1980アイコ十六歳
以下はWikipediaより引用
要約
『1980アイコ十六歳』(1980あいこじゅうろくさい)は、堀田あけみの小説。名古屋を舞台に、弓道部に所属する高校生三田アイコの学園生活を描いた物語。堀田は愛知県立中村高校在学中の1981年、本作により当時史上最年少の17歳で文藝賞を受賞した。単行本は同年12月に河出書房新社より出版されている。
好きなおしゃべりをしているときの気持ちが描写されているなど、高校生の年代の女性の気持ちを描写した小説として、同世代の共感と他世代の評価を得た。なお、この作品は『アイコ十六歳』のタイトルでテレビドラマ・映画も作られ、テレビドラマは続編も制作された。また、『1980アイコ16歳』のタイトルで漫画版(作画:飯塚修子)が発表された。
あらすじ
進学校に通う弓道部員、三田アイコ16歳の目下の関心事は、一向に上達しない自身の弓道の腕前と、男子部員に媚びる女子部員・花岡紅子への憤りだった。
中学時代の級友との決別、元彼との別れ、教師との論争などに学校生活を送っていたアイコが、クラスメイトからの中絶カンパの要請を受けたり、発作的に手首を切ってみたり、同じ学校生徒の自殺などを経て、元彼の事故死を眼前で目撃する。
登場人物
主要人物
三田 アイコ(みた アイコ) / ラブたん
川野 良太(かわの りょうた)
花岡 紅子(はなおか べにこ) / B子(ビーこ)
高校の級友
アイコの中学校の同級生
戸田 友紀江(とだ ゆきえ)
テレビドラマ
1982年に『アイコ16歳』というタイトルで全2回、1984年に『アイコ17歳』というタイトルで全2回、の計4回がTBS系列の「日立テレビシティ」で放送された。なお、ロケ地は神奈川県立川和高等学校である。また、1984年版は一部のキャストが変更されている。
テレビドラマ版スタッフ
(1)は1982年版のみ、(2)は1984年版のみの担当。
- 脚本 - 小林竜雄
- 音楽 - 林哲司
- プロデューサー - 市川哲夫、峰岸進(2)
- 演出 - 井下靖央(1)、市川哲夫(2)
- 主題歌 - かまやつひろし「なんとなくソクラテス」
テレビドラマ版キャスト
1982年のキャスト
- 織田アイコ - 伊藤つかさ
- 金沢清美 - 三田寛子
- 花岡紅子 - 遠野友理
- 橋本先生 - 大谷直子
- 田代先生 - 秋野太作
- カメラマン川内 - かまやつひろし
- 川野良太 - 宮田恭男
- 校長先生 - 日恵野晃
- 海の家のおばさん - 由起艶子
- 染井洋平 - 三浦洋一
- 織田千鶴子 - 加賀まりこ
1984年からのキャスト
- 折原奈々子 - 真野あずさ
- 石上草介 - 宮川一朗太
- 草介の母 - 浅利香津代
- 金沢清美 - 武田久美子
- 塚田貞夫 - 高柳良一
- 田代等 - 大磯学
- 伯母・里子 - 高森和子
映画
『アイコ十六歳』のタイトルで映画化された。出演の高校生役はすべてオーディションで選ばれ、主演のアイコ役は127,000人の応募者の中から中学3年生の富田靖子(当時は冨田靖子)が選ばれた。この映画は富田靖子、松下由樹(当時は松下幸枝)、宮崎萬純(当時は宮崎ますみ)のデビュー作である。
映画監督の大林宣彦は、8ミリ映画時代から知っていた今関あきよしの若き才能を世に出すため、「製作総監修」のクレジットで総指揮として参加した。大林は製作会社のアミューズに今関を紹介し、シナリオに桂千穂を付けるなどの事前準備まではしたものの、以降の現場にはタッチしていない。今関は現場スタッフから遊離してしまい苦労を重ね、プロデューサー格の秋田光彦はのちに専門誌『月刊シナリオ教室』3月号6頁に、「孤立無援」「それでも映画はちゃんとできた」と記している。
