B・B
以下はWikipediaより引用
要約
『B・B』(ビービー、B.Bとも表記される)は、石渡治による日本の漫画。また、これを原作としたOVA作品。第34回(昭和63年度)小学館漫画賞少年部門受賞。
週刊少年漫画雑誌『週刊少年サンデー』(小学館)に、1985年24号から1991年9号にかけて連載された。単行本は、小学館:少年サンデーコミックスより全31巻、同ワイド版より全16巻、小学館文庫より全17巻。
B・B (Burning Blood) こと高樹翎(たかぎ りょう)と、彼の宿敵・森山仁(もりやま じん)との対決を巡る、高校ボクシング界からマフィアの世界、戦場までも舞台としたボクシング漫画。
1990年にはOVAが発売されている。なお、テニス漫画『"LOVe"』は時系列上、この作品の続編に当たる。
ストーリー
第1部
一方の森山も、B・Bの強烈な拳に魂を揺さぶられ、究極の防御法「鋼鉄の肉体」を会得した。お互いを「天敵」と認め合う関係を築きながら2人は関東高校ボクシング大会に出場する。しかし、卑劣漢木地本の妨害により対決は水泡と帰し、激昂したB・Bは木地本を殴殺してしまい、アメリカへの逃亡を決意する。
第2部
一方、森山は日本でプロデビューを果たし、連勝街道を驀進するかに思われたが、心が優しすぎるという欠点が明らかになる。その欠点を森山のトレーナーとなった早瀬大は克服させようと命を賭すが、森山は日本チャンピオン戦で敗北。森山は早瀬の死に目にも会うことが叶わなかった。しかし、そのことが森山の精神に新たな力となり、再起した森山は瞬く間にライト級世界統一チャンピオンへと登り詰める。
マジシャンは自身が率いる凄腕の傭兵部隊「眠れる羊たち(スリーピングシープ)」にB・Bをスカウトした。アメリカ含む西側諸国の問題解決を主任務とする「眠れる羊たち」はCIAを始めとする政府機関やアメリカ大統領に対しても強力なパイプをもち、コネを使ってマフィアからの襲撃を止めさせると共に、傭兵部隊としてのミッションを成功させれば、アメリカ政府の手で市民権を与えることを約束される。戦場で人を殺すことに精神を病みながらB・Bは戦い、農学博士であり穀物メジャー「ガーギル」の会長エドガー・H・ガーギルの救出に成功したことで、ブライアン・バクスター(B・B)・ガーギルの名を得て表舞台に帰ってくる。
第3部
IBF世界ジュニアライト級チャンピオン戦で、錯乱した前チャンピオンのカルロス・ドミンゴが拳銃を乱射。これを阻止するためにB.Bが「10cmの爆弾」を用いて殺害。この模様が全世界に中継されていたため、WBA、IBF、WBCは「10cmの爆弾」の使用禁止を決定する。「10cmの爆弾」が禁じられた状態で、WBC世界ジュニアライト級チャンピオンイワン・ゴドロフと熱戦を繰り広げるが、ついにB・Bが敗れる。
B・Bと森山は、「10cmの爆弾」使用可の試合を行うためだけに、独自のボクシング協会を設立。全世界を巻き込んだ一大プロジェクト「MATSURI」を開催。横浜に造られた野外リングで2人は最後の戦いを繰り広げる。
2人の戦いは世界中に設置されたモニターだけでなく、テレビやラジオといったあらゆる公共電波で伝えられ、それを見た、聞いた人々の心に熱い、とても熱い「何か」をもたらした。
登場人物
主要人物
高樹 翎(たかぎ りょう)
主人公。
