黙示の島
以下はWikipediaより引用
要約
『黙示の島』(もくしのしま)は、佐藤大輔による日本のパニックホラー・アクション小説。角川書店より2002年に刊行された。
概要
太平洋上の離島にて住民らが異常な活力と暴力性を発揮し、理性を失って殺し合いを始める中、島内で理性を保っていた少数の人々が安全を求めて共に闘う様子を描いたパニックホラー・アクション小説。
2023年3月10日には中央公論新社より、同じ作者の『凶鳥(フッケバイン)』と本作を収録した愛蔵版『凶鳥〈フッケバイン〉/黙示の島』(ふっけばいん/もくしのしま)が刊行された。
ストーリー
出生率の低下と人口の高齢化が進みつつある日本で、政府は社会の高齢化へ発展的に対処することを目的とした計画『L2計画』を実働する。その前段階として、人口高齢化の著しい地域に先端保険科学研究センターと呼ばれる機関が設置される。
先端保険科学研究センターが設置された南海の離島、鼎(かなえ)島の島民たちは、センターから研究試験を兼ねて提供される先端医療により、老人も子供も大人も、島全体が活力に満ちあふれていた。
ところがある日、島民の一人がカモメやフナムシに食い殺された状態で発見される事件が起こる。その日を境に島内では殺人が起きたり、猿の凶暴化や、ケンカによる怪我人や体調不良の者が急増するなどの奇妙な出来事が立て続けに起こる。活力にあふれる島民たちの様子も次第に異常な方向へと変化していく。
やがて島全体で島民が異常な活力とともに暴力性を露わにし、手当たり次第に性行為と殺しあいを始める。異常事態の中でも理性を保っていた少数の人々は、異常事態に陥った鼎島で安全を求めて共に闘い、行動する。
登場人物
伊倉浩一(いくら こういち)
能瀬睦美(のせ むつみ)
財津君三郎(ざいつ きみさぶろう)
鼎島に住む老人。町の北側に住み、他の住民とあまり関わろうとしないため変人扱いされている。70を過ぎた老体ながら身のこなしが軽く、空手等と異なる謎の武術を会得していたり、自宅に複数の猟銃やライフル銃を置いていたりするなど奇妙な人物。孫の忠之の迷彩服を「作業服」、生物兵器を「特殊武器」と呼ぶなど独特の言い換えをする。彼がこの島に住んでいるのは、かつて彼が所属していたある組織のある任務のため。島民の不審死事件にて町長から死体調査の協力を依頼されて現場に行った際、同じく現場にやってきた診療所の睦美に同行する形でやってきた伊倉と知り合った。島が異常事態に陥った際は理性を保っており、私物の銃で闘うことになる。
財津忠之(ざいつ ただゆき)
君三郎の孫。17歳。ぼんやりとした顔立ちにだらしのない体格をしている。もともとは札幌市の高校生だったが、苛めてきた相手に反撃して怪我を負わせたことが原因で、祖父の住んでいる鼎島で生活することになった。いわゆるミリタリーオタクで、島内の山奥にてエアソフトガンで遊んでいる。外出時には迷彩服を着ており、常にサバイバルナイフとエアソフトガンの拳銃を隠し持っている。祖父に連れられて島民の不審死事件の現場に来たとき、伊倉と知り合った。島が異常事態に陥った際も理性を保っており、サバイバルナイフやエアソフトガン、駐在所で拾ったニューナンブM60拳銃と祖父の銃、そして持ち前の軍事的な知識を生かして闘うことになる。島の状況をゲーム『バイオハザード』から連想して生物災害ではないかと疑った。
真波由梨(まなみ ゆり)
室井恭子(むろい きょうこ)
門沢
中岡次郎
大月
町長
勝呂栄太
沖津治夫
用語
鼎島(かなえじま)
先端保険科学研究センター
L2計画
マイクロTAS
DDSキット
既刊一覧
- 黙示の島 ISBN 4048734083 2002年8月30日
- 凶鳥〈フッケバイン〉/黙示の島 ISBN 978-4-12-005639-0 2023年3月
- 『鏖殺の凶鳥』との合本愛蔵版。短篇『如水上洛』、ルポ『二隻の護衛艦』、エッセイ『伊達邦彦は一人きり』、小泉悠の特別寄稿を併録。
- 『鏖殺の凶鳥』との合本愛蔵版。短篇『如水上洛』、ルポ『二隻の護衛艦』、エッセイ『伊達邦彦は一人きり』、小泉悠の特別寄稿を併録。