HERO -逆境の闘牌-
ジャンル:麻雀漫画,
以下はWikipediaより引用
要約
『HERO -逆境の闘牌-』(ひろ ぎゃっきょうのとうはい)は、協力:福本伸行・漫画:前田治郎による日本の漫画作品。後にサブタイトルは『-アカギの遺志を継ぐ男-』に変更。『近代麻雀』(竹書房)にて2009年11月1日号から2021年8月号まで連載。前作『天 天和通りの快男児』の続編となるスピンオフ作品で、アカギの死に様をみて再び麻雀の世界に挑戦する井川ひろゆきを主人公として物語が進む。
単行本第16巻の帯には霜降り明星の粗品がコメントを寄せた。
あらすじ
アカギの死から3年。アカギを慕い、共に戦った井川ひろゆきは、その遺志を継いで雀士としての人生を歩む。しかし勝利を重ねるたびに湧き上がるアカギに近づけたのかという悩みの答えを求め、天に勝負を挑む。一進一退の攻防の末、決着が着こうとしたその時、電話の着信により卓を離れた天はそのまま戻らず行方不明になる。天の行方を捜すうちに第二次東西戦の予選会場へたどり着いたひろゆきはそこで天失踪の理由と天の意思を聞き、カジノ利権を賭けた香港マフィアとの第二次東西戦への参加を決める。
登場人物
主要キャラクター
井川ひろゆき(いがわ ひろゆき)
前作『天』に引き続き、本編では主人公を務める。
前作『天』にてアカギ死去頃はあまり麻雀してない停滞した生活のサラリーマンだったが、3年後のこのころは頻繁に麻雀をしていて連戦連勝の勢いの乗り出した童顔の雰囲気が残る若作りの雰囲気もある40代のおじさん。
相手の手や卓上や周囲の謎を見抜く「神眼」と天すら出し抜く「心眼」の持ち主。一方で甘さが弱点で、天や健に指摘されている。
対局中に失踪した天を探す中で市川と対局、彼の残したライターから第二次東西戦にたどり着く。合格直前で岸辺の裏切りにあい予選落ちの危機を迎えるものの命を賭けた敗者復活戦をクリアし予選を突破。一度はメンバーになることを拒否するも、健から携帯電話に残ってた留守番電話の天からのメッセージを聞き、一連の出来事や試練や裏切りなどの罠は全て天がひろゆきを試すため仕組んだことであると聞かされ、第二次東西戦は前回よりも危険で命を落としかねない本当に危険な勝負で、天自身もひろゆきを巻き込むべきか迷っていたこと、だから甘さのあるひろゆきに罠を仕掛けたことと僅かなヒントだけを残し、もしひろゆきがそこに辿り着けたら、それは運命でその場合自分は異存は無いから力を貸して欲しいと言うメッセージを聴き終えると、東のメンバーとなることを了承した。
第二次東西戦では東のメンバーの主力格存在であり、好判断で味方のフォローにアシストや相手のイカサマを見抜いたり、逆にイカサマを利用した策を使うなど、決勝戦まで活躍をし、東の優勝に大きく貢献した。
東西戦後に行方不明であった天から電話を受けて、天の今の状況を聞き、天に天との一徹麻雀での最終場面での自分が出した答えを言った。
天貴史(てん たかし)
前作『天』に引き続き、本編のもう1人の主人公。ひろゆきとの一徹麻雀の対局中に失踪し、天の捜索が本作におけるひろゆきの目的となっている。
第二次東西戦では交渉役を務めており、自身が人質となることで日本式ルールを承諾させた。一徹麻雀に突如失踪したのは、交渉が大詰めを迎えたため急遽向かったとのこと。命の危険もある第二次東西戦にひろゆきを巻き込むか悩んでいたが、自身の張った罠を乗り越えてたどり着いた場合は力を貸してくれるようひろゆきにメッセージを残す。
第二次東西戦の交渉後は薬で眠らされ、見知らぬ海外に置きざりにされて目を覚ます。現地の博打で金を稼いで携帯を手に入れるとひろゆきに電話をかけてひろゆきから一徹麻雀の答えを聞くと、ひろゆきの心眼が自分の二重の罠を看破しておりもはやアカギの領域に達していると実感し、ひろゆきが望む一徹麻雀の続きの必要は無いと答え、最後にひろゆきにひろゆきと赤木と対話に出ていた言葉の「熱い三流」を言い放ちひろゆきを感涙させた。
