Harlem Beat
以下はWikipediaより引用
要約
『Harlem Beat』(ハーレムビート)は、1994年から1999年まで『週刊少年マガジン』で連載された西山優里子による日本のバスケ漫画。単行本はKC全29巻、KMB全16巻。
概要
増刊『マガジンSPECIAL』で開始。好評だったため数話で週刊連載に移行し、5年に渡って連載された。当時(90年代前半)隆盛だったストリートバスケをテーマに、主人公の成瀬徹の成長譚を描く。開始1年弱が経過した頃(KC6巻)より公式バスケに物語の舞台が移ると、主要キャラクターの増加等で人気が上昇。メディアミックスや多数のグッズを製作するなどの展開を見せ、西山の出世作となった。当時の掲載誌のカラーやストリートカルチャーに寄った設定でスタートしたため、高校生の喫煙や飲酒、喧嘩などの描写が含まれる。作中で頻繁に登場するSDキャラクターのやりとりやト書き等、独特な紙面が特徴。物語は1年間を時系列に進む。
あらすじと進行
高校1年生の成瀬徹は、始めたばかりのバスケットボールで大技エアウォークを繰り出し、初めて自力でゴールを決める。それよりはバスケに夢中の日々を過ごす中、沢山の仲間や強敵との出会いを通じて心身ともに大きく成長していく。
以下の編名は本編で使用されたものと便宜上付したものが混在する。幕間に挟まれた幾つかの小話(1話完結等)は基本的に省略する。
本編
SKY KISS編
KC3~5巻。代々木で開催される3on3大会の1日を描く。
予選を勝ち抜き決勝トーナメント出場を果たした成瀬らSCRATCHは、初戦でいきなり目標だったスリーメンと対戦。激戦の末勝利をおさめたSCRATCHに後を継ぐようにして、スリーメンは解散する。大会には大掛かりな賭け金の授受を背景にゲームを支配する悪徳チームICE PICKSが紛れ込んでおり、準決勝で対戦したSCRATCHも度重なるファウルや怪我を被りながら傷だらけの勝利を飾る。大会出場のため俄かに集まった4人だったが、濃密な1日を通して深い絆を生み、かけがえのない仲間となる。
インターハイ地区予選
KC6~9巻。春の都大会で期待された結果を残せなかった上南バスケ部。課題を克服するため部員の増強を図る。SKY KISSの経験を自信に繋げていた成瀬だったが、ストリートと異なる公式の厳しさを思い知らされ、辛うじてベンチ入りを果たしたものの技量不足を小林に指摘され出場機会を失ってしまう。桜井の画策で高校に編入した澤村を新入部員に得て、同地区最大のライバル校四谷鵜の原と全国への切符を賭けた一戦に臨む上南。成瀬はフォワードの役目を果たすべく、OB館洋海の指導や、鵜の原のエース桑田との出会いを経て、必殺技の習得に励んでいた。
武蔵丸との再会
KC10巻。成瀬と澤村の公式戦活躍により殆ど休止状態だったSCRATCH。いじけた浩介が自棄になり解散を主張すると、SKY KISSで大怪我を負った武蔵丸が現れた。成瀬との約束を叶えるためリハビリに励んできた武蔵丸の思いを汲み、地元・光が丘での対決が実現。しかし当日、武蔵丸を何やら恨む同級生・小室の妨害で試合が中止。二人の関係を知った成瀬は武蔵丸の名誉のため、急遽武蔵丸と組んだチームで小室たちと3on3勝負をする。
夏合宿編
KC11巻。上南バスケ部はインターハイ直前の強化合宿で八ヶ岳へ。スリーメンのメンバーをコーチに迎え猛練習に励むが、マスコミによる大会下馬評を目にし、全国の高い壁の前に打ちひしがれてしまう。桜井は自信を失った部員達の目を覚ますため、成瀬・澤村・小林を相手に3on3のミニゲームを提案する。桜井がバスケを始めた経緯が最終日に語られた。
インターハイ編
KC12~22巻。開催地北海道に渡った上南バスケ部は北の大地を満喫しつつ、1回戦の喜屋武、2回戦の筑波との接戦に競り勝ち、準々決勝で王者金北に挑む。連戦の合間に成瀬は小泉やサスケら、自身のその後を大きく変える人物と出逢い、さらなる飛躍を誓う。澤村と蒸発した父親との再会、秘められていた今川の過去など、多くの人間ドラマが熱戦と並行して綴られる約1週間の物語。
みずきの失恋
KC22巻。夏休み最後の思い出作りに海へ出かけた成瀬たち。夕暮れの砂浜を並び歩く桜井と希理子を見つけた一行は動揺するが、桜井の希理子への想いを察したみずきは、玉砕覚悟で桜井に好きと告げる。去っていくみずきに応えることができない桜井へやり場のない怒りをぶつけた浩介は、みずきへの想いを胸に走り出す。夏の海辺の打ち上げ花火と共に散った恋を、友情が励ますのだった。
新生上南バスケ部
KC23巻~断続的に展開する。2学期、大学受験のため引退した3年生に代わり、小林を主将に据えた新体制がスタート。自分なりの目標に向かい奮闘する小林だったが、元来の不器用さから部員とのコミュニケーションがうまくいかず、部内の空気は悪くなる一方。厳しすぎる練習に痺れを切らした磯村たちが反発すると、小林はならば自分が辞めると言い部活に来なくなる。
“J”編
KC24~26巻。10巻以来となるストリート編。都内のストリートメッカを潰して回る謎の組織“J”の陰がスリーメンズフープにも忍び寄る。悪意のバスケからフープを守り抜いたのも束の間、突如行方をくらました澤村が“J”の支配下にいることを知ったSCRATCHは、澤村を取り戻すべく“J”の主催する賭けバスケのイベント「パーティー」に参戦を決意。だが澤村には別の思惑があり、SCRATCHは敵としての澤村と戦う羽目になる。
ウィンター杯編
KC27、28巻。東京での全国大会。小泉や筑波5らは成瀬との再会を喜ぶが、力不足の新生上南は予選落ちを喫し、成瀬と澤村は大会ボランティアに従事することに。東京遠征に来ていた小泉の弟・雅貴は、情けない男は姉の彼氏に相応しくないと、希理子の手を借り二人の仲を裂こうと企む。小泉も普段の成瀬の一挙一動を何かと意識してしまい、これまでどおりの態度を取れない。イブに行われる決勝戦、優勝したら夜を過ごそうと約束を交わした成瀬と小泉の恋の行方は……。
スリーメンズフープとの別れ
KC29巻。3月のある日、突如スリーメンズフープが立入禁止になる。土地の売却とビルの建築計画が成されたのだ。仲間とバスケと出逢った大切な場所を守らんと奔走する成瀬たちだったが、「大人の事情」の前に為す術もない。建設の撤回を求めて籠城しようと集まった夜、それぞれがフープへの思いを語り合う中、成瀬はいつか訪れるフープとの別れについて考える。
番外編
やるじゃん女の子!
