7人のシェイクスピア
漫画:7人のシェイクスピア
作者:ハロルド作石,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ,
レーベル:ビッグスピリッツコミックススペシャル,KCデラックス,
発表期間:2009年12月 - 2011年11月,
巻数:全6巻全3巻,
話数:全66話,
漫画:7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT
作者:ハロルド作石,
出版社:講談社,
掲載誌:週刊ヤングマガジン,
レーベル:ヤンマガKCスペシャル,
発表期間:2016年12月12日 -,
巻数:既刊13巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『7人のシェイクスピア』(しちにんのシェイクスピア)は、ハロルド作石による日本の漫画。
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2010年3・4合併号から連載され、2011年50号で「第一部:完」となった。その後、諸事情もあり休載していたが、5年を経て『週刊ヤングマガジン』(講談社)に移籍し、『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』(しちにんのシェイクスピア ノン サンズ ドロイクト)と改題して2017年2・3合併号から連載中であったが2020年12月現在再び休載している。
英国の劇作家・詩人のウィリアム・シェイクスピアを物語の中核に据えた歴史漫画であり、謎に満ちたシェイクスピアの人生や、宗教弾圧や陰謀などが描かれている。作者初の歴史作品であり、小学館の漫画誌では初の連載作品であった。また、移籍先の『ヤングマガジン』での連載は『ストッパー毒島』以来18年ぶりである。
「NON SANZ DROICT」はシェイクスピア家の紋章に記されたフランス語の銘で、「権利なからざるべし」という意味である(ウィリアム・シェイクスピア#ロンドンの劇壇進出を参照)。
ストーリー
7人のシェイクスピア
1600年のイギリス・ロンドン。芝居は庶民の娯楽として大いに人気があったが、権力側の少なからぬ者達が、この風潮を苦々しく思い、ともすれば取り締まろうと躍起になっていた。シェイクスピア劇団による大評判の芝居『ハムレット』の脚本を別の劇団に売り込もうとしている顔に大きな痣のある男がいた。しかし、台本の台詞とあらすじを聞いた芝居通の男が、「自分の見た芝居と違う」と言い出し、男は叩き出されてしまう。「下衆野郎」とはき捨てられた男は言い返す。「シェイクスピアこそ下衆野郎の詐欺師だ」と。
その13年前の1587年。リヴァプールの塩商人ランス・カーターことウィリアム・シェイクスピアは、一人の黒髪の少女リーと出会う。彼女は未来を予見できる能力を持っていたが、不吉をもたらす魔女として白眼視され、喉をつぶされた上、嵐の夜に人身御供として流された中国人移民であった。幼馴染で商才に長けたワース、中年の従僕ミルらの下で保護され、英語を覚えたリーが綴るソネットは、商人ギルドのために芝居を書いていたランスにとめどない霊感をもたらすのであった。そして、ロンドン帰りのワイン商ギルドの脚本家、クレタ・マシューズとの芝居対決でランスが脚本を手掛けた『オデット』は、リーの優れた詩文もあり観客から拍手喝さいを浴びる。審査を行う市参事会へのワイン商の買収により勝負には敗れたものの、手ごたえを掴んだランスは、より多くの成功を求めてロンドン行きを決意する。
それより以前、彼らの少年時代に時間はさかのぼる。イギリス中部のストラトフォード・アポン・エイヴォンで街の名士の子として育ったウィリアム・シェイクスピア(ウィル)は、国の方針によってカトリック(旧教徒)が排斥されプロテスタント(新教徒)が勢力を拡大する中、親友のジョン・クーム宅で開かれていた水曜礼拝に通うようになり、敬虔なカトリック教徒となる。こうした状況の中、ウィルは父親が上級階級になる夢を果たせず没落、師と仰いでいた司祭は政府の弾圧が迫る中で街を去り、偽った相手に騙されて結婚。ジョンは幼馴染が結婚話を苦に自殺するなど、さまざまな試練に直面する。やがて2人は貴族のトマス・ルーシーによって鹿泥棒の汚名を着せられるが、権力者の側に自分達にはない自由を見出すと、己の才覚で成功者となり自由を手に入れるべく、ウィルは「ランス・カーター」、ジョンは「ワース・ヒューズ」と名前を変えて故郷を旅立つ。
