漫画

17歳。




以下はWikipediaより引用

要約

『17歳。』(じゅうななさい)は、藤井誠二原作・鎌田洋次作画による日本の漫画。『漫画アクション』(双葉社)にて、2004年から2005年にかけて連載された。単行本は双葉社から全4巻(アクションコミックス)。

少年犯罪史上最も凶悪な事件の1つとして語られている「女子高生コンクリート詰め殺人事件」をプロットのモチーフとしているが、同事件を取り上げたものではなく、接点はない。連載時は著名人と原作者による劇中の心理感と現実の少年犯罪についての対談コラムが掲載されていた(単行本では再編集されたうえで掲載)。

あらすじ

1996年、トラック運転手として働く25歳のマルカワヒロキは、仕事で忌まわしき東京都E区を訪れて、その場所に惨劇のあった家がないことに絶句する。

8年前の1988年、17歳のヒロキは悪友のタカシと共に不良の総番ミヤモト一派に脅され、17歳の女子高生・大沢サチコを拉致監禁する。行方不明となった双子の姉サチコを探すべく、17歳の妹・大沢ミキが立ち上がる。

登場人物

マルカワ ヒロキ

本作の主人公で17歳の男子高校生。元々は悪ぶった小心者の少年だったが、チンピラに恐喝されていたところをミヤモトに助けられたことがきっかけで彼に惹かれるようになり、ミヤモト一派に所属する。当初はミヤモトを憧れの存在として見ており、彼の威光で増長するようになっていったが、彼の凶悪な本性を目の当たりにするにつれ、次第に恐怖心を抱くようになり、ミヤモトから離れようとした矢先、監禁暴行事件に加担させられる。以降はミヤモトの暴力と自身の破滅に怯え、ひたすら保身に走った行動を繰り返していく。最終的にツジの証言で逮捕されるが、脅されて無理矢理従ったと判断されたため、少年院に送致されるが短期の収監という軽い処分で済まされる。出院後、人生をやり直す意味を込めてミズノの部屋から持ち出したルービックキューブを彼の家に戻そうとしたところをミキと対面し、サチコの監禁暴行事件に関わり嘘を重ねて逃げ続けたことを容赦なく非難され、最初のうちは見苦しく言い訳を繰り返すが、彼女の怒りと気迫に圧倒され、頭を下げて許しを請い続けた。
大沢ミキ

本作におけるもう1人の主人公でメインヒロイン、ヒロキと同じ学校に通う17歳の女子高生の美少女。優しく非常に礼儀正しいサチコの双子の妹。将来の夢は美容師。拉致監禁された姉を救出するために奮闘する。誰にでも優しく接する一方で、許せない相手には毅然とした態度で容赦ない言葉を浴びせる気の強さを持っている。
後半に進むにつれて物語の中心人物となっていった。
大沢サチコ

17歳の女子高生でミキの双子の姉。千葉県の高校に通い、ファミレスでアルバイトをしている。ミヤモト一派に誘拐拉致監禁され、彼らから凄惨なレイプと暴行を受ける。居場所を突き止めたミキに救出されるが、その際に激昂したミヤモトの攻撃からミキを庇って頭に重傷を負う。大怪我に加えて長期間にわたる監禁、暴行の影響による衰弱で一時は命の危機に瀕するが、ミヤモトらの裁判が進む中で意識を取り戻し、その後無事回復する。将来の夢はカウンセラー。
初期の構想ではサチコが命を落とし、その死体を遺棄され救い用のない結末へとつながる予定だったが、変更により命は助かったことで望みのある終わり方となった。
イクノ タカシ

17歳。ヒロキの悪友で、彼と同様ミヤモトに助けられたことを機に、一派に所属する。お調子者で、ヒロキに引き入れられるような形でサチコ監禁暴行事件に加担させられるが、彼女を取り逃がしそうになったり些細な発言をするだけでミヤモトから暴力を受けるようになってからは、彼の凶悪さを恐れて距離を置こうと考えていた。しかしツジにナイフを突きつけて脅され、一度は踏みとどまるものの、やがて命令を続けるミズノに嫌気がさして、ミヤモト一派から逃げ出そうとする。しかし捕らえられ、凄惨なリンチを受けた末に命を落とし、死体はゴミ捨て場の壊れた冷蔵庫の中に遺棄される。
初期の構想では死亡することはなく、逮捕されて取り調べを受ける中で、ミヤモトらの逮捕につながる証言をする予定だったが、結末が変更されたことで、ミヤモト一派と繋がりのある不良ユキノリに役目が引き継がれる形となった。
ミヤモト

