MMR マガジンミステリー調査班
以下はWikipediaより引用
要約
『MMR マガジンミステリー調査班』(エムエムアール マガジンミステリーちょうさはん)は、石垣ゆうきによる日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)に不定期連載(連載期間1990年-1999年)された。単行本も同社(少年マガジンKC)より発行。全13巻。
1999年には、それまで刊行された単行本(1巻〜11巻)を再編集した総集編「光の書」「暗黒の書」が、『週刊少年マガジン』増刊として発行された。また、全13巻の再編集版としてコンビニコミック「講談社プラチナコミックス」のレーベルで全6巻発行された。現在はコミックパークのオンデマンド出版で全13巻が刊行されている。
城不二也作の続編『MMR The Apocalypse 第一話 新たなる黙示録』、石垣ゆうき作の続編『新世紀緊急報告MMR』と『MMR復活編』、『新生MMR 迫りくる人類滅亡3大危機(トリプルクライシス)!!』についてもここで述べる。
概要
『週刊少年マガジン』編集部員で編成されたMMRこと「マガジンミステリー調査班(MAGAZINE MYSTERY REPORTAGE/マガジン・ミステリー・ルポルタージュ)」が物語の主役。メンバーはキバヤシ(リーダー)・ナワヤ・タナカ・イケダ・トマルの5人。この5人は実在の編集者がモデルであり、いずれも今なお各所で活躍している。他に自称海外隊員としてチャーリーという人物も登場。
当初はMMRのメンバーが様々な超常現象を科学的に解明していくという主旨であったが、単行本の2巻以降はノストラダムスが残した予言詩を物語の軸に据えることで、謎の組織や政府の陰謀が登場し始め、後年のテレビドラマ『Xファイル』にも似たSFミステリーとなっていった。掲載されるのは合併号が多い。
1996年4月から同年10月にかけて『MMR未確認飛行物体』という題名でフジテレビ系の木曜の怪談枠内でテレビドラマ化された。ドラマは、ファッション雑誌から“スーパーマガジン”の企画「MMR」の担当へ異動した編集者、踝透(くるぶし とおる、演:中山秀征)が主人公の完全オリジナル版として制作された。
1999年に『MMR』は一旦終了したが、単行本13巻巻末の作品紹介ページとカバー内側には「1〜13以下続巻」と書かれていた。週刊少年マガジン2003年32号、33号に『MMR The Apocalypse 第一話 新たなる黙示録』が掲載され復活。作者は城不二也。リーダーがミウラに変わるなどメンバーは一新されている。
2008年に、同誌21・22合併号、23号にて『週刊少年マガジン』創刊50周年記念として『新世紀緊急報告MMR』との題名で前後編にて復活掲載。作画は従来の石垣ゆうき。メンバーはまたも一新されており、初の女性隊員スエザキが登場している。キバヤシ達を回想する場面が有るものの城不二也版の新MMRについては触れられていない。
2012年に、プロジェクト・アマテラス内にて『MMR復活編』が開始。嘗てのメンバーに加えハシモトという女性隊員が加わる。劇中でマヤ2012年滅亡説を「ちまたのウワサ」として扱い『新世紀緊急報告MMR』での次世代メンバーの調査を知ってか知らずか2ページで否定している。作画は石垣ゆうき。2014年4月17日には『新世紀緊急報告MMR』『MMR復活編』を収録した単行本『新世紀黙示録MMR Resurrection』が発売された。単行本カバー内側の石垣ゆうきの一言には「14年ぶりのMMRです」と書かれている。さらに、2016年3月17日にはそのまた続編『新生MMR 迫りくる人類滅亡3大危機!!』が発売された。
アニメ版『GTO』の27話目、28話目にMMRが登場し、日本各地の地方局CMに出ていた野村朋子を調べていた。
主な登場人物
石垣ゆうき版 オリジナルMMR
MMRメンバーとその関係者
キバヤシ(隊長)
196X年7月22日生まれ。身長182cm、体重は77kg、血液型O型。視力右0.2、左0.1。IQは170の超天才で、日本語・英語・フランス語の3ヶ国語を扱える。超常現象・ノストラダムス解釈に精通している。
信条は、「即断は禁物」。自分が納得行くまで調査し、MMR内でも最も真面目に描かれる。一部のインチキを見て超能力に否定的であり、鍼治療も胡散臭いと考えていたが、後にナワヤに簡単な実験で「一部を見て否定するのはMMRの信義に反する」と説得され、再評価するようになった。どんな謎も調べて結論を下してしまうが、詳細が分からない場合も多い。使用携帯電話はJ-PHONE(後のボーダフォン→現ソフトバンクモバイル)。『MMR復活編』では本編終了後講談社を辞めていたことが明かされ、約10年後海外から帰国しトマルと共にMMRを再結成する。癖はペン回し。大学時代は音楽活動に勤しんでいたが作詞の才能はない。