旧教徒の多いランカシャーで塩商人としての生活を始め、商才を認められるようになったランスとワースは、故郷からの道中で偶然出会ったトマス・ラドクリフという司祭に会うため教会を訪れる。2人が訪れた時には、教会は何者かの手によって焼け落ちていたが、かろうじて納屋の中に潜んでいたラドクリフを助け出すと、彼に対して自分達も旧教徒である旨を伝え、同じように名を変えて生きていくことを提案する。
再び1587年に戻る。ロンドンに向かうべきかリヴァプールに留まるべきか進路の選択が迫られる中、ワースは十分な蓄えと安全な屋敷を確保するまでの時間が欲しいと前向きな姿勢を見せる。一方、ミルは危険の多いロンドン行きに難色を示すも、旧教徒への弾圧がリヴァプール周辺にも及んだことを知り、これに同意。ランス、ワース、ミル、リーの4人がロンドンへと気持ちを一つにさせるところで物語は終わる
7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT
1588年、ランス、ミル、リーの一行はロンドンへ到着し、一足先にロンドンへ渡っていたワースと再会する。ワースの蓄えた資金の下で生活を始めたランスはストレンジ卿一座のジェームズ・バーベッジへ脚本を持ち込むが、「まるで5年前の作品だ」と酷評される。ランスが手掛けた『オデット』のような喜劇はすでに過去のものとなり、海軍大臣一座のクリストファー・マーロウによる大掛かりな演出と残虐な芝居が世を席巻していた。ランスは各劇団への脚本の持ち込みを続けるも、ことごとく断られ、己の学識のなさや、素養のなさを痛感するが、リーが綴る名台詞の力を信じて歩み続ける。
そんな中、ランスはケインという弁の立つ少年と出会うと、彼の母・アンともども匿うことになり、6人での生活が始まる。ワースは生活費を浪費するばかりで、成功する当てもない現状に不安を覚えるも、ランスはトマス・ソープという本の行商人との交流を通じて提供された貴重な情報から着想を得ると、ミルの聖書や神話からの知識、リーの詩才、ケインの率直な意見、アンの音楽の才を加え、新たな作品『ヴェニスの商人』を完成させる。ミルと知己のあるストレンジ卿ファーディナンド・スタンリーへの持ち込みの結果、ストレンジ卿一座での上演が決まると、ランスは再び「ウィリアム・シェイクスピア」として生きていく決意をする。
登場人物
主要人物
名前の後ろに※が付いているのが7人のシェイクスピア。
ウィリアム・シェイクスピア / ランス・カーター※
本作の主人公。不敵な表情と口髭が特徴の金髪の青年。イギリス中部のストラトフォード・アポン・エイヴォンという街で手袋職人で中流階級(ヨーマン)のジョン・シェイクスピアの息子として生まれ育つ。人当たりが良く真っ直ぐな性格で幼少時から人を惹きつける魅力がある少年であった。国王の政策によってカトリックが弾圧される中、友人ジョン・クームの自宅で密かに開かれていた水曜礼拝に呼ばれるようになり、敬虔なカトリック教徒として人格を形成していく。しかし、幾人もの悪意によって友人ジョンとともに鹿泥棒の汚名を着せられたことをきっかけに、ランス・カーターと名を変えて故郷を出奔することとなった。その後、たどり着いたリヴァプールで塩商の徒弟として働く傍ら、素人芝居の脚本を書くよう勧められたのをきっかけに芝居にのめり込む。劇作家として大成して富と権力を得、「自由」を獲得するという夢を持つようになった為、仲間たちとともにロンドンへ進出。グラマースクールしか出ておらず、またその授業もあまり熱心に受けていなかったため、本格的な劇作家としては教養が足りないのがネック。幼少時の愛称はウィル。
ジョン・クーム / ワース・ヒューズ
ウィルの幼馴染で親友。背格好はウィルとよく似ており、少年時代はウィルの父親が見間違うこともあったが、成人後は髪を伸ばし、ひげを剃っている。ストラトフォード一番の裕福なクーム家の跡取りとして、厳しく商売のイロハを叩き込まれて育ったため、多くのベテラン商人に認められるほど抜きんでて商才がある。特に会話から相手の懐具合を察知してそれに見合った代金を提示する技術は誰にも真似できない。また、両親が敬虔なカトリック教徒であった影響で彼もカトリックを信仰している。友人のウィリアムとともに鹿泥棒の汚名を着せられたことをきっかけに、ワース・ヒューズと名を変えて故郷を出奔する。その際、ウィルにはランス・カーターという偽名を贈っている。芝居には興味がないが、その商才を生かし、ランス達を経済的にサポートしている。
リー / 于俐(ユウ・リー)※