KC10巻収録。みずきが主役の番外編。バスケの楽しさを部活動でも実践したいみずきだが、ありふれた女子校のバスケ部にはやる気が微塵もなく、解り合えないギャップに悩む。時系列では上南対鵜の原戦の少し前にあたるサイドストーリー。題は渡辺美里の楽曲名を引用。
マージービートを聴きながら
KC17巻収録。過去の澤村が主役の番外編、全5回。身寄りを失った13歳の澤村がひょんなことからヤクザの藤田に拾われ、独りで社会を生き抜く知恵と図太さを身につけていく様を描く。各回の小題はビートルズ楽曲から付されており、作中にもアルバム『LET IT BE』が登場する。連載時、マガジン本誌の読者アンケートで作品史上に残る好成績を獲得したことを後年著者が語っている。
青春のリグレット
KC23巻収録。希理子が主役の番外編。足の怪我でバスケを断念しやさぐれていた希理子が上南のマネージャーに就任し、連敗にもめげず練習に励む桜井たちと衝突する。一方、姉・真希子の結婚が目前に迫り、幼い頃から比較されてきた希理子は素直に喜べない。題は松任谷由実の楽曲名で、収録アルバムも作中に登場する。
澤村くんの多忙な一日
KC22巻収録。「澤村スペシャル」と題したギャグ回。金欠に苦しむ澤村に臨時収入の現場がトリプルブッキングする。持ち前の要領の良さで乗り切ろうとする澤村だが、予期せぬアクシデントに次々と見舞われ混乱してしまう。
登場人物
身長cm / 体重kgはプロフィール掲載時、ポジション・背番号は物語における現時に則る。声優はPS版ゲーム。
主要キャラクター
SCRATCH(スクラッチ)
渋谷道玄坂付近の空地を利用したバスケエリア・スリーメンズフープで名を知られる楠田みずきが、スリーメンのシュウからゴールを奪った3人の男子を誘い結成した3on3チーム。名称の意味は「よせあつめ」。打倒スリーメンを目標に掲げて、都内の代表的チームが集う3on3大会「SKY KISS '94」に初出場、準優勝を果たす。生い立ちも性格も全く異なる4人が集まったため衝突も見られたが、強敵と闘い抜く中で互いを認め合い、男女混成チームでありながら深い絆と友情で結ばれていく。
成瀬 徹(なるせ とおる)
声ー阪口大助
6月15日生、A型。172cm / 62kg。背番号15→10。ポジションはSF。物語の主人公。愛称は「なるちょ」(だが作中こう呼ぶのは楠田のみで、浩介からは「なると」など)。都立上南高校1年E組。
何をやっても目立たず少年野球やサッカー部では常に補欠。喝采を浴びるヒーローを夢見て高校入学と同時にバスケ部に入部。偶然再会した幼馴染のみずきに連れられ行ったスリーメンズフープでシュウと1on1をし、場の勢いでマイケル・ジョーダンの神業・エアウォークを決めゴールを奪ったことを契機にバスケの楽しさにのめりこむ。自身と同じく高校からバスケを始めて都大会MVPにも選出された桜井を尊敬し目標としている。連載当初は悩み多き控えめな性格に描かれるが、バスケを通じ多くの出会いを経て、逞しく前向きな側面が強調されるようになった。身体面についても終盤は両手両足合わせて10㎏のパワーリストをつけて生活していたり、177㎝の澤村に「抜かれたかも」と思わせると同時に、桜井にどんどん似てきているとも思わせるほど成長をしており、もし2年時まで連載が続いていれば、金北の高城が言及したように、サスケと並んで高校バスケ界の中心プレイヤーとなっていたと思われる。
ドリブルがまりつきのようにヘタクソ、という初期設定があり基本的にどんくさい姿が多く見られつつも、持ち前のボディバランスの良さや脚力、ゴールへの執念により思いがけず奇跡的なプレーをし、周囲から一目置かれている。一方でバスケへの愛情や情熱は比肩すべき者がないほど抜きん出ており、ストイックともいえる自己鍛練を怠らない様子は「バスケバカ」と揶揄されることもあるが本人は全く意に介しておらず、むしろそのひたむきな姿が作中数々の人物に影響を与えていく。小林からも、桜井のようにスマートに決める事は出来ないが、絶対に諦めないプレースタイルが桜井を髣髴とさせると言われるようになる。
ここ一番に放つエアウォークは試合の流れを大きく変える最大の武器であり、その他“無敵のレイアップ”“奇蹟のジャンプシュート”、カタパルトドリブル等、ポテンシャルを余すことなく用いた特技で得点に貢献する。
当初はみずきを意中とする描写があったものの、インターハイ編にて小泉智美と出逢い、互いに意識し合う関係となる。その後目立った進展は無かったが、ウィンター杯編は小泉との恋愛が主軸として描かれ、終盤に告白し想いを確かめ合った。
学業の成績は極めて悪い部類で、一般的な高校生レベルの学問的知識が著しく欠落している場面が度々見られる。容姿がサルに似ているとからかわれることがあり、SDサイズで登場する際はサルに擬態していることも多い。
落ち着いた父、少々お節介な母との3人家族(一人っ子)。父母同士は主に敬語で会話する。
楠田 みずき(くすだ ー)
声ー桑島法子
5月22日生、B型。162cm / 非公表。ポジションはG。聖ヨゼフ女学院高校1年生。