東の一般予選参加者
西方京介
平良学
中田翔平・大柳
北海道出身のコンビ。前作『天』でひろゆきの策によって脱落した鷲尾の弟子。
元高校球児で、かつては道大会決勝まで勝ち進んだ黄金バッテリー。その技術を利用し、卓下で牌を投げて交換するイカサマフライング・パイを駆使する。フライング・パイの内容に辿り着いたひろゆきからは、血の滲む努力によって習得した究極の奥義による神技と称されている。フライング・パイを習得してからは連戦連勝であったが、自身の噂を聞きつけた鷲尾からの大勝負を受け、鷲尾にフライング・パイの対策としてこたつでの卓による麻雀で負けたことがキッカケで鷲尾の弟子になった。
一時はひろゆき・岸辺を圧倒するも、僅かなミスからひろゆきにフライング・パイを見破られて、ひろゆきがフライング・パイの牌を途中で横取りしたことによって、役満を振り込んでしまい負ける。しかしひろゆきが岸辺の敗退を防ぐために告発しなかったため、大柳が押し上げた中田は予選を突破する。
本戦でも中田のフライング・パイの存在感は大きく、本来のパートナーの大柳が相手では無くても、柳生さらには健相手にまでフライング・パイを可能にしてくるほどで、更には卓間を通してのフライング・パイを可能にする程の牌を的確に送り付けるコントロールの精度を持っている。
東西戦終了後は2人で狩野に弟子入りしており狩野の元でマグロ漁に励んでいる。
東軍メンバー
ひろゆき・岸辺は詳細は主要キャラクターを、西方・平良・中田は東の一般予選参加者を参照。
健(けん)
前作『天』に引き続き、東軍のスカウトを務める大阪の悪鬼。前回の東西戦の健闘の評価やチンピラ・ヤクザとして相当名をあげた影響で、羽振りがとかくよくブランド時計・葉巻たばこ・黄金のコート着用など成金色が強くなった。
悪鬼の異名は伊達ではなく、麻熊を翻弄したり中田のフライングパイを利用した自身が受けの一方通行によるフライングパイによる中田の14枚打ちによる超多面待ちや、12枚の自分が和了り役の時には中田の持ってる牌なら全部待ちになる♾️待ちをするなどやりだしたり、更には対局者だけで無く後ろで見ていた人物ですら分からなかった程の精度と早さによる、昭和の頃の裏技のドラ爆のイカサマを使って数え役満を上がって佐伯を後一歩にまで追い詰めたりなど今回の東西戦でもかなり健闘したが、佐伯のレーザービームによってフライングパイのカラクリをが見破られたこともあって敗れ一回戦で敗退となる。
狩野龍二(かのう りゅうじ)
かつて天に次ぐ東のナンバー2と評され、「東北の昇り龍」の異名を取った元代打ち。
4年前に誰にも連絡先を告げずに引退し、携帯も持っては無く消息は不明で故郷青森で漁師をしていたが、かつて代打ちの頃にふいに漏らしたある一言から天が狩野の故郷を覚えていて、電報を使って東軍へスカウト。自分の最期の代打ちの時に自身の役満を阻止した佐伯が西に加わったことを知り、代打ちへと復帰し東軍に加わる。代打ちとして活動してた理由は、娘の病気の肝機能障害の治療のためにアメリカでの生体肝移植のために必要な莫大な治療費を稼ぐためであり、自身がドナーとしての生体肝移植を行ったため、現在は後遺症を防ぐために定期的に薬を飲まなければいけない、危険な状態である。引退の理由も代打ちを続けてた場合命の保証がないから、ケジメをつけるためであった。
東西戦の2回戦の手役取り蟻地獄の途中で薬を西側に奪われ、徐々に体調が悪くなっていき、予備の薬も取りにいけない危険な状態となる。