通称 “B.B(ビービー)”。B.Bとは「Burning Blood」の略で、横須賀のドブ板通りで数人の米兵相手に暴れる彼を見た米兵が「His blood is burning(奴の血は燃えている)」と呟いたことから。トランペットが得意で、“帝王”すらも唸らせる。後にボクシングに目覚め、乙戸から “Best Boxer (B.B)” となるべく指導を受ける。必殺技は超ショートレンジから繰り出される“10cmの爆弾”。
不本意ながら殺人を犯し、米国へ逃亡。その後は地下ボクシング、傭兵などを経て市民権と戸籍を手に入れ、米国人「ブライアン・バクスター(B.B)・ガーギル」として表舞台に復帰、森山との決戦に向かう。
その激情ゆえに拳を血に染めることも多く、タイトルマッチ会場で乱射事件を起こしたカルロスを止めるために殺害。その瞬間が世界中に中継されてしまったことから「鉄拳の悪魔」という異名をもつこととなる。傭兵時代に爆弾の破片が首に刺さって除去不能となり、後々B.Bを苦しめることになる。
後に小雪との間に愛(あい)という一人娘が産まれ、彼女は後の作品 ("LOVe") の主人公となる。
森山 仁(もりやま じん)
B.Bのライバルにして天敵と言える人物。森山家の養子。所属する高校のボクシング部へは有名ジムからスカウトが殺到し、また、東京大学へ現役合格するなど文武両道。B.Bに対抗すべく“鋼鉄の肉体” を会得する。
B.Bとは最初は衝突し合ったが、お互いの宿命を認識することで、意識し、尊重していく。B.Bが起こした事件においては自首を勧めるも、ついには彼を見送る。この二人の再対決が本作品の大きな軸である。父親はB.Bの父親との因縁を持つ。
父の死による挫折を乗り越えた後は、瞬く間にWBA、WBC、IBFを制覇しライト級統一チャンピオンとなる。レフェリーやスロービデオですら視認出来ないほどのパンチのスピードと鋼鉄の肉体による実力から「闘神」「神の拳を持つ男」と呼ばれる。
『"LOVe"』では、ボクシングを引退し日本有数の大企業の社長に就任しており、B.Bと愛の行く末を見守っている。
松原 小雪(まつばら こゆき)
第1部
加藤 稔(かとう みのる)
若林 浩一(わかばやし こういち)
乙戸 誠(おとべ まこと)
高樹 源太郎(たかぎ げんたろう)
マロイ
中野 泰明(なかの やすあき)
通称“武道館”。軽いフットワークと「槍」と称されるストレートが得意。高校での試合ではB.Bを追い詰めるも、力およばず。第3部では、乙戸を訪ね「10cmの爆弾」をマスター、さらに鋼鉄の肉体(森山とは異なり、こちらはいわゆる剛の肉体)を手に入れる。ジュニアウェルター級の東洋太平洋チャンピオンとなるも、B.Bとの再戦のためにジュニアライト級まで減量。IBFチャンピオンだったカルロス・ドミンゴを破り同級の世界チャンプになったが、B.Bとの試合では「爆弾」を封じられ2RKOされた。敗戦直後、精神に異常をきたしていたカルロスに撃たれ重傷を負い、命は取り留めるものの、ボクシングはできない身体となったため引退する。
サングラスを取るとかわいい瞳をしている。
木地本 研太郎(きじもと けんたろう)
IHを楽々と制したチャンピオンで、パンチの速さは「閃光の拳を持つ男」と呼ばれるほど。だが、品性は下劣で女癖が悪く複数の女性と肉体関係を持ち、会う度に金をせびっている。ボクシングにしても勝つためには手段を選ばず、卑劣な策を繰り返す。美香を利用した森山への脅迫行為(実際には状況証拠を使ったハッタリ)によって対戦が不成立となったことに激高したB.Bにより撲殺され、この事件はB.Bの人生は大きく変える。
事件の際、先に手を出したのは木地本で、さらに凶器である鋏を持ってB.Bを攻撃している。B.Bが逃亡せずに裁判を受けていれば正当防衛で無罪、もしくは過剰防衛で減刑となっていた可能性が劇中で指摘されている。
