2.5次元の誘惑
以下はWikipediaより引用
要約
『2.5次元の誘惑』(にてんごじげんのリリサ)は、橋本悠による日本の漫画作品。略称は「にごリリ」。『少年ジャンプ+』(集英社)にて、2019年6月15日より連載中。当初は毎週土曜日更新で新作が発表されていたが、作者の体調面への配慮から2022年4月30日以降は隔週土曜日更新となっている。なお、新作の更新がなされない週についても、1ページ(稀に2ページ)の書き下ろし(読者からのリクエストを基にしたイラスト)が掲載されている。
2次元のキャラクター・リリエルに愛情を向ける男子高校生・奥村正宗と、リリエルのコスプレが好きな女子高校生・天乃リリサを描いたコスプレコメディ。
概要
最初はかわいい女の子を描くということから構想が始まり、橋本の好きな要素を詰め込んだ結果、コスプレイヤーのラブコメ漫画となった。当初は「1話完結でエロいことだけ」を描く予定だったが、イベントの話を描いたあたりから読者の反応が劇的によくなり、「熱血青春コスプレマンガ」へと変化していった。また、一時期iOSで規制されたことに加え、橋本がコスプレイヤーについて真面目に描きたいと思うようになったことなどから、3巻前後から肌を露出するシーンは減っていった。
橋本はコスプレ描写について、コスプレイヤーの知り合いからアドバイスを受けているという。また、読者にストレスのかかる描写を避け、悪役は出さないようにしていると語っている。連載開始から3年近くが経過した2022年4月時点においても、アシスタントは使わず1人で描いている。
なお、本作では1話で3次元を「リアル」、2次元を「フィクション」としており、2.5次元はその「あいだ」と表現されている。
『次にくるマンガ大賞2020』Webマンガ部門4位。総閲覧数は2022年3月時点で1.4億回を、電子版を含めた累計発行部数は2022年12月時点で170万部をそれぞれ突破している。
2022年12月10日、テレビアニメ化が発表された。
あらすじ
第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
第5巻
第6巻
第7巻
第8巻
第9巻
第10巻
第11巻
第12巻
第13巻
第14巻
第15巻
第16巻
第17巻
登場人物
本名とコスプレイヤー(レイヤー)としての名前が登場している場合は、「本名 / コスプレイヤーとしての名前」と表記する。年齢・学年は初登場時のもの。
声の項はテレビアニメ版の声優。
主要人物
奥村 正宗(おくむら まさむね)
声 - 榎木淳弥
本作の主人公。高校2年生の男子。漫画研究部部長。
母は蒸発し、姉に疎まれるなどの過去のトラウマから「3次元の女に興味はない」と言い、リリエルに熱中する。リリサの入部後は、彼女の趣味であるコスプレ撮影の仲間として、撮影技術を学び始める。
リリサに対しては恋愛感情に似たものを感じているが、信条から「性的な目で見ない」と約束したこともあり、あくまでオタク仲間としての友情と尊敬の念であると己に言い聞かせている。ただ、周囲からは、リリサとの二人の様子は恋人同士のそれであると思われている。
スポーツはしていないが陰で体を鍛えており、見た目とは裏腹に体は細いながらも腹部にシックスパックができているほどの筋肉質な体形をしている。
天乃 リリサ(あまの リリサ)
声 - 前田佳織里
奥村と同じ学校に通う高校1年生の女子。リリエルのコスプレイヤー。
リリエルコスプレのROMを作ることが目標。コスプレ用の名義はなく、またSNSもやっていないため、コスプレ界隈ではリリエルと呼ばれる。成人向け表現についても大好き。
奥村に対しては、当初はあくまでオタク仲間としての友情と尊敬の念だという気持ちで恋愛感情を抱いていたが、のち本当に奥村を愛していると自覚する。そして自身が目指す「究極のROM作り」のため淡雪エリカのロケ撮影に同行した際に、撮影を前に奥村に告白した。
橘 美花莉(たちばな みかり)
声 - 鬼頭明里
奥村と同じ学校に通う高校1年生の女子。リリサのクラスメイト。現役人気モデルで、愛称はみかリン。顔面が天才。
過去に髪の毛の癖が原因で虐められ、奥村に助けられた過去を持つ。以来10年以上もの間、奥村に好意を寄せる。
