Dreams (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『Dreams』(ドリームス)は、七三太朗(原作)、川三番地(作画)による日本の野球漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)で連載開始後、『マガジンSPECIAL』(同社刊)へ移籍。2009年には約半年間休載されたが、同年8月号から連載が再開され、雑誌休刊に伴い2017年2号(最終号)で連載終了。最終号の表紙は本作が飾った。2016年9月時点で累計発行部数は800万部を突破している。
野球漫画特有の超常的な魔球や高校生離れした驚異的な能力を持つキャラクターが多く登場する一方、シンクロ打法など難解な理論も取り入れている。連載が進むにつれて短い期間で新魔球が披露され、技のインフレ状態になっていった。この著者コンビの既存の野球漫画と同じく、試合描写が詳しい分だけ展開が遅い、そして、掲載誌の休刊に伴い、急なバッドエンドで話が終わる。
あらすじ
主人公、久里武志は野球の才能を持ちながら、タバコを吸い、髪の毛は茶髪で、切れると殴りかかる不良少年。中学時代までに6つのチームを渡り歩いた上、4チームが出場停止、2チームが解散に追い込まれた。試合でもしばしば序盤に退場、もしくは没収試合に至るなど関係者からは使い物にならない投手像を抱かれていた。いくつもの名門校のセレクションで蹴られ、流れ流れ着いた夢の島高校で最後のチャンスをかけることとなる。そして、面接中に監督の工藤を殴るも何とか条件つきで合格した。その条件とは、監督の家で一緒に暮らすことだった。そんな工藤は名門・東陽で監督を務めたこともある男。始業式、久里は紅白戦に登板。しかし、そこには規律と常識を重んじる部長の嫌がらせが待っていた。久里は数々の苦難を乗り越え、南東京大会、甲子園で大暴れをする。非常識野球が、全国に旋風を巻き起こす。
登場人物
夢の島高校
名門校で引き抜かれなかった高校野球の落ちこぼれが集まった新設校の野球部、セレクションが存在する高校の中でこれより後にセレクションを受けられる高校がないと言えるほどであった。連載開始当初は強豪という設定ではなく、くじ運で地区大会ベスト8に進出したと部員達が自嘲するほどで、主人公である久里武志ほか一部の選手を除いてごく平凡な戦力によって構成されていた。ただし部員全員の打撃のポテンシャルは極めて高く、苦境に立つたびに久里のアドバイスによって才能が開花、即座に投手を打ち崩すほどの能力を有している。
メインキャラクター
久里 武志(くり たけし)
投手。右投右打。1年生。
夢の島高校野球部でエースで4番。髪の毛は茶髪で真ん中は金髪(海聖戦の試合後に言い渡された、「坊主にせよ」という高野連からの通達で坊主にしたが、坊主よりもひどい髪型になってしまったため、金髪のかつらをつけている)、試合中はガムを噛み、帽子のつばを後ろにしてかぶるなど数々の非常識を打ち出す男。喧嘩っ早いなどの欠点はあるが、野球に対する意識は本物で、チームに助言を出したり、相手投手の癖を見分けたりする。努力している姿を他人に見せないが、偶然その様子を知ってしまったチームメイトたちも久里に感化され特訓を重ねるなど、チームのカンフル剤としての役目も果たしている。トレーニング方法も独特で、彼はそれによりできた筋肉をだぶだぶのユニフォームで隠している。
幼いころ、父の特訓が虐待だと思い見かねた母は警察に連絡し、それ以来久里の父は家に戻ることも無く、また、笑わなくなったという。ゆえに家庭内は既に崩壊している。中学時代、先輩との喧嘩や試合中の乱闘などが原因でいくつものチームを渡り歩き、2チームをつぶしている。そのため工藤監督は百瀬と小川を監視役にしている。チームの主将である大和田は、悪態をつくことによって自らを鼓舞し、決して矛先を相手に向けることはしないのだと話し、野球に関しては「清潔な男」と話している。喫煙者であり、甲子園に行く際にも相変わらず煙草を吸っている(煙草をやめろと指示されているがやめるつもりが無く、工藤監督も半ば諦めている)。
魔球の開発に取り組んでいて、夏の地方大会の駒場商業戦では夢食いと呼ばれたバクをイメージしたバクボール『四種類まである』という魔球を機に、様々な魔球を開花していく。小柄ながらも速球は160km/hに達する。ただし投手としての久里と直接対決する前の選手の中には「球質が軽い」と過小評価するものもいる。打者としても走攻守万能で相手投手の決め球をどんな状況でも最後は完璧に打ち砕く。メジャーリーグのスカウトからも注目されている。
打撃では作中でバックスクリーン越えの場外ホームランを2本記録するなど卓越した長打力を誇り、守備では50m5秒76(中3時に受けた夢の島のセレクションでの記録)の俊足を生かしたバント処理でたびたび送りバントの打球を併殺に仕留める。肩は中3で遠投推定120m。
甲子園大会に入ってからは、その前の打者を敬遠してランナーを置いた状況で自身を一旦打ち砕いた主力の打者と勝負する戦法を多用するようになり、この意地の勝負を制することで試合を盛り返すパターンが複数回見られる。
百瀬 朝夫(ももせ あさお)
小川 耕三(おがわ こうぞう)
