I.R:I.S
以下はWikipediaより引用
要約
『I.R:I.S Indirect Ruler:Infinite Seizor』(アイリス インダイレクト ルーラー:インフィニット シーザー)は、澄守彩による日本のライトノベル。イラストはシロウが担当している。講談社ラノベ文庫から刊行されている。2013年8月には特設サイトが開設されている。
制作背景
著者の澄守曰く「密着系爽快バトルアクション」。当初物語はやたらと活躍するようなスカッとする話が書きたいと思い企画を練り始めたが、ただ強いだけじゃ飽き足らず主人公だけを無双させる話にしようとした。ところが暴れるだけの話を書き上げる自信がなくなったため、主人公は「強いけど弱い」設定に変更された。その変更により生まれた矛盾を解消するため、それぞれのキャラクターに「RPS」の要素を取り入れており、澄守は「主人公とメインヒロイン、2人以外のキャラクターの3つに大きく分け、誰が誰に対して優位なのかそうでないのかが見どころでもある」との趣旨で本作の見どころを述べている。更に今回登場するメインヒロインについては今まで書いたことがないタイプのキャラクターであると述べており、「読者にどう感じてもらえるか期待と不安がごちゃまぜになっている」と明かしている。
あらすじ
小説第1巻
理緒の突然の発言に戸惑いながらもチームに加わった和人。理緒の目的が分からずに混乱する和人だったが、一緒に行動していくうち徐々に理緒の目的が見えてくる。それは和人が気付いていない彼の真の能力で――
最弱の落ちこぼれが最強の虹の女神(アイリス)に出会ったとき、物語の歯車が回り出す。
小説第2巻
更に和人はエリアスのとんでもない秘密を知ることになる。
小説第3巻
登場人物
主要メンバー
黒鋼 和人(くろがね かずと)
本作の主人公。1年生でクラスは27組。学内序列は下から数えた方が早い。
エーテルの支配領域は2.7cmと極端に少なく、エーテルを使用できるのも手が触れるか触れないかギリギリの状態でしか使うことができない。ところが、エーテルを視覚的に認識する力を持っており、また誰かが支配しているエーテルを間接的に無理やり支配できるというとても稀有な能力を備えている。和人が持つ特異な防御力も支配側である現象そのものに干渉し、従属するエーテルを無理やり自分のものにするために発生するもの。この能力があるおかげで、和人以外の人物が入院するほどの威力の攻撃を受けても気絶程度で済んでしまう。ただし物理攻撃に対してはこの能力は発揮されない。
理緒に誘われ理緒とチームを組むことになった。
皇 理緒(すめらぎ りお)
本作のメインヒロインの1人。特進クラスに所属している。
学内序列は1位で、エーテルの支配領域は80mとかなり広い。また、エーテルを自在に操ることができ、戦闘能力はかなり高い。その高い能力が認められ、特例で異世界に現れるラルヴァの討伐隊の隊員として活動している。
極度のコミュニケーション障害で、声を出そうとすると息が出なくなり、会話ができなくなる。このことが原因で小学校の頃にいじめを受けていた。
和人とは小学生の頃に1、2か月ほど同じ学校だったことがある。いじめを受けていた理緒をかばい、助けてもらったことを高校生になった今でも鮮明に覚えている。このことから和人とだけは普通に話をすることができる。また春姫とも最初は話せなかったものの、後に話せるようになっている。
私服は一着も持っておらず、制服は十着、靴も同じようなものを七足は常備している。なお、普段はもちろんのこと戦闘時でもスパッツは穿かない。このため和人によくパンツを見られ、そのたびに気絶させている。
鑓見内 春姫(やりみない はるひめ)
本作のメインヒロインの1人。特進クラスに所属している。中学生の時に島にやってきた。島内にある着ぐるみショップの常連でもある。
やや吊り上った目の色は茶色で、日本人離れした鼻筋の通った顔だちをしている。普段はアンティーク調の椅子に座って移動している。