リリサのコスプレ仲間の中では常識人の方だが、奥村に対しては事あるごとにアプローチをする、彼の発言に一喜一憂し最初は反対したキャラのコスプレも彼が賛同したら真っ先に受け入れる等彼が絡むと暴走気味の行動を執る事がある。
乃愛(のあ) / NONOA(ノノア)
奥村と別の学校に通う高校1年生の女子。リリサとともに、まゆらが抜けた後の次期四天王と目される新人コスプレイヤー。ゲーム『シンデレラ☆スター』のクーリアに扮し、新人レイヤーとして注目を集めた。アリアからは「ののぴ」と呼ばれる。好物はオムライス。
過去のトラウマから、極度のコミュ障で、初対面の人間とはまともに話せず、睨んでいるような表情になってしまうこともある。そのため、コスプレしているときは常にクールな無表情になり、それがクーリアのキャラと相まって評価される。
物語が進むにつれて、コスプレ以外ではデフォルメされて描かれることが多くなる。色恋沙汰にはかなり鈍感でリリサ、美花莉、アリアが奥村に好意を抱いていることに全く気付いておらず、彼女等のやり取りを仲が良い友達の交流だと思っている。
主要人物の中では衣装や造形物の作成能力が高い方で、リリサとともに衣装づくりの主力となっている。そのことを評価する虎次郎からは、ノノアの方が年下であるにもかかわらず、「棟梁」と呼ばれ、敬語で話しかけられている。
喜咲 アリア(きさき アリア)
奥村と別の学校に通う高校2年生の女子。駆け出しのコスプレイヤー。
コスプレ・漫画・アニメへの知識に疎い。リリサとノノアの併せ撮影中に遭遇したことを機に、彼女らと親交を深める。そしていつの間にか放課後は乃愛とともに校外生ながら頻繁に漫研の部室に出入りするようになる。
父親は漫画家のキサキヨウ。行方知れずとなった父に、今でも彼の作品が好きだと伝えるため、コスプレで有名になろうとし、初参加のイベントでは、父の漫画『ヴァルキリー戦線』のメリアに扮する。
自身の夢の事や父親との事で支えとなってくれた奥村に対して徐々に好意を抱くようになり、それとなくアプローチをするようになる。
コスプレ作成に関してはリリサよりはレベルが低く、もっぱら応援・サポートで手助けしている。
安部 まりな(あべ まりな)
奥村と同じ学校の高校3年生の女子で、副生徒会長。奥村の幼馴染であり、第1話で述べられていた「女子に告白した結果、変な噂を流された」相手でもある。
漫研部に文化祭企画書を受け取りに行く翠理に同行し、主要人物たちと出会う。その際、奥村と数年ぶりの再会を果たす。
誰にでも分け隔てなく接する優しい振る舞いから、校内で「聖母」と呼ばれ親しまれる。奥村とは「まり姉」「まーくん」と呼び合う。実は奥村たちに負けず劣らずのオタクであるが、教育ママである母親の期待に応えるべく、ずっとその趣味を隠してきた。だが奥村から、誰にでも手を差し伸べるその優しさは本物だと諭され、本当の自分を周囲や母親にさらけ出すことを決意する。高校卒業後は、OG特別顧問として部に出入りする。
既存の漫研部員や生徒会の面々の中で最も絵がうまく、デザインセンスも高い。カップリング(異性・同性は問わない)が好きで、特に漫研の女子メンバー同士の仲が良い光景を見ると、目が百合になる。
華 翼貴(はな つばき)
奥村やリリサらが1学年進級したと同時に、同じ高校に入学してきた1年生の女子。同時に新設された特進クラスに在籍するため、リリサや美花莉らとは異なり特進クラス用の制服を着用している。脱サラしてIT企業を立ち上げて成功した父と、父の開発したアプリの海外展開に携わった外国人の母との間に生まれた、ハーフのお嬢様。
豊富な資産を持つ両親による、好きなことを何でもして良いという教育方針のもと、スポーツを始め漫画・アニメ鑑賞も含めて様々なことをしてきたものの、心から好きと思えるものに出会えなかった。しかし、偶然に漫研の部室でリリエル愛を叫ぶ奥村の姿を見て、本当に好きなものに出会えるかもしれないと思い、漫研に入部する。
振る舞いは一見まともだが、慇懃無礼な性格。好きなものを知ることは人生を豊かにするためと考えており、また物事を生産性や利点などで評価するきらいがある。感情が高ぶるとお嬢様言葉になる。
どんな技術も高いレベルで学習でき、新1年生ながらコスプレ作成の主力の一人である。
奥村と同じ学校の関係者