不良のリーダー格。大柄な体格をしており、残忍で暴力的な性格で、気に入らない相手は力でねじ伏せようとする。小学生の時から、手下を引き連れて他校を襲撃するなどの非行を繰り返していた。中学生の頃は空手部に所属し、区の大会で優勝し強豪高校に推薦入学するほどの実力者だったが、高校は3年生で中退した。喧嘩が強いだけでなく裏の勢力との繋がりもあり、ヒロキの地元では悪名高く不良たちからは尊敬されると同時に恐れられている存在。サチコを誘拐した張本人で、居場所を突き止めて乗り込んだミキから、姉への凄惨な暴行に対する激しい非難の言葉に激怒して彼女を殺害しようとするが、寸前で駆けつけた警官隊に逮捕される。裁判では弁護士に対し表向きは反省をした様子を見せるが、実際には全く改心していなかった。具体的な処遇は明かされず、サチコが助かったことで死刑は免れたと内心安堵するところで彼の出番は終わった。
ツジ ダイスケ

ミヤモトの手下。あくどく、抜け目のない性格をしている。逮捕時に、下の名前が明らかになる。タカシをリンチした際は頭をゴルフクラブで何発も殴打して死に追いやった。
ミズノ カツヤ

ミヤモトの手下。パーマ頭で暗い表情をしており、他の2人に比べて普段は大人しい印象だが暴力性は変わらず、気に入らないことがあれば、親に対しても暴力を振るう凶暴さを持っている。自宅は、ミヤモトを含めた不良たちの溜まり場であり、サチコの監禁場所として使われた。
フルヤ

ミヤモトとは幼少期からの付き合いで、かつては親友同士だったが、今では距離を置かれて別グループを率いる。いわゆる硬派なタイプの不良で、非道な行為に対しては怒りを露わにする。ミヤモトがサチコを無理矢理連れ回した姿を目撃して以降、彼が道を踏み外した行為に走らないか危惧するようになる。やがて姉が拉致された事件の真相への繋がりを知ったミキに懇願されたことで、警察に言わない条件でミズノの家に乗り込んでサチコを救出しようとするが、その際、ミヤモトに頭を金属バットで殴られ、重傷を負う。その後の安否は明言されていないが、被害者の人数に関する描写から、命の危機に関わる事態には至ってない模様。
ユキノリ

ミヤモトのグループに従う不良少年。他の友人と一緒にサチコへの暴行に参加し、それが原因でフルヤから鉄拳制裁を受けるが、懲りずに彼女の妹ミキが姉を捜索する姿を見つけると、協力するフリをして自身の部屋に連れ込み暴行しようとした。しかし寸前で駆けつけたフルヤに阻止され、部屋から逃げたミキが通報したことで逮捕された。取り調べの中で、ミヤモト一派の逮捕につながる、サチコの監禁暴行に関する証言をした。
田中刑事

千葉県警の少年課刑事。下の名前は淳。当初は真剣に取り合う様子は見せなかったが、ミキの必死な訴えに独自捜査を開始する。妻帯者で、幼い娘がいる。
ヒロキの母

シングルマザー。ヒロキがミヤモトに痛めつけられて帰宅した姿を見て以降は、息子のことを常に心配するようになる。ヒロキの逮捕後は、全ての親類から絶縁されてしまうが、息子を見捨てることはなかった。
大沢誠一、大沢時子

姉妹の両親。誠一は単身赴任中で、千葉に住んでいたが、サチコが行方不明になった事で急遽自宅に戻ってきた。サチコの救出に力を注ぐ一方で、ミキが急ぐあまり無茶な行動に出ないか不安を持っている。
ミズノの両親

息子の素行の悪さだけでなく、家が不良の溜まり場にされたことで周囲から札付き扱いされていることに頭を悩ませている。親としての威厳は皆無に等しく、まともに注意することもできず、息子の機嫌を伺いながら暴力に怯える有様となっていた。息子たちが逮捕された後は、周囲からの非難を恐れて逃げるように去っていった。