成瀬の小学生時代の同級生で、当時「ミニバスケの女王」と呼ばれた。初心者の成瀬にストリートバスケを紹介、基礎の技術を指南する。アイドル並みの美貌と快活な人柄でスリーメンズフープでは中心的存在にあり、浩介が一途な想いを寄せるも身持ちは固い。澤村からはセクハラまがいのどつきを受けることが多く犬猿の仲。バスケの楽しさを取り戻すきっかけを与えてくれたシュウに心惹かれ続け、夏休みに告白するが失恋、2学期はショートヘアに散髪して登場。
インテリアコーディネートの会社を経営する母親(38歳)と二人暮らし。両親は離婚しており実父はオーストラリアで建築家を営む。多忙な母に代わって家事をこなすため料理の腕前は高く、桜井に頼まれて上南の夏合宿での給食を担当した。
モデルは『じゃじゃ馬ならし』に出演した頃の観月ありさ。
尾崎 浩介(おざき こうすけ)
声ー高塚正也
1月1日生、B型。183cm / 76kg。ポジションはC。高校在学中だが校名は不明。
渋谷のチーマー集団・道玄坂ROADSのNo.2。過去にシュウからゴールを奪い、その際出逢ったみずきに一目惚れしスリーメンズフープに出入りするようになった。女にモテるという不純な動機でバスケに興じる姿勢が当初成瀬と軋轢を生むが、SKY KISSでの戦いをとおしバスケそのものの楽しさを見出していく。NBA選手を模したパワーダンクを得意とし、ゴール下の接近戦でも体格の良さを発揮している。ラフプレーも十八番で、やられたらやり返す主義。喧嘩っ早いが情には厚く、仲間のための苦労を厭わない節があり成瀬、澤村、みずきそれぞれの局面で重要な役割を果たしている。公式編ではプレー場面がないため専らスタンドの応援団長的な存在となり、コメディリリーフとしての性格も強い。女性に目がなく性欲旺盛であるがみずきには本気で惚れており、作中ストレートに恋心をぶつけるもいつも軽くいなされている。姉と祖母との3人暮らしの様子。喫煙者。原付免許を所有。モデルは山本太郎。
澤村 正博(さわむら まさひろ)
声ー林延年
8月31日生。B型(私称。実際は不明)。177cm / 58kg。背番号12→9。ポジションはSG/PG。都立上南高校1年生。
幼少時に実母とは死別。事業に失敗した父親が蒸発し、13歳にしてホームレス同然の生活を経てヤクザに拾われ、その後は生きるためなら悪事にも手を染め、様々なアルバイトを掛け持ちして生計を立てている。金にもうるさく、試合ごとにトトカルチョ形式の賭けバスケで渋谷界隈に名を轟かせていた。
過去にスリーメンと対戦し独りで3人からゴールを奪った経歴を買われSCRATCHに加入。一匹狼な性分と年不相応の冷静さゆえ他人に心を開かずにいたが、成瀬らとの出会いを通し、本来の明るさや仲間との絆を取り戻していく。その後、都の奨学金を得て上南高校に編入し、上南バスケ部の即戦力として活躍。部内では桜井や高倉、小林や今川といった上級生にもタメ口で接している上、気に入らない相手ならば他校生であっても喧嘩腰の横柄な態度を取ることがある不良気質。他方、児童期の優等生ぶりや要領の良さを発揮し、学業における成績はかなり良い。
自他共に認める端正なルックスで、道行く男女も見とれるほどのプレイボーイ。試合中は頻繁に黄色い声援が飛び、学内には女子が組織する澤村の親衛隊も存在する。本人は色恋に現在興味がなくこれらを一蹴しているが、出会い頭にからかい半分に胸を触られたみずきからは「スーパーセクハラ男」と呼ばれる。中学時代は水泳部に所属。喫煙者だったが自身の唯一の弱点であるスタミナ不足の解消のためもあり、高校編入後に禁煙。視力はあまり高くなく、時折眼鏡を着用する。
小林との対立は公式編における澤村の主要なキャラクターとなり、その対比として回を重ねるごとに幽霊が苦手等の三枚目的な部分も多く描かれるようになった。周囲を驚かせるほどの大食いでもある。
都立上南高校バスケ部
公式編の主舞台。古豪ではあるが近年まで低迷しほぼ廃部寸前の状態であった。2年前に入学した桜井を中心とした部員達が奮起し、前年の都大会で2位に輝く。監督やコーチは現在おらず、練習プランは主将の馬呉と桜井が立案する。桜井の一存で成瀬や澤村を迎えてインターハイ予選を勝ち抜き、大会初出場にしてベスト8の記録を残した。3年生が引退した2学期からは小林が主将の新体制となる。
桜井 修司(さくらい しゅうじ)/ シュウ
声ー井上和彦
11月20日生、O型。190cm / 82kg。背番号4。ポジションはPG。3年生。作中は常に眼鏡を着用。
高校受験直前に偶然参加したストリートのイベントにて初めて自らゴールを決めて以後バスケの魅力に憑りつかれ、上南入学後本格的にバスケを始めた。驚異的な練習量と努力により廃部寸前だったバスケ部を建て直し、都大会2位に導いた名実のエース。速攻を活かした集団戦術を主とするがスタンドプレーでも一日の長があり、NBAばりの派手なシュートも難なくこなす。入部当時から30cm伸びた身長も相俟って群を抜いた容姿、穏やかで人当たりの良い性格は、部員はもとより女子生徒の覚えも高い。策士としても一流で、バスケの戦術だけでなく人を動かすことにも長けているため希理子からは「自己中男」「黒幕」等と称されることもある。その希理子には1年時から少なからぬ好意を抱いており、バスケ部引退後積極的な様子が増え、卒業を控えたバレンタインデーに遂に結ばれる。