レンガ職人の娘として育った少女。ストレートの長い黒髪が特徴で、その霊感もあって(後述)黒の女神とも呼ばれる。幼いころから未来を予知する不思議な力を持ち、そのことから起きたトラブルによって周りの人間に疎んじられることが多かった。また、彼女の予言でノイローゼになった父親によって喉に×印の焼き印を押され、それ以来、声が潰されてしまった。家族とともにリヴァプールのチャイナタウンに移住。その霊言によってチャイナタウンに繁栄と安定をもたらすが、あるときの長雨により人身御供とされる。チャイナタウンは川の氾濫によって壊滅するが、彼女は川に流されてランスとワースに保護されることとなる。最初は英語の読み書きもできなかったが天才的センスで英語を吸収し、わずか1か月ほどでマスターした。類い希な詩才を持ち、彼女の紡ぎだす流れるような詩はランスにとめどない霊感をもたらし、演劇の世界に没頭させるきっかけとなる。全ての命を自分と同格に見る慈悲深い感性の持ち主だが、生い立ちのせいか愛や幸福といった概念を理解出来ずにいる。
トマス・ラドクリフ / ミル※
ランスとワースの2人に仕える使用人。背が低く小太りで特徴的な髪型をしている。聖書を愛読し、使用人とは思えないほど学識が高くハーブの知識に関しては専門家以上。発見時に衰弱しきっていたリーを献身的に看護し、言葉を教えたのも彼。実はカトリックの弾圧を避けるためランスとワースがかくまっている大学出の司祭。世が世ならどこぞの司教になっていただろうと言われ、カトリック派有力者の間でも声望が高い。彼の持つ聖書や神話に対する豊富な知識はランスの物語制作に大きく貢献している。茶目っ気のある人物で、リーの詩を台詞にしたウィルの芝居の一幕を仲間内で演じることがあるが、ルックスとアドリブのせいか必ずコメディ調になってしまう。
トマス・ソープ※
ケイン※
アン※
ムーン
チャイナタウンの人々
シャイ
大老爺(おおおじ)
于燕(ユウ・イェン)
リヴァプールの人々
ウォーカー
クレタ・マシューズ
ウォリントンの人々
ベル
ストラトフォードの人々
ジョン・シェイクスピア
メアリー・シェイクスピア
サイモン・ハント
ジョン・コタム
ジョン・クームの父
キャシー・ハムレット
トマス・ルーシー
ロンドンの人々
ジェームズ・バーベッジ
リチャード・バーベッジ
クリストファー・マーロウ
書誌情報
- ハロルド作石『7人のシェイクスピア』 小学館〈ビッグスピリッツコミックススペシャル〉、全6巻
- 2010年5月28日発売、ISBN 978-4-09-183235-1
- 2010年9月30日発売、ISBN 978-4-09-183578-9
- 2011年1月28日発売、ISBN 978-4-09-183740-0
- 2011年5月30日発売、ISBN 978-4-09-183873-5
- 2011年10月28日発売、ISBN 978-4-09-184215-2
- 2011年12月28日発売、ISBN 978-4-09-184244-2
- ハロルド作石『新装版7人のシェイクスピア第一部』 講談社〈KCデラックス〉、全3巻
- 2017年7月6日発売、ISBN 978-4-06-510161-2
- 2017年8月4日発売、ISBN 978-4-06-510210-7
- 2017年9月6日発売、ISBN 978-4-06-510211-4
- ハロルド作石『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊13巻(2020年8月5日現在)
- 2017年4月6日発売、ISBN 978-4-06-382954-9
- 2017年7月6日発売、ISBN 978-4-06-510017-2
- 2017年11月6日発売、ISBN 978-4-06-510311-1
- 2018年3月6日発売、ISBN 978-4-06-511038-6
- 2018年6月6日発売、ISBN 978-4-06-511682-1
- 2018年9月6日発売、ISBN 978-4-06-512813-8
- 2018年12月6日発売、ISBN 978-4-06-513846-5
- 2019年4月5日発売、ISBN 978-4-06-515196-9
- 2019年7月5日発売、ISBN 978-4-06-516357-3
- 2019年11月6日発売、ISBN 978-4-06-517735-8
- 2020年2月6日発売、ISBN 978-4-06-517735-8
- 2020年5月7日発売、ISBN 978-4-06-519554-3
- 2020年8月5日発売、ISBN 978-4-06-520458-0