木地本の死後、彼の母親(ある意味息子以上の悪女)から訴訟を起こされたことで高樹家は賠償金支払いのために実家を手放すこととなった。なお、民事訴訟の賠償金は義務ではないので支払い能力を越えていれば全額払う必要はない。
森山美香
森山の父
第2部
ベアード
ガッソ
コング・ザ・マッスル
マジシャン
シェイド・G・ガレント
早瀬 大(はやせ だい)
緒方 豪(おがた ごう)
エッジ
バイブル
ドッズ
グメディ
第3部
コールド・ジョニー
カルロス・ドミンゴ
イワン・ゴドロフ
WBC世界ジュニアライト級チャンピオン。ソビエト連邦崩壊前の東側から亡命してきた選手で、もし西側で生まれていたならプロのリングで世界王者になるのは確実と言われる程の才能を持っていたが、偶然自分を支援していた党幹部の不正を知り正義感から告発するが、証拠を潰され、すべての国際試合に出られないよう圧力をかけられ、止む無く妻子を残し西側へ亡命し、嘲笑と苦難を歩まなければならないように仕組まれてしまう。これら一連の経緯から『イワンの馬鹿』と揶揄されていた。
森山同様の“鋼鉄の肉体”を体得し、爆弾が使用禁止となったB.Bと死闘を演じる。目を患っており、B.Bとの対戦中に失明する中、“心眼”を開眼し、B.Bを倒し3団体統一王者となるが王座を返上。その後、ペレストロイカとグラスノスチで幹部の不正が発覚し、逮捕されたことで祖国に帰国することが出来、妻子と再会する。その後はボクシングトレーナーとなり、プロのリングに上がれば「2年後にはウェルター級世界統一王者になる」と太鼓判を押した弟子を西側へ送り出す。
ドク・ブラウン
技
10cmの爆弾(使用者:高樹、中野)
回避することはまず不可能だが、パンチを出す前に拳を止められると無効化される。ただし、それが出来るのは天才的な体さばきを持つシェイドと、爆弾を知り尽くしているB.Bの二人だけしかいない。
B・Bの爆弾は、傭兵として戦場を潜り抜けたことでより研ぎ澄まされており、グローブなしで急所を打てば確実に命を奪う威力を持つに至っている。前述の通り世界中の人々の目前でドミンゴを撲殺した事実から、ボクシング史上初の“禁じ手”と認定される。
鋼鉄の肉体(使用者:森山、イワン、高樹)
見切りがコンマ1秒でも狂うと効果を発揮できないため、高い集中力と平常心が要求される。
槍のストレート(使用者:中野)
デビルズ・ボンバー(使用者:シェイド)
ハイパーブロー(使用者:高樹)
心眼(使用者:イワン、青藍)
OVA
1990〜1991年、「A BOY MEETS A BOY」「ENTER THE RING」「END OF SUMMER」の3巻が発売された。
キャスト
- 高樹翎:井上和彦
- 森山仁:速水奨
- 加藤稔(ソーリー):関俊彦
- 松原小雪:日髙のり子
- 若林浩一:堀秀行
- すーちゃん:水谷優子
- 乙戸誠(オットセイ):玄田哲章
- 高樹源太郎:池田勝
- 狐火の頭:大塚明夫
スタッフ
- 企画:鵜之沢伸、出崎哲
- 監督:出崎統
- 脚本:近藤真智子
- キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫
- 美術監督:新井寅雄(ROUND 1)、阿部行夫・谷村心一(ROUND 2)、行信三(ROUND 3)
- 音響監督:浦上靖夫
- 制作:マジックバス
- 制作協力:デュウ
- 製作:バンダイ
音楽
- 中島優貴 (劇伴作曲)
- 結城梨沙「BURNING BLOOD」(OP)「BELIEVE IN」(ED)