中学までは体育が苦手なガリ勉だったため現在も成績は優秀で学年トップを常に維持している。実母は病死しており継母は看護士であった。自身も医師となる夢を懐き国立医大へ進学。卒業後、世界で必要とされる医療現場を知るため大学を1年間休学し、国際NGOに参加。少年課の刑事を務める叔父は澤村の後見人としても登場する。
シュウへの変装は単なる遊び心だったが、正体を隠すことで細かいルールに囚われることなく誰とでも自由にプレーできる楽しさを覚えていった。SKY KISSでスリーメンを解散してよりはシュウとしてのキャラクターを封印していたが、“J”のパーティーで突如復活。「フープの仲間」として成瀬ひとりのSCRATCHに参加しプレーした。
モデルは作者が中学時代に憧れていた先輩で、シュウへの変身は機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルをイメージしたことがほのめかされている。
小林 純直(こばやし すみすぐ)
声ー子安武人
1月21日生、O型。188cm / 75kg。背番号5→4(主将)、ポジションはPF。2年生。
本人も自覚する根暗、無愛想、仏頂面に不器用な言動で「カサハリ(傘張り浪人)」の渾名を持つ。ツーブロックを後頭部でまとめたチョンマゲのような髪型がトレードマーク。下町の商店街で酒屋を営む家に生まれ、年の離れた兄・弁慶(ただよし)と家業を手伝いながら、部では1年生の頃よりスタメンとして定着。口下手な自身の本音を代弁してくれるバスケに並々ならぬ情熱を注ぐ。練習量に裏付けられたフィジカルは極めて優れ、高いシュート率とゴール下の強さでチームの要を担い、怪我や故障の様子も殆どない。反面その場の感情に左右されやすい面もあり、喜屋武戦においては普段通りでないプレーも見せた。
澤村とは生き方の相違から諍いが絶えず、面と向かい「キライだ」と発言しつつもその力量は認めており、随所で信頼関係を築き上げていく。1年時に新入部員として切磋琢磨した今川は唯一本音を話すことができる友人。3年生引退後の新生上南バスケ部では主将を任され、後輩指導に迷いながらも今川、澤村と協力して部を育成していく。
成瀬については当初の口下手さが災難してきつく当たってしまう事もあったが、成長自体は当初から認めており、陰で人一倍努力してきたと評価している。連載終盤、成長著しい成瀬のプレイスタイルを見るうちに、桜井と重ねて見るようになっていた。
小学生時代には兄と剣道に励み段も取得。書道にも秀で、自室や部室ロッカーに作品を掲示している。成績は中の上程度。時代小説ファンで、愛読書は『鬼平犯科帳』。
矢部 希理子(やべ きりこ)
声ー鶴ひろみ
12月20日生、B型。170cm / 非公表。3年生。
中学女子バスケでならしていたが怪我で引退し素行不良となり、停学処分との交換条件でバスケ部マネージャーに就任。普段はマネージャー仕事をろくにせず、幼稚な悪戯で部内を騒がせる、下級生をいじめて遊ぶなど傍若無人に振る舞い「上南の性悪魔女」として名を馳せる。特に成瀬がその標的となることが多いが、実際には成瀬の実力や人間性を気に入っており、周囲も一種の愛情表現と捉えている。公式戦中はベンチの誰よりもチームの応援に精を出し部員たちを盛り立て、マッサージやテーピングも率先して行い、大勢が気付かない選手の負傷を即座に判断できるなどマネージャーとしての能力はある。得意技はシュートの成功率を変動させる怪電波。高身長・細身のモデル体型で、喋らなければ美人のため他校からは羨望の的となることがある。料理が壊滅的に下手。
馬呉とは小学生からの幼馴染で、過去に好意を寄せられていた。桜井からのアプローチが始まってからは所謂ツンデレキャラが顕著となるが、卒業直前に晴れて結ばれる。出来の良い姉・真希子へのコンプレックスを抱えながらも仲は悪くなく、義兄の洋海は良き相談相手。インターハイ以後も引退はせず卒業までマネージャーを務め、美容師の専門学校に進学した。
SKY KISS編
スリーメン
スリーメンズフープを作った謎の3人組。その正体は1年前の都大会におけるMVPベスト3。圧倒的な強さを誇り、都内ストリートバスケの伝説的存在。SCRATCHはシュウからゴールを奪った全3名をメンバーとしており、主要人物を繋ぐ核チームでもある。SKY KISS出場を以てチームは解散するが上南バスケ部の夏合宿に塩練と里衣が帯同、期間中のミニゲームで実質再結成した。
里衣 昌次郎(さとい しょうじろう)/ ザット
スリーメンズフープ関係者
メガネ
ウルトラマン
武蔵丸 健児(むさしまる けんじ)
4月2日生。ポジションはPG。練馬区立第四中学校3年生。
成瀬最初のライバルとしてSt.6に初登場。光が丘団地に7人家族で暮らす。中学で非行に走り喧嘩に明け暮れる毎日を送っていたが、バスケに夢中だった少年時代の自身の輝きに気付き、再びバスケの道を志す。団地という閉じたコミュニティでの暮らしからか都会慣れしておらず、緊張を隠すために極端な服装を試み、出番の殆どで酷いファッションセンスを露呈している。いがぐりのようなヘアスタイルも特徴的。スリーメンズフープの偵察に訪れたところを成瀬と知り合い、即興の1on1を経て良き友となる。中学生ながらバスケセンスは秀で、レイアップに強い自信を持っている。3on3チームNOTORIOUS (ノートリアス)のリーダー。SKY KISS本戦でICE PICKSと対戦中、選手潰しに遭い靭帯を損傷。卑怯な相手にも真っ当にバスケで勝負し続けた姿をもって、怒りに震える成瀬を窘めた。成瀬との再戦を願い3ヶ月間リハビリに励んだ末復帰、地元光が丘にSCRATCHを招待歓迎する。最終話ではスリーメンズフープ最後の日に小室と駆け付け、その後四谷鵜の原高校に入学した様子が描かれている。名前の由来は武蔵丸光洋と森脇健児。