映画版スタッフ
- 監督 - 今関あきよし
- 製作総監修 - 大林宣彦
- 製作 - 大里洋吉、小川辰男
- 原作 - 堀田あけみ
- 脚本 - 今関あきよし、秋田光彦、内藤誠、桂千穂
- 音楽 - 斎藤誠、サザンオールスターズ、原由子、ウエストウッド
- 音楽監督 - 斎藤誠
- 撮影 - 原秀夫(助手:林淳一郎、佐野哲郎、前田智)
- 美術 - 三浦伸一
- 照明 - 三好和宏
- 録音 - 井家真紀夫
- 整音 - 山本逸美
- 編集 - 神谷信武
- 助監督 - 白山一城、鹿島勤、薬師寺光幸、山崎のりあき
- 美術装飾 - 尾上克郎、佐藤信夫
- 効果 - 福島音響
- MA - 映広
- 現像 - 東京現像所
- 弓道指導 - 宇佐美馨、加納康行、堀田朱美、田村武志
- プロデューサー - 山本久、水谷満、井上隆司、松波伸彦、加藤吉次郎(CBC)
- チーフプロデューサー - 久里耕介
- 企画 - 秋田光彦
- 企画協力 - マインドウェーブシネマ
- 配給 - 日本ヘラルド
- 製作 - アミューズ・シネマ・シティ、中部日本放送
映画版キャスト
- 三田アイコ - 富田靖子
- 花岡紅子 - 河合美佐
- 平塚志穂乃 - 伊神さかえ
- 鈴木麗子 - 松下幸枝
- 岡本今日子 - 三次令子
- 木村元子 - 浅野由美
- 川野良太 - 岡竜也
- 森脇治郎 - 波方清
- 福原剛 - 森勇治
- 橋本豊 - 岸部シロー
- 三田芳子 - 藤田弓子
- 矢野育代 - きたむらあきこ
- 三田四郎 - 犬塚弘
- 彼() - 坂井徹
- 田中勇二 - 榊原晃
- 伊東悟 - 井上泰仁
- 立花のぞみ - 鈴木見奈(子役)
- アイコの少女時代 - 加藤亜矢子(子役)
- アベックの男 - 冨田和音
- アベックの女 - 竹村章美
- テレビの新人歌手 - 高橋めぐみ
- 校長先生 - 柳有
- 甘味屋のおばさん - 正司花江
- 用務員のおじさん - 小堀勝啓
- 金魚屋の親父 - 宮地由紀男
- 看護婦 - 重光久美
- 合宿所に来た警官 - 笑福亭鶴瓶
- 島崎愛子 - 紺野美沙子
- 佐藤二朗はクラスメイト役、宮崎萬純(当時は宮崎ますみ)は弓道部員役で出演している。
- 佐藤二朗はクラスメイト役、宮崎萬純(当時は宮崎ますみ)は弓道部員役で出演している。
映画版ロケ地
※主なロケ地のみ。なお、注記がないロケ地はすべて愛知県内である。
- 学校
- 市邨学園高等学校
- 弓道場
- 愛知県立東郷高等学校
- 通学路
- 自由ケ丘
- (自転車で通う)アイコはクラスメイトが乗ったバスを追う時、坂道にある電柱にぶつかってしまう。
- 山手通
- アイコはここで彼()を見掛けた。
- 有松
- アイコの自宅近くにある町。平塚とかき氷を食べるシーンなどが撮影された。
- アイコの自宅
- 日進町(現在の日進市)
- 民家を借りて撮影が行われた。
- 強化合宿(ともに三重県)
- 二見町(現在の伊勢市二見)
- 麻野館 - 弓道部の合宿所(※1893年に創建した老舗旅館。同旅館の玄関・広間・土蔵は、2014年10月に国の登録有形文化財に登録された)。
- 池の浦海岸 ほか
- 津市
- 江戸橋海水浴場 - ボンファイヤー(※ボーイスカウトなどのスカウト運動では「親睦の火」と呼ばれる。なお、スカウト運動ではキャンプファイヤーのことを「営火」()と称するが、火に関する呼び方はその目的によって異なる)の撮影が行われた。