モデルは当時週刊少年マガジンの編集者であった樹林伸(1巻「超能力は実在した!」にて本人とおぼしき人物の写真も掲載されている)。
アニメ版『GTO』での声優は平田広明。
ナワヤ
タナカ
イケダ
3巻から加入した隊員。
英語が堪能で海外在籍が長く、国際事情に詳しいことから海外調査では重宝されていた。当時まだ一般にはなじみの薄かったインターネットに精通していたり、当時日本では放送されておらず、名前も知られていなかったThe X-Files(X-ファイル)を海外から手に入れ参考としていたりとその方面でも大きな戦力となっていた(ビデオテープを見たナワヤはアメリカ製AVと思っていた)。
漫画家柴田亜美はブログで、今の講談社の担当編集者はイケダ隊員その人であると記載している。また、柴田亜美の漫画の中にも「MMR イケダ隊員」として登場した。
学生時代に『マイコンBASICマガジン』のライターをしていた(当初は本名、のちに響あきらというペンネームで活動)。
トマル
その他
コイブチ
キタヤマ
R(アール)
Resident of Sun(レジデント・オブ・サン)
通称「太陽の住人」。ボイスチェンジャーの電話の声や手紙のみで接触する謎の人物。
「神の言葉」を巡る人格改造計画や始皇帝の隷属遺伝子の計画で大規模な国家の陰謀に加担していることが明らかになった。Y2K(2000年問題)で初登場し、イースター島のモアイの物語でもメッセージを伝えた。正体はイルミナティ。
セーラー服の少女
マシュラ
ジャック・ヨネムラ
実在する登場人物
- 清田益章 - 超能力者(超能力は実在した!)
- ニーナ・クラギーナ - 超能力者(超能力は実在した!)
- 初出当時はクラギーナの映像と存在や未発表で極秘扱いとされていた。
- 宜保愛子 - 霊能力者(人類は滅亡する!?)
- 前田和慧 - 霊能力者(心霊現象が警告する悪夢とは!?)
- 高橋徹 - マヤ文明研究家(1999戦慄の占星術第予言とは!?)
- 松村潔 - 占星術研究家(1999戦慄の占星術第予言とは!?)
- 高橋良典 - 日本探検協会会長(地底王国からの破滅の囁きとは!?)
- 鏡リュウジ - 占星学研究家(1994神聖大予言 地球は既に死滅している!?)
- 初出当時はクラギーナの映像と存在や未発表で極秘扱いとされていた。
城不二也版 新生MMR
- ミウラ(隊長)
- タキガワ
- パク - チャーリーの様な国外隊員(?)を除けば、MMR初の外国人(韓国人)の国内隊員。モデルは少年マガジン編集部副編集長の朴鐘顕。
石垣ゆうき版 新生MMR
- ヨネムラ(隊長)
- スズキ
- タキガワ - 城版MMRのタキガワとの関係は不明。
- スエザキ - MMR初の女性隊員。
石垣ゆうき版 MMR復活編
- キバヤシ
- ナワヤ
- タナカ
- イケダ
- トマル
- ハシモト - ナワヤの後輩で新人編集者。2人目の女性隊員。
石垣ゆうき版 新生MMR 迫りくる人類滅亡3大危機!!
- キバヤシ
- ナワヤ
- タナカ
- イケダ
- トマル
- ハシモト
- チャーリー・ライアン
- チャンドラ・サンジェイ - キバヤシがインド滞在中にいろいろ世話になった友人。キバヤシと再会する。
今までの予言
※大半がキバヤシの持論である。
単行本1巻
単行本2巻
単行本3巻
単行本4巻
単行本5巻
単行本6巻
単行本7巻
単行本8巻
単行本9巻
単行本10巻
単行本11巻
単行本12巻
単行本13巻
新世紀黙示録MMR Resurrection
単行本未収録エピソード
1995年3・4合併号〜5号に掲載された『甦るノストラダムス 暗黒新予言』の回は単行本未収録となっている。要因としては、当時の地元警察とマスメディアが第一通報者を犯人扱いした「松本サリン事件」を下敷きにして「世界を裏から支配する『300人委員会』によるサリンを使ったテロが起きる」という予言を描いた所、掲載の2ヶ月後に実際に「地下鉄サリン事件」が発生し、一連のサリン事件が300人委員会ではなく「オウム真理教」の犯行と判明したためとされている。
- 単行本5巻には、未収録分の穴埋めとして特別読切『怨声「もっと苦しめ…」』が収録されている。
- 単行本7巻の『1999 悪魔の全人類改造計画とは!?』には「それは以前調査した『300人委員会』みたいに世紀末の破滅を促す計画じゃ…」という台詞がある。
- このエピソードでは事故で入院したイケダの代理としてトマルがMMRに編入され、イケダ退院後もそのまま定着したが、この回が単行本未収録となったため、単行本では唐突にメンバー入りしている。