赤倉 太(あかくら ふとし)
大和田 勝良(おおわだ かつよし)
三塁手。右投両打。3年生。
夢の島高校の主将。久里が来るまではエースで4番を打っていた。中学時代に肘を故障し、マネージャーとしての入部であったが、工藤監督が大和田の影の努力を見て、正式に入部させることが決まった。久里に「恐ろしい男」と言わせた男である。また、工藤監督は大和田がセレクション合格の第一号だと話している。
久里の入部後は後続の打者に球筋を見せるため、1番を打っている。経験の浅い1年生のため、普段はミート重視の右打席に入るが、長打を狙う時は左打席に入る。美ら海聖都戦では直前で1塁ベースを掌で叩くように行うスライディング(摩擦の影響を受けないスライディングである)で出塁したことと引き換えに右腕を骨折するが、骨折したままの状態でもベンチに下がらずファインプレーを連発する。
熊野(くまの)
大村(おおむら)
サブキャラクター
桜井 貴史(さくらい たかし)
伝田(でんだ)
井上(いのうえ)
その他
工藤 弘樹(くどう ひろき)
山華 文博(やまはな ふみひろ)
六郷高校
小沢(おざわ)
三輪(みわ)
駒場商業高校
吉永(よしなが)
水谷(みずたに)
常陽学院高校
大道 春樹(おおみち はるき)
一塁手・投手。右投右打。3年生。
南東京屈指のスラッガー。駆け引きが無ければ6割が本塁打という、典型的な長距離打者で、名門常陽の4番打者。スイングは大きな構えながらコンパクトで、それが本塁打量産の大いなる要因となっている。草野球の試合で、助っ人として登板した久里から本塁打を打ち、久里の心に火をつけ、軟球でもしびれる球威に驚き、久里の末恐ろしさを感じ取る。
決勝戦では、久里の球をバックスクリーンに直撃させ、久里の無失点記録をストップさせた。しかし、第2打席では大飛球を放つものの打ち取られ、第3打席では、久里の目くらまし投法により速球に差し込まれて打ち取られる。第4打席では本気を出した久里の前に空振り三振を喫する。
鍋島(なべしま)
玉木(たまき)
黒石(くろいし)
山野(やまの)
神戸翼成高校(兵庫代表)
春の優勝校。予選では神戸翼成の打球を受けた野手が負傷を繰り返したことで、「豪爆打線」と呼ばれる打線が強み。
生田 庸兵(いくた ようへい)
投手。左投左打。3年生。
150kmを超える速球を持ち、スライダー・シュート・フォーク・ナックルに加え、高速ナックル「魔球KOBE」が武器。久里曰く、「どんなハードルの高い名門に入ってもお山の大将に収まる大道と鍋島をごっちゃにしたような男」。兵庫大会においては、プロ入りを念頭に置いた木製バットで、予選で13本の本塁打をかっ飛ばす。阪神大震災によって両親を失う苦い過去を持ち、寮生活が営まれている神戸翼成において、生田だけが例外で、弟、妹の面倒を見るために仮設住宅で暮らしている。生田の件で、翼成は大いにもめたらしく、練習できない分は自宅で練習をするという形で落ち着いたらしい。夢の島の工藤監督曰く、才能は久里以上らしい。いつも口に爪楊枝をさしている。
1回戦でも、久里から3本塁打を放つ。しかし、久里の3打席連続を含む4本の本塁打を浴び、9失点で敗退。
海聖高校(高知代表)
私徳館高校(山形代表)
全員1年生の新設校で初出場。登録選手は9人しかいない。
名倉 的矢(なぐら まとや)
投手。右投右打。1年生。
バッターのチェックゾーンの限界である1.7m手前で変化する魔球1.7、連続で変化する魔球セーリングボールを持ち、アンダースローでは不可能といわれた160キロ超(計測不能のため詳細不明)のストレートを繰り出す。1、2回戦ではノーヒットノーランを達成している。監督曰く「完成品」らしい。夢の島戦では3番で出場する。父と祖父も甲子園出場を果たしており3代にわたる「マルコウ」(甲子園大会出場経験者)の家系であるが、父も祖父もこっぴどく1回戦でKOされたことがトラウマとなっていた。変幻自在の投球で最後まで夢の島を苦しめるが大和田に才能が久里以下である事を看破され、久里に逆転満塁サヨナラホームランを決められ無念のサヨナラ負けを喫した。
ハンコ・ルー
団 不二夫(だん ふじお)
私徳館の監督。元プロ野球選手。全員1年生の新設校を見事甲子園に導いた。
久里の実の父親にして、トラウマの元凶。幼少時の久里に「地獄の特訓」を施して、現在の久里を作り上げた。久里を「欠陥品」扱いする非常に冷酷な男であるかのように振る舞っていたが、実は久里の事を大切に思っており、私徳館戦後に工藤を呼び出してその気持ちを伝えつつ「息子を頼む。」と話した。虐待まがいのトレーニングを幼少期の久里に課した背景には自身の目の疾患があった。 プロ野球生命を絶った原因でもある目の疾患は殆ど失明の段階まで進行しており、工藤を呼び出して話をした時には水野が目の代わりとして補助を担い、床からイスまでの歩数や方向を詳しく指示していた。
美ら海聖都高校(沖縄代表)
首里城 きらり(しゅりじょう きらり)