- 病院とその通り道
- 米ヶ瀬病院(後に天寿病院へ改称)
- 島崎先生の入院先。病室や屋上などで撮影が行われた。
- 久屋大通公園
- 島崎先生が入院する病院への通り道。下記の各地点が劇中に登場する。
- 希望の泉
- セントラルブリッジ
- 名古屋テレビ塔(外観のみ)
- エンゼルパーク駐車場 連絡通路(外観のみ。松坂屋名古屋店 本館向かい)
- エンゼルブリッジ
- 市邨学園高等学校
- 愛知県立東郷高等学校
- 自由ケ丘
- (自転車で通う)アイコはクラスメイトが乗ったバスを追う時、坂道にある電柱にぶつかってしまう。
- 山手通
- アイコはここで彼()を見掛けた。
- 有松
- アイコの自宅近くにある町。平塚とかき氷を食べるシーンなどが撮影された。
- (自転車で通う)アイコはクラスメイトが乗ったバスを追う時、坂道にある電柱にぶつかってしまう。
- アイコはここで彼()を見掛けた。
- アイコの自宅近くにある町。平塚とかき氷を食べるシーンなどが撮影された。
- 日進町(現在の日進市)
- 民家を借りて撮影が行われた。
- 民家を借りて撮影が行われた。
- 二見町(現在の伊勢市二見)
- 麻野館 - 弓道部の合宿所(※1893年に創建した老舗旅館。同旅館の玄関・広間・土蔵は、2014年10月に国の登録有形文化財に登録された)。
- 池の浦海岸 ほか
- 津市
- 江戸橋海水浴場 - ボンファイヤー(※ボーイスカウトなどのスカウト運動では「親睦の火」と呼ばれる。なお、スカウト運動ではキャンプファイヤーのことを「営火」()と称するが、火に関する呼び方はその目的によって異なる)の撮影が行われた。
- 麻野館 - 弓道部の合宿所(※1893年に創建した老舗旅館。同旅館の玄関・広間・土蔵は、2014年10月に国の登録有形文化財に登録された)。
- 池の浦海岸 ほか
- 江戸橋海水浴場 - ボンファイヤー(※ボーイスカウトなどのスカウト運動では「親睦の火」と呼ばれる。なお、スカウト運動ではキャンプファイヤーのことを「営火」()と称するが、火に関する呼び方はその目的によって異なる)の撮影が行われた。
- 米ヶ瀬病院(後に天寿病院へ改称)
- 島崎先生の入院先。病室や屋上などで撮影が行われた。
- 久屋大通公園
- 島崎先生が入院する病院への通り道。下記の各地点が劇中に登場する。
- 希望の泉
- セントラルブリッジ
- 名古屋テレビ塔(外観のみ)
- エンゼルパーク駐車場 連絡通路(外観のみ。松坂屋名古屋店 本館向かい)
- エンゼルブリッジ
- 島崎先生の入院先。病室や屋上などで撮影が行われた。
- 島崎先生が入院する病院への通り道。下記の各地点が劇中に登場する。
- 希望の泉
- セントラルブリッジ
- 名古屋テレビ塔(外観のみ)
- エンゼルパーク駐車場 連絡通路(外観のみ。松坂屋名古屋店 本館向かい)
- エンゼルブリッジ
- 希望の泉
- セントラルブリッジ
- 名古屋テレビ塔(外観のみ)
- エンゼルパーク駐車場 連絡通路(外観のみ。松坂屋名古屋店 本館向かい)
- エンゼルブリッジ
主題歌・挿入歌など
- 主題歌
- "LOVE" Is Sixteen - 歌:原由子/作詞・作曲:斎藤誠
- "LOVE" Is Sixteen - 歌:原由子/作詞・作曲:斎藤誠
- イメージソング
- オレンジ色の絵葉書 - 歌:富田靖子/作詞:長谷川千津、康珍化/作曲:柴矢俊彦/編曲:大谷和夫(映画本編では使用されなかったが、EPには「イメージ・ソング」の表記がある)
