鹿鼎記
以下はWikipediaより引用
要約
『鹿鼎記』(ろくていき、簡体字: 鹿鼎记、拼音: Lùdǐngjì)は、金庸の武俠小説。金庸自身も記しているが、むしろ歴史小説としての色彩が強い。金庸はこの作品の完成後に断筆しているため、彼の最後の武俠小説となっている。
『碧血剣』の続編的な作品であり、若干の登場人物に重複が見られる。
概要
『明報』において、1969年から1972年まで連載された。
康熙帝時代の清を舞台に主人公、韋小宝が機転と運で出世していく作品。これまでの金庸作品と大きく違うのは、主人公である韋小宝は武術が殆どできないという点である。また、金庸作品の主人公といえば厭世的で、禁欲的と相場が決まっているのに、本作の主人公は出世のためには平気で人を陥れることをも辞さないうえ、好色であり最終的には7人もの妻を得ている。
このあまりの作風の違いから、連載中は「別人が代筆しているのではないか?」との疑惑が持たれたという。もっとも、韋小宝も「義俠心に厚い」という一線は守っており、たびたび反清復明活動を続ける組織に所属することと、康熙帝に仕えることにジレンマを感じる様子が描かれている。
なお、作中では民族の対立についても書かれており、民のことを第一とする政治をしながら、明の暗君の時代を懐かしむ漢人に対し康熙帝が悩む姿も見られる。さらに、現在日本と中国の間で領土問題になっている尖閣諸島(作中では通吃島、のちに釣魚台)についても記述がみられる。詳細は通吃島を参照。
あらすじ
妓女の息子、韋小宝は康熙帝の親友として清に仕えつつも、同時に反清復明を企てる秘密結社・天地会の幹部にもなってしまう。ときとして、康熙帝のために数々の功績をあげつつも、あるときは天地会として反清運動にも参加する韋小宝。どちらの組織においても韋小宝は機転を利かせ、徐々に重要度を増してゆくのだった。
登場人物
主要人物
韋小宝(い しょうほう)
揚州で妓女の息子として生まれる。父親はそもそも漢民族かどうかも分からないためか、あまり民族にこだわらない性格。旅先の北京で身を守るため宦官に化けて生活しているうちに、少年だった康熙帝と親友になりともに奸臣のオーバイの粛清に協力し、以後は政治的にも信用を得る。また、オーバイを殺害したことで、天地会の青木堂の香主(幹部の一種)にもなってしまう。以後は二つの組織で板ばさみになりつつ、天地会のスパイとして、また康熙帝の親友として清朝で栄達していく。
武術の腕はからきしで、戦闘にはあまり向いていない。しかし、師匠である九難(『碧血剣』の阿九)から軽功を重点的に習ったため、逃げ足だけに限定すれば達人なみの技量を持っている。
清
天地会
江湖
平西王府
用語
天地会(てんちかい)
沐王府(もくおうふ)
神龍教(しんりゅうきょう)
四十二章経(しじゅうにしょきょう)
本作では、先帝の時代に満洲八旗の将、8人につき1部ずつ下賜された。この8冊の『四十二章経』が揃うと、龍脈と莫大な財宝のありかを示す地図が隠されている。莫大な財宝自体にも価値があるが、むしろ龍脈の方が重要。龍脈が絶たれるということは、清朝の滅亡を意味するため、清の滅亡を望む九難、また清の存続を望む康熙帝などが全巻揃えようと躍起になっている。
通吃島(つうきつとう)
韋小宝がロシアとの領土問題を解決するために召喚されると、島を引き払い、もとの無人島となる。このとき、賭けの銅元がいないのに「通吃」というのはおかしいとして、やはり韋小宝が「釣魚台」と改名。これは、「文王には太公望、光武帝には厳子陵と、名君には釣りが好きな友人がいるものだ」、との理由から康熙帝を讃えるとともに、自分を名臣だとほのめかしている。
作中ではこれが日本と中国の領土問題となっている尖閣諸島(中国名は釣魚台)と特定されてはおらず、「仮にこの島で韋小宝の遺跡が見つかれば、康熙年間から中国領だった証拠になるのだが」と記載されているにとどまる。
書誌情報
単行本
- 徳間書店・岡崎由美、小島瑞紀 訳
映像化作品
映画
- 『鹿鼎記』 1983年 香港 - 汪禹(韋小宝)、ラウ・カーフェイ(康熙帝)※日本未公開
- 『チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ』(原題:鹿鼎記) 1992年 香港 - チャウ・シンチー(韋小宝)、デリック・ワン(康熙帝)
- 『チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ2』(原題:鹿鼎記II 神龍教) 1992年 香港 - チャウ・シンチー(韋小宝)、デリック・ワン(康熙帝)
- 『正牌韋小宝之奉旨溝女』(韋小宝93摩登闖情関) 1993年 香港 - トニー・レオン(韋小宝)、ディッキー・チョン ※日本未公開
テレビドラマ
- 『鹿鼎記』 1977年 佳藝電視 香港 ※日本未公開
- 『鹿鼎記』 1984年 無綫電視(TVB) 香港 - 全40話。トニー・レオン(韋小宝)、アンディ・ラウ(康熙帝)
- 『鹿鼎記』 1984年 中国電視公司(CTV) 台湾 ※日本未公開
- 『鹿鼎記』 1998年 TVB 香港 - 全45話。※日本未公開
- 『鹿鼎記』 2000年 中華電視公司(CTS) 台湾 - 全42話。ディッキー・チョン(韋小宝)、パトリック・タム(康熙帝)※日本未公開
- 『鹿鼎記〈新版〉』 2008年 中央電視台(CCTV) 中国 - 全50話。ホアン・シャオミン(韋小宝)、ウォレス・チョン(康熙帝)
- 『鹿鼎記 ロイヤル・トランプ』 2014年 中国 - 全50話。ハン・ドン(韋小宝)、ウェイ・チエンシャン(康熙帝)
漫画
- 『鹿鼎記』画:黄玉郎(香港)
ゲーム
- 『鹿鼎記』 捜狐 中国 - MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)
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