小学生の頃からある程度の能力を使うことができていた。このため中学生時代は本格的な戦闘訓練の無いカリキュラムに飽きてしまい、授業そっちのけで上級生に私闘を吹っ掛ける問題児だった。ある時理緒にも私闘を吹っ掛けたが、一時は生命の危機に関わるほどの大怪我を負った。以降、理緒を倒すことを目標とし、復帰してからは真面目に勉強をするようになり、僅か1年で高校進級の資格を手にした。
重力操作による攻撃が得意で、気にいらない相手がいると重力によって押しつぶそうとする。見ず知らずの相手には容赦がないが、心を許した相手にはとことん懐く。
和人を自分のチームに引き入れようと様々な方法で近づくが全て失敗に終わっている。
エリアス・キャベンディッシュ
2巻から登場する人物。英国から桜ヶ丘学園にやってきた。普段は男の姿をしているが本来の性別は女で、エーテルを用いて男の肉体に偽装している。エリアスの実家であるキャベンディッシュ家は大英帝国で最も古い歴史を持つ貴族でもある。
留学生ということで日本にやってきたが、実際は唯一ラルヴァを倒すことができる黒い戦士の正体を暴くべく送り込まれたスパイだった。しかし和人に情が移ってしまったことで、和人の正体を知った後も上層部には報告せずにいる。
キャベンディッシュ家は昔から代々嫡男が家を継いできており、当主の子供に男子が生まれなかった場合は孫の代に男子が生まれるまで継がせないこともある。エリアスの父はアルクシアの中核を担う優秀な超能力者であるが、アルクシアの市民権は家ではなくあくまでも個人に与えられている。しかし父にはエリアス1人しかおらず、孫の代まで後継者を待つ時間は無く、さらに後継者に足る能力者が親戚に誰一人いないことから、家の名誉と誇りを守るためにエリアスは性別を偽り、優秀な超能力者を目指している。
和人と同様にエーテルの支配領域は狭く2メートルほどしかないが、肉体を偽装するのに相当な負担が掛るようで、偽装を行わないと支配領域は3メートル近くに広がる。
鹿角宮 夜雲(かづのみや やくも)
3巻に登場するメイド。元は皇家の専属メイドだったが、突如理緒の前へ現れた。
桜ヶ丘学園の卒業生で、和人たちの先輩にあたる。成績はとてもよく、飛び級をしていた。卒業後はアリウスで軍務をしていたが任務に失敗し、アルクシアで市民権を得るという道は閉ざされてしまった。その後資格を取って無所属の要人警護をするようになり、現在の皇家へとたどり着いた。
父親が事業に失敗し一家が路頭に迷う直前だった時、皇家の会社に吸収合併されるかたちで傘下に入れてもらい危機を乗り越えたことがある。そのような縁から皇家で専属メイドをやるようになった。
アリウスで任務に失敗した時にそのショックから能力が半減してしまったが、その後新たに残留情報解析の能力を得ている。夜雲が新たに得た残留情報解析能力は他の人間では数秒、特化した人間でも数時間しか遡れないのに対し、その気になれば1000年前の情報も取得することができる。
その他登場人物
東堂 恵美(とうどう めぐみ)
浦辺 智則(うらべ とものり)
卜部 瑠依子(うらべ るいこ)
用語
超能力関連
超能力
超能力は先天的な能力で、脳内に極小の特殊な器官を備えた者だけが扱うことができる。全ての能力が開花するわけではないが、概ね12歳で能力に目覚める。一定レベルの能力が使用できるようになると、その時点で専用の施設に隔離される。隔離は当人の意思は考慮されず、また親にも拒否権がない。
自らを兵器と化する者を超能力者と呼ぶ。
覚醒
エーテル
一定範囲に存在するエーテルの総量には限度があり、エーテルの支配力が強ければ強いほど自らの支配下に置けるエーテルは多くなる。超能力者同士の戦闘においては、複数の味方で協力し限りあるエーテルを敵側から奪い弱体化させる戦法が基本となる。
通常、能力者がエーテルを引き寄せているのかの判断は自身の感覚に頼るところがあるが、和人はエーテルを視覚的に捉えることができる。