MERMAID FORCE (マーメイドフォース)
ICE PICKS (アイスピックス)
SKY KISS本戦2回戦でNOTORIOUS、3回戦でSCRATCHと対戦。後に解散。
JOKER / 本間 丈一郎(ほんま じょういちろう)
チームリーダー。高校生で日本代表に選出されるほど期待された選手だったが、渡米中にチームメイトの謀略に遭い右膝を砕かれ、選手生命を絶たれてしまった。流れ着いたスラム街で繰り広げられる本場のストリートバスケで日銭を稼ぎ、一帯に知らぬ者がいないほどの存在となる。帰国後、都内のストリートシーンを支配し金と欲望にまみれた賭博場とする集団“J”を組織し、フープやチーム潰しを行う。人生を狂わせたバスケに対する怨念は強く、「楽しいバスケ」を信条とするプレーヤーに冷徹な目を向ける。しかし成瀬との激闘により忘れかけていたバスケへの思いを蘇らせ、SKY KISS後にJを離脱。ガソリンスタンドで働きつつ、片足一本で戦えるバスケを鍛え上げるために暮らしてきた。JOHNNYから組織への復帰を求められるも断っていたが、パーティーに姿を現し、SCRATCH対サンクチュアリ戦の立会人となった。その後は再び行方をくらませてしまう。
公式(インターハイ)編
上南高校バスケ部
馬呉 宏明(うまくれ ひろあき)
高倉 巌(たかくら いわお)
斉藤 伸之(さいとう のぶゆき)
今川 聖(いまがわ きよし)
声ー野島健児
2年生のマネージャー。A型。178cm / 56kg。根っからのバスケ少年で、上南入学後もバスケを楽しむことをモットーに練習に勤しみ、部内で頭角を表していたが、1年時の関東大会で南郷大筑波と対戦中に接触事故を起こし膝靭帯を断裂。選手生活からの引退を余儀なくされたものの、バスケへの思いを捨てることなくマネージャーに転向した。穏やかで丁寧な人柄と冷静な分析眼で陰日向にバスケ部を支える人格者。仕事をしない希理子に代わってほぼ全てのマネージャー業をこなしており部員からの信頼は非常に厚い。気難しい小林の良き理解者であり無二の友人。さだまさしが好き。
磯村 順二(いそむら じゅんじ)
神田 裕司(かんだ ゆうじ)
四谷鵜の原商業高校
都で有数のバスケ名門校であり全国大会の常連として知られる。自主自律を重んじる指導方針で選手を育成、多くの大学推薦を輩出する。前年の都大会で上南に敗れたことから、インターハイ地区予選最大のライバル校として登場する。ウィンター杯東東京代表校。
桑田 泰彦(くわた やすひこ)
声ー石川英郎
8月1日生、B型。186cm / 78kg。背番号5→4。ポジションはPF。
陸上部からスカウトされたエースプレーヤー。前年の都大会で対峙した桜井に多大な影響を受け、バスケの楽しさに目覚める。他校生ながら桜井を慕い背を追っていたが、次第に同学年の小林と切磋琢磨し合う関係を築くこととなる。ライバル校のいち新人と捉えていた成瀬の情熱とポテンシャルを目の当たりにし、新たな好敵手として認識。澤村の実力も高く評価している。
楽天家で社交的な性格。成瀬と偶然相席した際、ほぼ初対面ながらフランクに話しかけ距離を縮めている。上南のインターハイ2回戦突破の報を聞き、合宿を抜け出して単身札幌へ激励に赴き再登場。筑波の5人と組んで上南に金北対策の特別練習を行い、金北戦はスタンドで応援した。3年生の歓送会にもゲスト扱いで顔を出し、上南バスケ部とは非常な友好関係にある。ウィンター杯編では東東京代表校として全国制覇を目指し筑波と対戦するも、試合前のバイク事故による負傷がたたり惜敗した。愛車はSUZUKIのBandit V400赤。小学5年生の妹は澤村のファン。
波崎 堅悟(はざき けんご)
喜屋武水産高校
インターハイ沖縄県代表校。上南の初戦相手。暴力沙汰により1年間の公式大会出場停止をくらっていた為全国的には全く無名だったが、駐留米軍兵士に囲まれた環境でならしたラフなプレースタイルと並外れたパワーバスケで初出場を掴んだ。派手な容姿や礼儀知らずの態度で会場を騒然とさせるが、バスケに対する純粋な信念にいつしか皆を巻き込んでいく。初戦前夜、札幌の街で居合わせたSCRATCHとダンクコンテストを催してギャラリーを湧かせた。部員は9名。
比嘉 裕太(ひが ゆうた)
声ー私市淳
7月14日生、B型。180cm / 82kg。背番号4、ポジションはPF。2年生。
ツンツンに固めたトサカのようなヘアスタイルと鋭い目付き、粗暴な態度で初対面の上南を威圧する。負けん気の強い自信家で、はじめは上南やSCRATCHを軽んじていたものの試合を経てその実力を認め、特に成瀬とは完全に意気投合した。デニス・ロッドマンを敬愛し、ダンクシュートは最高の自己表現と称する。ファウルも辞さない捨て身のプレーで生傷が絶えない。空港で居眠りし帰郷の飛行機を逃す原因を作り、敗戦翌日の筑波戦を上南の応援団として観戦。不在の浩介に代わり場を盛り立てる。女子には慣れていないのか弱い節があり、みずきに終始頭が上がらずにいた。沖縄では祖母の下で生活しておりこれまた頭が上がっていない。喫煙者。猫舌。
