黒博物館
漫画:黒博物館スプリンガルドThe Black Museum Springald
作者:藤田和日郎,
出版社:講談社,
掲載誌:モーニング,
レーベル:モーニングKC,
発表期間:2007年5月10日 - 6月14日,
巻数:全1巻,
話数:全6話,
漫画:黒博物館スプリンガルド異聞マザア・グウス
作者:藤田和日郎,
出版社:講談社,
掲載誌:モーニング,
発表期間:2007年7月19日 - 8月2日,
話数:全3話,
漫画:黒博物館ゴースト アンド レディThe Black Museum Ghost & Lady
作者:藤田和日郎,
出版社:講談社,
掲載誌:モーニング,
レーベル:モーニングKC,
発表期間:2014年11月27日 - 2015年6月25日,
巻数:全2巻,
話数:全28話,
漫画:黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ
作者:藤田和日郎,
出版社:講談社,
掲載誌:モーニング,
レーベル:モーニングKC,
発表期間:2022年3月10日 - 2023年9月14日,
巻数:全6巻,
話数:全57話,
以下はWikipediaより引用
要約
『黒博物館』(くろはくぶつかん)は、藤田和日郎による短編または中編漫画のシリーズ。
『黒博物館スプリンガルド』(くろはくぶつかんスプリンガルド、英題名The Black Museum Springald)は、「モーニング」(講談社)に2007年23号から28号まで連載された。
また、上記作品の続編『黒博物館スプリンガルド異聞マザア・グウス』(くろはくぶつかんスプリンガルドいぶんマザア・グウス、英題名The Black Museum Springald)が『モーニング』2007年34号から3話掲載され、続いて『黒博物館ゴースト アンド レディ』(くろはくぶつかんゴーストアンドレディ、英題名The Black Museum Ghost & Lady)が2014年52号から2015年30号まで連載された。
2017年、同誌の創刊35周年を記念した読み切りシリーズ「CARNAVAL」の1作として、本シリーズの読み切り『黒博物館 キャンディ ケイン』を2018年2・3合併号に掲載。
さらに、第3部として『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』(くろはくぶつかん みかづきよ、かいぶつとおどれ)が2022年15号から2023年42号まで連載された。舞踏設定協力と振付はTAKAHIROが担当している。
本記事では、その各々について記述する。
2024年に劇団四季による舞台化が発表されている。
概要
19世紀のイギリス帝国を舞台に、ヴィクトリア朝の典雅で重厚な雰囲気の下、実在の人物や実際の事件といった史実を織り交ぜつつ、メカやアクションを描いたダーク・ファンタジー作品。デビュー以来、藤田は一貫して小学館の雑誌に作品を掲載しており、本作は藤田にとって初の講談社媒体への連載である。連載中、『モーニング』において仁賀克雄の『黒博物館館報――閲覧の手引き』が連載されていた。
あらすじ
スプリンガルド
マザア・グウス
ゴースト アンド レディ
三日月よ、怪物と踊れ
登場人物
スプリンガルド
ジェイムズ・ロッケンフィールド
ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド
侯爵。オックスフォード大学出身。アイルランドやイングランドに広大な領地を持ち、大きな館に居住している。幼くして愛情を注いでくれた母親が亡くなり、冷厳な父親・うわべだけの愛情を注ぐ継母・家庭教師・メイドに囲まれて育っていった。青年期からは社交界で活躍し、蒸気機関車同士を正面衝突させたり、パブで喧嘩や放火騒ぎを起こしたりと、放蕩の限りを尽くす。
ボーモンの作った装備で「バネ足ジャック」に扮し、人を驚かせる騒ぎを起こすが、マーガレットに自身を正面から見据えて諭されたことで放蕩の生活を改める。暴走するボーモンと戦ったのち、シェルビー夫妻に屋敷を譲渡し、領地に帰る。ロッケンフィールドを名乗って黒博物館を訪れたのはウォルターで、収蔵されていたバネ足を取り返していった。
フランシス・ボーモン
准男爵の長男。オックスフォード大学出身。「卿」と呼ばれているが爵位などは不明。「機械工学の天才」と謳われ、「バネ足ジャック」のバネ足も開発した。ハートフォードシャーにあるカントリーハウスに自身の研究室を構えている。研究室にはウォルターは招き入れるが、メイドには立ち入りを禁じている。眼鏡を愛用している。