羽生 まゆり(はにゅう まゆり) / まゆら
コスプレイヤーの女性。四天王のひとり。春に奥村たちの高校へ赴任した新任教師。家庭科担当。
主に格闘ゲームのキャラクターであるラスタロッテに扮していた。中学時代のリリサとイベント会場で会っている。その後、教師になるとコスプレは引退したが、奥村に実はまゆらだったと露呈したことで、漫研顧問となる。ただ、本人は実は元有名コスプレイヤーだったという過去を隠しているため公の場でそれに触れられることは極端に嫌っており、特に奥村に対しては"圧"を掛けてまで口止めしている。それでも漫研顧問としてリリサのために1度だけコスプレイヤーとして復帰したり、コスプレについて様々な面で指導・アドバイスしたり、合宿に引率責任者として同行するなどしている。
瀧 翠理(たき みどり)
龍造寺 虎治郎(りゅうぞうじ とらじろう)
コスプレイヤーとカメラマン
Magino(マギノ)
カメラおじさん
コスプレ四天王
753(なごみ)
声 - 山根綺
企業案件をこなすプロの女性コスプレイヤー。コスプレイヤー四天王のひとり。
元は好きでコスプレを始め、どんな素人レイヤーも受け入れるスタンスだった。インターネット上で「仕事でコスプレをしているなんてキャラ愛がない」などと中傷され、キャラ愛ゆえにコスプレをするレイヤーに対して敵愾心を抱くようになる。横須賀コスストを経てリリサと和解して以降、時折アドバイスをおくる。
素の姿では、ロングの髪を左右異なる色に染めた派手な風貌をしている。企業案件が活動の主軸であるためメインでやっているキャラはないが、乙女ゲーム『ドストライク☆プリンス』の(不人気)キャラクターであるカイが大好きで、彼に似ている奥村が気になる。
淡雪 エリカ(あわゆき エリカ)
コスプレ四天王のひとり。人気やROM売上のためではなく芸術としてコスプレを極めており、「この世で最も2次元に近い女」と称される。
衣装と身体づくりに1年の歳月をかけるため、基本的にイベント参加は夏コミのみ。
実際には、元コスプレイヤーで衣装制作・撮影担当のエリカと、現役コスプレイヤーの雪の2人組。
生地 絵理華(きじ えりか) / エリカ
15年前にグラビアモデル並みのボディとハイクオリティな衣装とROMで「現代コスプレの祖」と称賛された元コスプレイヤー。現在は家業である生地屋「生地彩館」を手伝う傍ら、コスプレや芸能関係の会社を経営している才媛。
いつまでもコスプレイヤーを続けるつもりでいたが、月日を重ねるごとに理想の体型を維持することが困難になり、「体をすげかえる(自分以外の人間をコスプレさせる)ことで、永遠にコスプレができる」という考えに至る。そして、たまたま母校の大学に訪れたところ、後輩となるユキに出会い、彼女とタッグを組んだところ、大成功を収めた。その後、偶然に実家の生地屋に生地を買いに来たリリサに縁を感じ、まゆらを通じて、彼女ら出会う。
リリサ並みに食べることが大好き。年齢は不明だが、まゆらから「エリカさんじゅうななさい」と言われている。
星月 夜姫(ほしづき よき)
SNSをフル活用して活動する女性コスプレイヤー。コスプレイヤー四天王のひとり。
承認欲求が強く、他者にちやほやされたいため、主に流行りの作品のコスプレをする。我が強く、口も悪いため友人は少ないが、753とは友達がいないぼっち同士、交わす言葉は穏当ではないものの仲が良い。
素の姿では、腰まで届くロングヘアにそばかすだらけの頬、丸眼鏡をかけた三白眼にギザギザの歯と、とてもインパクトのある顔をしている。作中で死んでしまうキャラクターばかりを好きになる傾向があり、喪に服すためプライベートでも黒いスーツを着ている。冬コミ編ではアプリゲーム『マジョ娘』のエリーゼ・フォン・ヴァルプルギスで参戦(エリーゼも作中で死亡している)。
漫画家
キサキ ヨウ / 日枯 陽一(ひがらし よういち)
アリアの父。『ヴァルキリー戦線』・『リリエル外伝』の作者。本名不詳。
連載前に高松のアシスタントをしていた。その経験が影響してか「キサキ」名義での初連載『ヴァル戦』は『アッシュ戦記』のパクリと批判されて短期で打ち切られた。現在は元アシスタントの縁で、『アッシュ戦記』のスピンオフ作品『リリエル外伝』を「日枯」名義で連載する。しかし自身のアシスタントらからは元PNより「キサキ」の名で呼ばれる。