投手。3年生。左利き。一見坊主頭で眼鏡を掛けた男に見えるが、実は女性。ベスト8戦前(夢の島戦前)に性別を公表した。女子の甲子園出場は甲子園規則第5条に違反していたが、既に3試合を勝ち抜いていたため、高野連会長判断で出場が認められた。二回戦では、京都代表上賀茂南を、変幻自在の投法でパーフェクトゲームを達成。打率も10割。幼いころから野球が大好きで仁達と4人でずっと一緒に遊び続けてきた。一時は女である事がバレて危機に陥った事もあるが仁達の活躍で事無きを得ている。幼少期にJFKと邂逅して4人でのトレーニングを決意した際には「野球が好きなら努力という言葉を使ってはいけない」と3人に命じた。「真実の芯」でミートすることで筋力を使わずにホームランを打つ技術や、重力の影響で沈むことが全く無い「無重力ボール」、相手に軌道を読ませない「ステルスボール」などを武器とする上に最速163km/hの速球も備えている。
麗峰大九龍高校(奈良代表)
用語
投球関係
バクボール
バクボールII
バクボールIII
バクボールIV
目くらまし投法
爆ボール0
魔球ブラック
魔球エンジェル
魔球ミーティア(流れ星)
袈裟斬りフォーク
魔球KOBE
魔球1.7
新(ネオ)魔球1・7
セーリングボール
嵐!!無限球
ステルス投法
無重力ボール
魔球pb
魔球サイレント
打撃関係
シンクロ打法
小指グリップ引っかけ打法
低目打ち
周辺視システム
ナックル打法(ボンバー)
一本釣り打法
肩にアゴ乗せ打法
ツイスト理論
真実の芯
ナックル打ち
オプトメトリー
試合結果
- 新入生歓迎試合(2回裏、乱闘のため没収試合)
1 | 2 | 計 | |
---|---|---|---|
1年生チーム | 8 | 2 | 10 |
2・3年生チーム | 1 | 1 |
- 夏季南東京大会3回戦(5回コールド)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
六郷 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
夢の島 | 4 | 10 | 1 | 2 | X | 17 |
- 夏季南東京大会4回戦(7回コールド)スコア表示なし
京南 0 夢の島 16x
- 夏季南東京大会5回戦(スコア表示なし)
某強豪チーム 0 夢の島 9
- 夏季南東京大会準決勝(5回コールド)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
駒場商業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
夢の島 | 0 | 0 | 5 | 8 | X | 13 |
- 夏季南東京大会決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
常陽学院 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
夢の島 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1X | 4 |
- 夏季甲子園大会1回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
夢の島 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 9 |
神戸翼成 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 |
- 夏季甲子園大会2回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
海聖 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
夢の島 | 4 | 5 | 1 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | X | 16 |
- 夏季甲子園大会3回戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
私徳館 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 |
夢の島 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4X | 8 |
- 夏季甲子園大会準々決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
美ら海聖都 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 12 |
夢の島 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 4X | 13 |
- 夏季甲子園大会準決勝
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
麗峰大九龍 | 5 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 10 |
夢の島 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 4 | 0 | 9 |