玉那覇 貴生(たまなは たかお)
瑞慶覧 ケンプ 辰也(ずけらん ー たつや)
古謝 山彦(こじゃ やまひこ)・海彦(うみひこ)
9月1日生、B型。181cm / 69kg。ポジションはそれぞれSFとSG。2年生(1留)。
一卵性双生児。緑青と青緑にそれぞれ染めたドレッドヘアと大きなサングラスで独特の雰囲気を作っているが、口を開けば漫才のようなおとぼけキャラとなり多くの場面でコメディ要素を担当した。サーフィンが趣味で、波を待ってる間に留年したなどと揃って嘯いている。ダンクコンテストで澤村と言い争って以来犬猿の仲だが実際には認めあっており別れ際には「マイブラザー」とも称していた。二人とも大食い。著者も二人の区別はあまりつけておらず、海彦が英語でまくしたてる役、山彦が適当に通訳する役と便宜上答えている。モチーフは『不思議の国のアリス』のトゥイードルディー・トゥイードルダム。
南郷大附属筑波学園高校
インターハイ / ウィンター杯茨城県代表校。全国より集められた特待生とデータに基づき徹底管理された戦術により優秀な成績を多数残し「勝たなきゃ何の意味もない」を大義とするエリート集団。100名以上の部員を擁するが、コーチの方針でベストメンバーは選りすぐられ試合中も選手交替はほぼ見られない。前年の関東大会初戦で上南を圧伏し大会ワースト記録をもたらした上、今川の怪我に直接関与し謝罪を為さない等の遺恨を残した因縁の相手として登場。インターハイ2回戦(シード校のため初陣)、成瀬をはじめとする上南バスケ部の姿に心動かされ、管理バスケからの解放とバスケへの歓喜を皆が取り戻した。ウィンター杯ではチームの解散を賭した背水の陣で戦い、金北に敗れるも5名の大会MVPを輩出。「プロの傭兵集団」としてのイメージから『新機動戦記ガンダムW』の主人公たちをモチーフにしている。
三上 圭悟(みかみ けいご)
声ー中井和哉
9月25日生、O型。179cm / 70kg。背番号4、ポジションはPG→PF。2年A組。
神奈川県出身。部のコーチである実兄・克彦の期待を一身に背負い、上級生を凌駕する実力で1年次からPGに抜擢された。横浜での中学時代から全国に名の知られたプレーヤーで、冷静な判断力と俊敏さで試合をコントロールし己が役割を忠実に遂行する。成瀬の「楽しいバスケ」を真っ向から否定し対抗意識を燃やすが、実はバスケへの愛情は人一倍であり、命令以外のことは許されない管理バスケに大きなジレンマを抱えている。試合内外での成瀬との関わりを通じ、結果ではなく自分のためのバスケを貫くことを決意し兄の圧政と決別する。
1年前の試合中に接触事故で今川を負傷させたことを気に病むも、兄の主張に逆らえず無視する素振りを取ってしまい小林の憤怒を買っていたが、敗戦後に直接謝罪した後はよきライバルとなり、自身を変えてくれた成瀬にも恩義を感じている様子で、桑田による金北対策練習には他4人を連れて駆け付け上南を支援している。文武両道でもあり勉学の成績は上の中。当初のモデルはドラマ『ロングバケーション』に出演していた頃の木村拓哉。
藤堂 尚樹(とうどう なおき)
真島 真琴(まじま まこと)
林田 翔太郎(はやしだ しょうたろう)
コウ=カジンスキー
三上 克彦(みかみ かつひこ)
7月21日生、32歳、A型。181cm / 81kg。圭悟の実兄にして筑波のヘッドコーチ。体育大のバスケ選手だったが怪我で引退し、失意から結果主義の管理バスケを圭悟に強いるようになる。試合中も自軍選手への命令を怠らず、応えないプレーに対しては罵声を容赦なく飛ばし監督する。とある大学を日本一に導いた実績から手腕は評価されており、鳴り物入りで筑波にヘッドハンティングされた。大学の先輩である奥田とはバスケへの考え方の相違で衝突を重ねる。実力未萠の者を見下す傾向が強く、初出場の上南や喜屋武のプレーを下等と決めつけ反感を買う。一方で勝利のためなら手段を選ばぬ面もあり、試合中に負傷した桜井を攻撃するといった卑怯な戦術も厭わない。成瀬に感化された圭悟から決別を告げられ会場をあとにするが、心中深くでは自身に潰えた名選手への夢を弟に託す志を持っており、無邪気にプレーする圭悟の姿を見て今後を励ます言葉を残して去る。敗戦後は筑波を辞し、九州の大学バスケ部コーチに就任した。モデルはドラマ『勝利の女神』の陣内孝則。
横浜国際商業高校
インターハイ神奈川県代表校。通称「浜国(ハマコク)」。3回戦で上南と対戦したが、展開上ギャグ風の役回りであり学校や各選手の背景は描かれない。
松平 勇作(まつだいら ゆうさく)
広島フェリシア女学院
インターハイ / ウィンター杯広島県代表校(女子)。全国大会常連の女子校。大学推薦も多い様子で、ウィンター杯には3年生が引退せず出場し、優勝を掴んでいる。
小泉 智美(こいずみ ともみ)
声ー嶋方淳子
10月19日生。2年生。背番号7。外ハネのショートカット。