黄のエーテル
紫のエーテル
緑のエーテル
電子機器に誤作動を誘発したり、電磁干渉を起こしたりといった対兵器用の戦闘補助や電波を用いた情報伝達や逆探知など、戦闘とは離れた使い方をするのが一般的だが、有用に足りるには高い能力が必要となる。
支配領域
解体
この能力を使うことができるのは世界でも数人しかいない。
間接支配
残留情報解析(サイコメトリー)
一般堕ち
能力検査
土地・組織
支配国家(アルクシア)
アルクシアの支配層には様々な国から優秀な超能力者が多数送り込まれているが、その半数近くは米国と英国出身の超能力者で占められている。日本は3番目に多くの超能力者を送り込んでいる。
人工島
超能力を持つ少年少女を育成するために造られた島で、俗世から隔離されている。島内の学区は6つに分けられており、中高一貫の学園がそれぞれ存在している。
超能力を育成する学園は完全実力主義で、特に戦闘系能力を持つ学生は完全な能力の強さで序列が決まる。弱者には優しくなく成長の余地がないと判断されると、容赦なく退学というかたちで切り捨てられる。競争からあぶれた能力者は今以上に自由を奪われ、徹底して監視された生活が待っている。
桜ヶ丘学園
全校生徒は3500人と多く、主に戦闘系能力を持つ人間が集められている。校庭の広さは一般的な学校と変わらないが、施設自体は広大。
授業のカリキュラムの半分は訓練で占められており、超能力に関する特殊講義も多々あるため、一般教科は極めて過密なスケジュールで組み込まれている。授業の熟練度合いはレポートのみで計られる。また、超能力者を育成する学園のため夏休みは設定されていない。
高等部1年生のクラスは1組から27組まであり、和人は27組に所属している。理緒は「特別指定進学クラス」に所属している。
アリウス
25年前に地球と繋がった。惑星規模は地球と同じくらいで、文明は場所によるが産業革命前の水準。
手つかずの豊富な地下資源に目を付けた地球側の人間がアリウスを植民地化している。言語統制は行っているものの弾圧は行っておらず、地球の技術をアリウス側に提供している。
アリウスに暮らす人々はラルヴァを「災害」、超能力者による侵略を「人災」と呼んでいる。
その他
留学
日本は能力者の人口比率はそれほど高くないにもかかわらず一定レベル以上、特に支配層の市民権を得るほどの能力者の比率が格段に高いことから、留学生を受け入れて欲しいという打診はかなりの数があるが殆ど断っている。
2巻ではエリアスが留学生として日本にやってきているが、実際は黒の戦士の正体を探るために英国から送られてきたスパイだった。
ラルヴァ
生態については謎が多く、分かっていることは普段は高次元に身を隠していること、超能力が使えること、群れを作らず単独行動をすること、人間を餌にしていることのみ。それ以外の情報は推測でしかない。
普段はアリウスにしか生息していないが、1巻では人工島に現れている。
ラルヴァが使用する第7の能力は「無を創造」する力と呼ばれ、あらゆる攻撃を消し去ることができる。それ故超能力を持った人間でもラルヴァを倒すことは不可能とされている。しかし和人は自身の稀有な能力により、ラルヴァを倒すことに成功している。
書籍
小説
講談社ラノベ文庫より刊行中。
タイトル | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | I.R:I.S1 Indirect Ruler:Infinite Seizor | 2013年8月30日 | 978-4-06-375324-0 |
2 | I.R:I.S2 Indirect Ruler:Infinite Seizor | 2013年12月27日 | 978-4-06-375356-1 |
3 | I.R:I.S3 Indirect Ruler:Infinite Seizor | 2014年5月2日 | 978-4-06-375373-8 |