ウォルターの放蕩ぶりに惚れ込んでおり、マーガレットによって大人しくなったウォルターに成り代わろうと新たな「バネ足ジャック」となる。装備は改良されていてウォルターの旧型より高性能化している。人を脅かすことに留まらず殺人まで犯し、ウォルターを変えたマーガレットを殺害しようとしたが、ウォルターと戦った末に列車に巻き込まれて死ぬ。
マーガレット・スケールズ
アーサー・ウェルズリー
ポリー・アダムズ
マザア・グウス
ジュリエット
アーサー・シェルビー
ウィリアム・ホルム
オスカー・ピーポディ
ゴースト アンド レディ
フロレンス・ナイチンゲール
マイク=ロフト
三日月よ、怪物と踊れ
メアリー・ウルストンクラフト・シェリー
実在の小説家。黒博物館に証拠品である「片方の赤い靴」を閲覧に訪れた本編の語り手。
本編では24年前に書いた『フランケンシュタイン』のヒットで文筆家として身を立て、女手一つで息子パーシー・フローレンスを育てている。ダンヴァーズ大尉から<怪物>の教育係を依頼され、パーシーの学費のために引き受けることを決意。<怪物>を「エルシィ」と名付け、フィールド・プレイス屋敷のメイドとして働けるように手配する一方、舞踏会出席のためのマナーやダンスなどを指導する。
夫や子供たちの「死」と引き換えに生き永らえていることに強い罪悪感があり、自らの中にも<怪物>が棲んでいると感じている。エルシィに対しても当初はその得体の知れなさを恐れていたが、共にさまざまな経験を重ねるにつれて、その存在を大切に思うようになっていく。
エルシィ
アレックス・ダンヴァーズ
コンラッド・ディッペル博士
ドーヴァー近郊の居城に住む地方領主。長い年月、死体蘇生のための研究を続けてきたと語り、「姉妹」の死体を引き取ると、頭部を事故で死んだ村娘のものとすげ替えて、<怪物>として蘇らせたことをダンヴァーズに報告する。
フィールド・プレイス屋敷にもエルシィの体のメンテナンスのために滞在するが、やがてメアリーはエルシィに関する彼の説明に疑惑を抱くようになる。結論として死者蘇生は嘘で瀕死だった〈諦め〉を治療し、催眠術で過去の記憶を封じ<怪物>という暗示を与えた。
「姉妹」たちとの戦いで再び瀕死となったエルシィを治療するが、当時の常識を凌駕する医療技術を持っており、黒博物館を訪れたメアリーからも「出来もしない嘘を吐くよりも、そっちを発表すれば良かったのに」と愚痴られている。
ティモシー・シェリー准男爵
パーシー・フローレンス・シェリー
エイダ・ラヴレス
「7人の姉妹」
書誌情報
- 藤田和日郎『黒博物館 スプリンガルド』講談社〈モーニングKC〉、2007年9月21日発売、ISBN 978-4-06-372630-5
- 藤田和日郎『黒博物館 ゴースト アンド レディ』講談社〈モーニングKC〉、全2巻
- 上巻 2015年7月23日発売、ISBN 978-4-06-388477-7
- 下巻 2015年7月23日発売、ISBN 978-4-06-388478-4
- 藤田和日郎『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』講談社〈モーニングKC〉、全6巻
- 2022年7月22日発売、ISBN 978-4-06-528312-7
- 2022年11月22日発売、ISBN 978-4-06-529660-8
- 2023年3月23日発売、ISBN 978-4-06-530894-3
- 2023年6月22日発売、ISBN 978-4-06-532016-7
- 2023年9月22日発売、ISBN 978-4-06-532866-8
- 2023年10月23日発売、ISBN 978-4-06-533343-3
舞台
2024年に劇団四季によりミュージカル化される予定。
関連文献
- マザー・グース第1巻(谷川俊太郎訳、講談社、1981年)ISBN 4-06-133148-5 - 本作にて引用されている。
- マザー・グース第2巻(谷川俊太郎訳、講談社、1981年)ISBN 4-06-133149-3 - 本作にて引用されている。
- ロンドンの怪奇伝説(仁賀克雄著、メディアファクトリーダヴィンチ編集部、2002年)ISBN 9784840106467 - 藤田は同書を読み本作の執筆を思い立った。