- オレンジ色の絵葉書 - 歌:富田靖子/作詞:長谷川千津、康珍化/作曲:柴矢俊彦/編曲:大谷和夫(映画本編では使用されなかったが、EPには「イメージ・ソング」の表記がある)
- 挿入歌
- Never Fall In Love Again - 歌:サザンオールスターズ/作詞・作曲:桑田佳祐
- ゆれる想い - ウェストウッド(後の135)/作詞・作曲:高木十喜男
- Last Single X'mas (Inst) - 作曲:桑田佳祐
- Never Fall In Love Again - 歌:サザンオールスターズ/作詞・作曲:桑田佳祐
- ゆれる想い - ウェストウッド(後の135)/作詞・作曲:高木十喜男
- Last Single X'mas (Inst) - 作曲:桑田佳祐
- ED曲
- ED1:Oh!キャティー - 作詞・作曲・歌:齋籐誠
- ED2:恋のメモリー:三昧編 - 作詞・作曲・歌:原由子
- ED1:Oh!キャティー - 作詞・作曲・歌:齋籐誠
- ED2:恋のメモリー:三昧編 - 作詞・作曲・歌:原由子
映像ソフト
- ビデオ
- レーザーディスク
HERALD VIDEOGRAM FH079-25HD CLV,CX
- DVD
グッドバイ夏のうさぎ
『アイコ十六歳』のメイキング映画として、同時上映された。
キャスト(グッドバイ夏のうさぎ)
- 富田靖子
- 今関あきよし
スタッフ(グッドバイ夏のうさぎ)
- 監督 - 山名兌二
- 製作 - 大里洋吉、山本久
- プロデューサー - 森重晃
- 撮影 - 渡辺健治、渡部眞
- 編集 - 新井真琴
- 録音 - 谷村彰治
- 音楽 - 新田一郎
- 配給 - 日本ヘラルド
- 製作 - パブリッシャーハウス・アミューズ
漫画版
飯塚修子の作画で、『1980アイコ16歳』のタイトルで週刊マーガレット上で連載された。昭和57年『週刊マーガレット』(集英社)1982年21号から同年30号まで連載。単行本は全1巻。単行本カバーの宣伝文には“10代の共感をよんだ「ニュー学園ストーリー」の傑作”とある。作中のセリフの一部には原作者の出身地である愛知県方言と思しき訛りが含まれている。
高等学校の弓道部に所属する女子生徒達の人間関係を中心とした恋愛漫画である。弓を引く場面の描写は10ページ未満であり、試合や具体的な練習描写もなく、いわゆるスポーツ漫画ではない。胸当ては付けるが袴を着ているシーンは全くない。
単行本
- 飯塚修子(原作:堀田あけみ) 『1980 アイコ16歳』 集英社〈マーガレットコミックス〉
#1982年12月22日発売 ISBN 978-4-08-850717-0
エピソード
- ドラマ化の権利は東京放送(現:TBSテレビ)の市川哲夫がいち早く獲得し、伊藤つかさを主演とした作品が1982年に放送され、ヒット作となった。市川は同作品の音楽に桑田佳祐を起用することをアミューズに打診したが、桑田は「スコアは書けない」と断った。その後、アミューズがこの企画に関心を持ち、1983年に富田靖子(当時は冨田靖子)の主演で映画化し、桑田は楽曲制作に携わった(楽曲情報は「主題歌・挿入歌など」を参照)。
- 映画版には、アイコが自宅の屋根の上で『七つの子』の替え歌を口ずさむシーンがある。
- 1987年12月に放送された『ズームイン!!朝!』で青春映画特集のコーナーが組まれ、この時にアイコの自宅として撮影した民家の屋根の上から生中継が行われた。この中継にはきくち教児と堀田あけみが出演し、富田はVTRで当時の思い出話を語った。