激しくなったため、彼女への殺意をかためる。

エピソード
  • 本作に登場する競馬の馬主の情報を売る秘書には、実在のモデルがあり、著者が梓林太郎から聞いた話がもとになっている。梓の知り合いのT産業(不動産業)社長は、競走馬の馬主であり、競馬開催の前日、自分の客に、勝ち馬順位の情報を電話で流していた。T産業にはA子という32歳の社長秘書がいたが、ある時から社長はA子の盗聴を疑い、知人に調べさせた。その結果、A子は独自に会員を作り、競馬の情報を有料で提供、さらに、さいたま市南区内のうなぎ専門店Kで、自分の客を接待していたことが判明した。A子は独身、色白で無表情な女性であったが、貯めた資金によって、世田谷区内にマンションを購入していたという。
テレビドラマ
1978年版

「松本清張おんなシリーズ・馬を売る女」。1978年4月9日、TBSの「東芝日曜劇場」枠(21:00-21:55)にて放映。視聴率20.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

キャスト

  • 星野花江:倍賞千恵子
  • 八田英吉:財津一郎
  • 米村重一郎:渡辺文雄
  • :石山輝夫
  • :佳島由季
  • :久松保夫
  • :村瀬正彦
  • :田中信夫
  • :坂井寿美江
  • :和久井節緒
  • :岡崎夏子
  • :鈴木正幸
  • :北島泰年

スタッフ

  • 脚本:服部佳
  • プロデューサー:石井ふく子
  • 監督:宮武昭夫
  • 制作:TBS

TBS系列 東芝日曜劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張おんなシリーズ2
馬を売る女
(1978.4.9)
おんなの家
(脚本:橋田壽賀子
(1978.4.16)

1982年版

「松本清張の馬を売る女」。1982年10月23日、TBSの「ザ・サスペンス」枠(21:02-22:53)にて放映。視聴率19.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。DVD化されている(DVDタイトルは「松本清張サスペンス・馬を売る女」)。

キャスト

  • 星野花江:風吹ジュン
  • 八田英吉:泉谷しげる
  • 八田直子:松本留美
  • 米村重一郎:高橋昌也
  • :西田健
  • :平泉征
  • :仲谷昇
  • :三谷昇
  • :平野稔
  • :勝部演之
  • :伊藤正博
  • :須永慶
  • :田村勝彦
  • :神谷和夫
  • :鷹尾秀敏
  • :仲恭司
  • :笠松長麿
  • :梅沢昌代
  • :峰健太
  • :近江信行
  • :菊地かおり
  • :黒田文子
  • :岸井あや子
  • :上野綾子
  • :高松誠
  • :小林健一
  • :伊藤与志子

スタッフ

  • 企画:春日千春、樋口祐三
  • 構成:一色伸幸
  • 脚本:国弘威雄
  • プロデューサー:小林重隆、金川克斗志
  • 監督:井上昭
  • 音楽:小六禮次郎
  • 撮影:原秀夫
  • 美術:川崎軍二
  • 助監督:内藤忠司
  • 制作:大映テレビ、TBS、霧プロダクション

TBS系列 ザ・サスペンス
前番組 番組名 次番組
松本清張の馬を売る女
(1982.10.23)

松本清張原作のテレビドラマ一覧(放送順)

脚注・出典