体調の悪化が激化した2回戦の後半の手役取り蟻地獄REVERSE SIDEでは、佐伯の「鷹の目」のカラクリを解くとともに、自分の身体の限界が来たことを悟りひろゆきの手役のサポートに回り、最後はひろゆきの清老頭・四槓子のW役満による自身を含めた佐伯・四宮の三人トビに成功し、REVERSE SIDEの幕引きに成功させた。その後意識不明の非常に危険な状態となり東側のヘリコプターもこない状況の中、一刻を争う状況だと分かった佐伯から西側のヘリコプターに乗るよう提案される。
西側のヘリコプターに乗っていた佐伯・四宮・朝熊からは、身体を壊したらギャンブラーとしてはお終いだが、狩野は背負うものが多すぎて、自分達と違って帰る場所があることなどを言われ、佐伯から狩野は裏麻雀界の至宝であり、天に次ぐNo.2と呼ばれま狩野に勝てなかった自分たちが天と並んで四天王と呼ばれることはおこがましいとことだと言われた。
搬送後は即座に緊急入院したが、のちに無事に息を吹き返し、弟子になった中田と大柳と共に以前のマグロ漁の漁師としての生活に戻った。
柳生清麿(やぎゅう キヨマロ)
暴力団組織・関西王嵐会、会長補佐。褐色肌と強面が特徴のハーフ。巨大なハンマーを常に携帯している。
母親が名付けた自分の名前にプライドがあり、それを笑った者には「ハンマーチャンス!」と言ってハンマーで制裁を加える。
関西を無視したまま、東京カジノ利権をかけて第二次東西戦が進むことを阻止するために天を探し出そうとし、一時沢田を拉致するが、猪原都知事の相談し用意した裏社会のルートが西日本を代表する大物であり、清麿曰くさすがに自分でもその人物には逆らえないと、ひろゆき達に言っている。だがその人物が、関西を無視したままという状況に納得の行かない清麿の気持ちも汲み、その人物の尽力によって東軍メンバーに加わることで沢田も解放し、東軍の一員となる。後にその大物が原田であることが明らかになった。
かつては高校で野球をやっており両投両打のプロからも視察が来た高校球児で、中田と組みフライング・パイを復活させる。青柳と3年間かけて習得したフライング・パイを中田のアドバイスもあって、僅か1日で完璧な精度で覚えたことから中田からは天才と言われた。
指でコインを曲げれる程の握力を持ち、天を探す時に地面をハンマーで叩きつけまくったり、東西戦でもハンマー持ってきていて李との対決で李のイカサマを指につけた指輪によるハンマーで粉砕しようとして卓を玉砕して失格になるなど破壊的な面も強い。
西軍メンバー
大湾(ダーワン)
湾凰(ワンフェン)
佐伯(さえき)
現役最強と言われる横浜出身の新四天王の1人。狩野の引退試合で狩野の役満を阻止して和がったことで名を上げた。人間の無意識に起こる僅かな"挙動"である"癖"を読むことで相手の聴牌を読み、更に心理学や医学を徹底して研究することで読みの精度を更に上げることで、百発百中の聴牌読みである「鷹の目」『レーザービーム』・攻撃的な相手の隙をついたダマテン「ステルス攻撃」を可能としている。
二回戦後半の手役取り蟻地獄REVERSE SIDEで狩野が自身の「鷹の目」のカラクリを見破ってそれを攻略して負けた時には、帰ろうとヘリコプターに乗る時に東側のヘリコプターが来てなかったので、狩野を助けるために狩野を西側のヘリコプターに乗せるよう言い、ヘリコプターの中で狩野に勝てなかった自分たちが天と並んで新四天王とよばれるのはおこがましいことであり、赤木と麻雀を打ってみたかったと言う胸の内を語った。
四宮(しのみや)
陳(チン)
李(リー)
その他の人物
市川(いちかわ)
特殊麻雀
24時間耐久麻雀
盲目麻雀
当初は注射の効果はないが、徐々に効果が現れ、中盤以降はひろゆきの視界がほとんどなくなっている。
追い剥ぎ麻雀
オーバー・ザ・999(スリーナイン)