『ヴァル戦』への酷評と打ち切りで自信を失ったことが、妻との離婚に繋がる。連載中には奥村からのファンレターに「こんな漫画を好きになるのはやめなさい」と返信し、『ヴァル戦』が好きだと言う娘にも目の前で単行本を床に叩き付けた。現在も、元妻や娘に対して相応しく振舞えなかったことを反省するが、『リリエル外伝』に対するファンレターを読まずに高松へ転送し、自身への評価を(賛否問わず)拒否する。だが夏コミでの件で考えを改め、検討していた『リリエル外伝』の連載終了を翻意、元妻とも仲直りする。
その他の人物
奥村の母
奥村の父
用語
コスプレ四天王
5人の新星レイヤー
作中作
アシュフォード戦記
原作自体は古く、奥村が小学生のころに完結した。作中でリリエルはアッシュをかばい、戦死する。リリエルの親友の悪魔ミリエラや、リリエルの仲間ノキエルといったキャラクターの存在も言及される。
リリエル外伝
日枯陽一(アリアの父親)による漫画作品。主人公リリエルが、天使としてアッシュのもとへ帰ってくるまでの、天界での試練を描く『アッシュ戦記』のスピンオフ。
『アッシュ戦記』完結後に始まり、現在も連載中。スピンオフながらアニメ化もされた。こちらではリリエル、ミリエラ、ノキエルと外伝オリジナルキャラクターのアリエルによって「天使空挺隊」と呼ばれる集団が組織されている。
リリエル外伝
『アッシュ戦記』完結後に始まり、現在も連載中。スピンオフながらアニメ化もされた。こちらではリリエル、ミリエラ、ノキエルと外伝オリジナルキャラクターのアリエルによって「天使空挺隊」と呼ばれる集団が組織されている。
ヴァルキリー戦線
『アッシュ戦記』のパクリなどと批判され、劇中時間の約10年前に約10話で打ち切られた。奥村はこの漫画のファンで、連載当時にファンレターを送った。
マジョ娘
名前の登場しているキャラクターとして、ミクラノミタマ(通称タマちゃん)、オリビア・アルデバラン、ワン・ランラン、ライラ=ネフェルティティ、エヴァ、エリーゼ・フォン・ヴァルプルギスらトーナメントのAグループ、マジョリーナ・マジョルーナ(通称マジョマジョ)がいる。
書誌情報
- 橋本悠 『2.5次元の誘惑』 集英社〈ジャンプ・コミックス+〉、既刊19巻(2024年1月4日現在)
- 2019年10月4日発売、ISBN 978-4-08-882129-0
- 2020年1月4日発売、ISBN 978-4-08-882182-5
- 2020年2月4日発売、ISBN 978-4-08-882207-5
- 2020年5月13日発売、ISBN 978-4-08-882337-9
- 2020年7月3日発売、ISBN 978-4-08-882355-3
- 2020年9月4日発売、ISBN 978-4-08-882464-2
- 2020年12月4日発売、ISBN 978-4-08-882565-6
- 2021年2月4日発売、ISBN 978-4-08-882635-6
- 2021年4月2日発売、ISBN 978-4-08-882664-6
- 2021年7月2日発売、ISBN 978-4-08-882754-4
- 2021年10月4日発売、ISBN 978-4-08-882838-1
- 2021年12月3日発売、ISBN 978-4-08-882899-2
- 2022年3月4日発売、ISBN 978-4-08-883070-4
- 2022年7月4日発売、ISBN 978-4-08-883166-4
- 2022年10月4日発売、ISBN 978-4-08-883286-9
- 2023年1月4日発売、ISBN 978-4-08-883392-7
- 2023年5月2日発売、ISBN 978-4-08-883520-4
- 2023年9月4日発売、ISBN 978-4-08-883683-6
- 2024年1月4日発売、ISBN 978-4-08-883866-3
テレビアニメ
2024年より放送予定。
スタッフ
- 原作 - 橋本悠
- 監督 - 岡本英樹
- シリーズ構成 - 吉岡たかを
- キャラクターデザイン - 下谷智之
- 音楽 - 堤博明
- アニメーション制作 - J.C.STAFF