St.94で初登場。初対面の成瀬を心配させるほど落ち着きがない慌てん坊で、しょっちゅう忘れ物をしては相棒の池田に叱られている。バスケ歴は小中高と長く、内も外も得点できるオールラウンダーであり、足を使った俊敏なパスワークで強豪校のエースを任されている。ウィンター杯では決勝戦ラストプレーで逆転弾を決め、全国制覇の立役者として時の人となる。スタンドの部員による個性的な応援を池田と共に考案するなど部のムードメーカー。確信ある言葉で成瀬や池田を諭したり、気まずい空気を読んで笑いを提供したりと、他人に対してはしっかりした面を見せることが多い。
筋金入りのバッシュマニア。憧れの教員と同じニューバランスを履いているという理由で成瀬に好印象を抱いたり、バッシュを見ただけで選手の趣味を予測したりという始末で、女子高生らしい色気が無いと周囲に窘められている。
溌剌とした振舞い、屈託ない笑顔に成瀬が心惹かれ、札幌で過ごした数日のうちに逢瀬を重ねては距離を縮めていく。その後も電話や手紙でやり取りを続けていたが、ウィンター杯編は成瀬との進展が物語の柱となり、優勝直後の夜に想いを確かめ合った。
両親と姉弟との5人家族。弟の雅貴(まさき)も中学バスケ部のエースとして全国大会に幾度も出場している。
池田 浩子(いけだ ひろこ)
声ー萩森侚子
2年生。背番号8。勝ち気で天真爛漫な性格で、公私の仲である小泉と共に部のムードメーカー。成瀬と小泉の仲を茶化して楽しんでいるが、恋愛に縁の薄かった小泉を応援し数々のアドバイスを送る。宮内コーチに密かな恋心を抱いている。
宮内 慎司(みやうち しんじ)
金沢北工業高校
インターハイ / ウィンター杯石川県代表校。高校バスケ界の王者とも呼ばれる名門男子校。シカゴ・ブルズのトライアングルオフェンスを基本とした高度な戦法と個々の突出した能力で他校を圧倒し、前人未到の公式戦100連勝を前にしたインターハイ準々決勝で上南と初対戦、窮地に追い詰める。校則は厳しく練習も強豪らしいハードさを極めるが、森山監督との信頼関係により部内の空気は常勝校らしからぬ自然体で形成され、多少の校則違反も黙認されている。
天海 佐助(あまみ サスケ)
声ー戸北宗寛
6月28日生、O型。175cm / 54kg。背番号9、ポジションはF。
St.130で初登場。素顔とフルネームはSt.143で漸く明らかになる。アメリカからの帰国子女。幼少期に観戦したNBAでマイケル・ジョーダンの雄姿に衝撃を受けて以後バスケに打ち込み、ジョーダンに近づこうとプレースタイルを模倣している。卓越したセンス、磨き上げた超人的スキルでデビュー早々トリプルダブルの成績を上げ、一躍金北の主力部隊として高校バスケ界の注目を集めているスーパールーキー。脱色パーマの前髪と切れ長のつり目が特徴で、しばしば成瀬を睨み付けている。他人に対しては実力主義で接し年齢と敬称の関係は希薄。無愛想だが心を許した相手とは笑顔で会話でき暗い性格ではない。試合以外の場所ではところ構わずポッキーを加えており、ラーメンも好きである。
登場時は深く被ったキャップでハッキリとした顔面が表れず、からかってみたと思えば桜井のケガについて注意するように助言する等、掴み所のない振舞いで成瀬との初対面を果たすが、上南の3回戦直前に遭遇した際よりは、自身が真似できなかったエアウォークをやってのける成瀬に対して嫉妬にも似た敵愾心を懐くキャラクターに描かれており、事実上本編最大の成瀬のライバルとして立ちはだかる。成瀬とは趣味嗜好からバスケへの考え方まですべてが正反対であり「一生敵、仲間にはなれない」と突き放すも、実戦で成瀬のバスケへの真剣さを認め、互いの成長を懸けた特別な存在として意識するようになった。
バスケはプレーだけでなくシューズやアウター等グッズにも精通しており、『スター・ウォーズ』のキャラクター名があしらわれたキャップを常用するなどバスケ以外のことにも関心が深い様子。恋愛事には全く興味が無いが、女心の機微を察して成瀬に助言するぐらいの甲斐性も見せる。小泉雅貴にとっての憧れの的。
高城 政宏(たかぎ まさひろ)
遊佐 任三郎(ゆさ にんざぶろう)
八雲 一朗(やくも いちろう)
羽田 岳史(はねだ たけし)
河村 隼人(かわむら はやと)
ストリート(J)編
秋葉原関係者
江口 理沙(えぐち りさ)
江口 一馬(えぐち かずま)
山本 マキオ
“J” 関係者
JOHNNY / 芥川 英明(あくたがわ ひであき)
24歳。3on3チーム「サンクチュアリ」のリーダー。通称「黒のクイーン」。“J”の現トップ。
アメリカの孤児院で育ち、独立後は若き実業家として成功を収め現在都内に複数のレストラン等を経営するエリート。スラム街でストリートバスケをしていたJOKERに惚れ込み、以降片腕としてバックアップし帰国後に“J”を組織した。「戦うことでしか人は強くならない」という独自の美学に基づいた弱肉強食のストリートシーンを実現せんと、都内のフープ支配を暴力で推し進める一方、JOKERと成瀬を引き合わせたり、澤村を引き抜いてSCRATCHと戦わせたりと狡猾な手段も用いて野望を遂行する。その本当の目的は、自身の拠り所となる「ヒーロー」を探し出すことであり、一夜限りのストリートバスケ大会「パーティー」を主催し、真の王者にこの偶像を求めようとする。かつてJOKERを破った成瀬にその片鱗を見出だして接近。普段の物腰は柔らかく極めて紳士的な佇まいであるが、成り上がるまでに壮絶な過去を経たことが窺え、尋常でない殺気をこめた眼力“メデューサの目”を武器に、成瀬たちを翻弄する。