1人25000点で開始し、半荘終了時に99900点超え(10万点以上)の点棒を持っていれば予選通過(先着4名まで)。
オカウマなし、ノーテン罰符なしで、半荘終了時に25000点の原点を下回っていた場合は足切りとなる。
持ち点は純粋に点棒のみを指し、相手を飛ばしても自身の点は相手の持ち点までしか増えない。
トップ取り蟻地獄
半荘終了後、16人中得点上位4人が勝ち抜け。
残った12人は二回戦を行い、以下同様に最終の三回戦まで繰り返す。
最後まで負け残った4人が脱落。
手役取り蟻地獄表側
39個の手役をそれぞれ先に和了った陣営が独占する事ができ、陣営が独占した役は何度でも和了れるが、もう一方の陣営はその役を和了ることができず、他の役で和了した際に含まれても役としてカウントされない。ドラは手役ではないので両陣営ともにカウントされるが、裏ドラは立直を役として取った陣営にのみ認められる。
持ち点は15000点。1人2局単位で交代して回し打ち方式。対局前に陣営側の打順を決めて、一局終了ごとに番号順に入れ替えて打っていきハコ割れしたものから脱落。ハコ割れした時にはマイナスとなった分の持ち点も和了った人物に加算される。
4人脱落して残った8人が勝ち抜け。
手役取り蟻地獄REVERSE SIDE。
39個の手役の内、誰かが一度和了った時に使われた役は、それ以降の局では役として認められなくなり、それらの手役のみでは和了れない。
選手は二回戦終了時の点棒状態のままスタートして、ハコ割れしたものから脱落し、残った4人が決勝戦に進出する。
ノーテン罰符はあり。
放銃無限地獄
放銃するとどくろマークの放銃札が卓につく。放銃札を持っている者が再度放縦した場合は倍払いとなり、放銃札が追加され、以後4倍、8倍と、放銃するたびに点数の支払いが倍になる。
半荘6回戦の合計スコアで競い、トビは無し。ウマあり。
書誌情報
- 協力:福本伸行・漫画:前田治郎 『HERO』 竹書房〈近代麻雀コミックス〉、全18巻
- 2010年6月11日発売、6月25日初版発行 ISBN 978-4-8124-7288-0
- 2011年2月26日発売、3月12日初版発行 ISBN 978-4-8124-7516-4
- 2011年7月27日発売、8月10日初版発行 ISBN 978-4-8124-7643-7
- 2012年6月27日発売、7月11日初版発行 ISBN 978-4-8124-7916-2
- 2013年1月26日発売、2月9日初版発行 ISBN 978-4-8124-8093-9
- 2013年12月10日発売、ISBN 978-4-8124-8471-5
- 2014年7月28日発売、ISBN 978-4-8124-8745-7
- 2015年7月31日発売、ISBN 978-4-8019-5319-2
- 2016年5月16日発売、ISBN 978-4-8019-5520-2
- 2016年12月15日発売、ISBN 978-4-8019-5705-3
- 2017年11月1日発売、ISBN 978-4-8019-6095-4
- 2018年6月27日発売、ISBN 978-4-8019-6309-2
- 2018年10月15日発売、ISBN 978-4-8019-6408-2
- 2019年5月1日発売、ISBN 978-4-8019-6602-4
- 2019年12月6日発売、ISBN 978-4-8019-6823-3
- 2020年7月1日発売、ISBN 978-4-8019-7028-1
- 2021年4月1日発売、ISBN 978-4-8019-7265-0
- 2021年11月1日発売、ISBN 978-4-8019-7481-4