アビィというサルと常に行動を共にしている。モデルは金城武。
甲斐 万丈(かい ばんじょう)
推定年齢21~22歳。少年時代の澤村に少なからぬ影響を与えた一人。一級品のフェイクテクニックを使った賭けバスケで澤村とタッグを組み荒稼ぎしていた。普段は女や金にだらしないプータロー。「Just walk in the park(気楽に行こうぜ)」を信条とし風来坊のような生活を送っている。1年半前に澤村の有り金を持ち逃げしたが、JOHNNYに雇われJに参画、元相棒の澤村を裏街道に誘惑する。パーティーには澤村との覆面コンビCANEY Gとして出場、SCRATCHと対戦。敗れたあとは再び澤村に別れを告げ、澤村の金をくすねてメキシコに渡ったとされる。本名かどうかは不明。喫煙者。モデルはGLAYのTAKURO。
シン
フランケン
ローズ / 宇都宮 令司(うつのみや れいじ)
その他
奥田(おくだ)
森田(もりた)
井上(いのうえ)
館 洋海(たち ひろみ)
小室 慎二(こむろ しんじ)
澤村 博之(さわむら ひろゆき)
藤田 宗司(ふじた そうし)
おまけ漫画
単行本の余剰頁には西山による書き下ろし企画が多数収録されているが、おまけ漫画の連載もあった。
スーパーウルトラバスケットマンシュウ → ー Z(ゼット)
桜井がシュウに変身する設定を用いたギャグ漫画。本編を踏まえた正統なパロディで、各巻に初登場する新キャラは大抵登場する。KC1~29巻まで全巻とおして掲載された。9巻で『Z』を付記し改題。
なるちょの大冒険
KC11~29巻に掲載。西山が当時ハマっていたドラクエを意識したファンタジーRPG。バスケットマンシュウZとは異なり本編との関連性は薄く、原作者による二次創作という色合いが強い。登場人物の過去世の物語であるような筋書が結末に示唆されている。
成瀬‐勇者なるちょ
桜井‐戦士サー・クライ
小林‐武闘家コー・バヤシー
希理子‐魔法使いキリコ
浩介‐天界の神 / 傭兵コースケウス
澤村‐天界の神 / 盗賊マーサー
三上‐騎士ケイゴチヌス・デ・ラ・クバーツ
真島‐妖精マコリーン
サルーン‐オリジナルキャラクター。言葉を話す猿。以上を勇者パーティーとする。
みずき‐天界の女神ミズキリア
館洋海‐聖剣ヒロミアサン
桑田‐聖楯クワトロヴァンダム
今川‐神父イマガーワ
小泉‐修道女トモミン
ゲーム
コナミよりプレイステーション用ゲームソフトとして1999年10月に発売。当初コナミ側は単行本のおまけ漫画『なるちょの大冒険』をゲーム化したいと打診したが「原作を差し置いてそれはできない」ということで、当時大流行していた恋愛シミュレーションゲームとして製作された。そのためバスケをプレイする設定はない。プレイヤーは成瀬、男子マネージャー、女子マネージャーのいずれかを選択し、原作に沿った物語上で様々なキャラクターとの交流を重ね、理想の相手との結末を目指す。「恋愛」ではない「友情」のシナリオも用意され、男同士でエンディングを迎えるパターンも存在する。講談社から公式攻略本も発売された。成瀬、澤村、小林を演じる声優はマガジン本誌読者からのアンケートを参考に選ばれ、結果は誌上で発表された。桜井役の井上和彦、希理子役の鶴ひろみのみ西山の希望による配役。
ゲーム版オリジナルキャラクター
恋愛シミュレーションとしては本編の女性キャラクターが少なすぎるということで、3人のオリジナルキャラクターが製作された。
梨本 ひなこ
上南高校新聞部員。小柄な眼鏡姿の物静かな少女。上南バスケ部のスクープを狙って接触してくる。
白石 美帆
上南高校養護教諭。セクシーな大人の女性担当。
沙原 舞
他校の女子陸上部員。男に媚びない強気なキャラ。
サウンドトラック
『Harlem Beat MUSIC VOX』
ノベルス
シナリオライター並木敏による小説版がマガジンノベルスより2冊刊行された。いずれも漫画では描かれていない部分や過去の出来事をテーマにした原作ファン向けの内容。西山がカバー・ピンナップ・挿絵を書き下ろし。漫画版同様、おまけページをふんだんに盛り込んである。
Five Private Talks
1997年2月刊。成瀬以外の主要キャラクター5人をそれぞれクローズアップした短編を5本収録。
振り向けばいつもスマイル
俺の値段は自分で決める
みずきと歩こう公園通り
風のように候
あたしが希理子さんだよっ!
Two Tales of Cools
1998年9月刊。当時読者に高い人気を博した澤村、筑波の5人を取り上げた2編から成る。
The Way of Ultimate5
A Hard Day's Night
画集
『Harlem Beat 西山優里子イラストレーションズ AIR』の題で1999年7月に刊行。書き下ろし・未発表を含む160点以上のカラーイラストをテーマ毎に分け、西山の前作『ノーハドル』イラスト等も同時に掲載。巻末には連載前の設定資料や貴重なラフスケッチ、西山のロングインタビューを収録。