雑学
講談社内には実際に「MMR」と呼ばれる組織が存在していた。メンバーは基本的に一介の編集者で構成されており、各人は専門家ではないが超常現象に関する知識は深いようである。
MMRメンバーは実在の編集者がモデルで、『金田一少年の事件簿』シリーズや『シュート!』シリーズの舞台裏4コマや対談等に、キバヤシ、イケダ、トマルとおぼしき編集者が登場している。イガラシ局長こと五十嵐隆夫は講談社コミックスの発行人として奥付に記載されている。
漫画の冒頭には「この物語は事実をもとにしたフィクションです」という但し書きが添えられている(2003年の『MMR』では単に「この物語はフィクションです」となった)。単行本の初めのページにも同文が添えられていたが、5巻以降は「この物語は事実をもとにしたフィクションです。内容に関する問い合わせは、電話では一切受け付けておりません。ご了承下さい」という但し書きに変更されている。
隊員のキバヤシの結論がことごとくノストラダムス関連に繋がってしまう。唯一の反論担当であるナワヤの意見もキバヤシの結論同様、根拠に乏しいとされている。また、当時講談社は『週刊現代』でもノストラダムスや終末予言特集を頻繁に特集していた。1999年が既に過去となり、通俗的なノストラダムス現象が下火になってからは、これらの議論も同様に下火になっている。
1990年代後半にラジオ番組のゲストで樹林伸が出演し、ナワヤをミステリーサークルのど真中に寝させた件などを話す。その際、受験を控えた不安定な年頃の子に人気があると発言。本人はあくまでフィクションとして作っていた様子がここから伺える。
隊員のイケダは地図に載っていない遺伝子工学の研究所近くで胴の異様に長い猫"通称・ダックスキャット"を目撃したと語っている。胴の異様に長い猫は、都市伝説研究家関暁夫の著作『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説―信じるか信じないかはあなた次第』に写真が収められている。
MMRは単行本12巻に描かれた様に実際に米国のアメリカ航空宇宙局(NASA)に赴き取材を申し込んでいるが門前払いされている。この体験をMMRはNASAが何か秘密(宇宙人を隠している等)を知られるのを嫌っているためだ、と結論付けている。
単行本9巻以降は副題に「MMR緊急報告」の文が付くようになった。
単行本6巻『1994神聖大予言 地球はすでに死滅している!?』にてタカイ・ジェームス・ケイイチ博士が人間のデオキシリボ核酸(DNA)の95%は未解明であると説明しており、単行本7巻『1999悪魔の全人類改造計画とは!?』にてキバヤシがソビエトはモスクワのアメリカ大使館にマイクロ波を使って攻撃していたと説明しているのに、単行本9巻『MMR緊急報告 人類は自滅する!!』ではどちらも改めて説明され、皆初めて知る話であるかの様に驚いている。
他の巻は「アンゴルモアの大王」と表記しているが単行本10巻だけ「アングルモアの大王」と表記している。
単行本12巻はResident of Sunが初登場する『MMR 緊急報告 1999第5の選択』(『週刊少年マガジン』1998年41号掲載)よりも、「たしか…前回「2000年問題」を調査したとき我々に接触して来た人物ですよ…」とResident of Sunを思い出すセリフのある『MMR 緊急報告 イースター島の謎を追え!!』(『週刊少年マガジン』1999年25号掲載)の方をカラーページを含む関係からか先のページに入れてしまったため、作品内での時系列と収録の順番が逆転してしまっている。単行本4巻と11巻と『新世紀黙示録MMR Resurrection』も雑誌掲載と単行本収録の順番が異なる。
その他
- 伊集院光は『MMR』を『週刊少年マガジン』史上最高のギャグ漫画と評していた。伊集院はキバヤシについて「キバヤシさんていうのは、昔ね『金田一少年の事件簿』を立ち上げた時の編集部員で、何つったらいいのかな青瓢箪?って感じの人なんです俺がそん時会った時には。(中略)仇名を付けるとするならもやしっ子って感じの人だったんですけど(中略)あと絶対付けて欲しいのは、キバヤシさんの生写真。これを付けて貰う事で、子供達はほっとする事ができます。「あ、漫画は漫画だ」っていうそのほっと感が出ますんで」と実物と漫画の違いを評している。実物と漫画のキバヤシの違いは単行本6巻のおまけ漫画でもネタにされている。
- サイエンスエンターテイナーあすかあきおは、MMR開始前にキバヤシと会いMMRのシンクタンクとしての仕事を打診されていたが名前が出ない事を理由に断っている。単行本1巻の監修は南山宏が担当している。
- 2000年から2002年にかけて小学館の雑誌『別冊コロコロコミック』にて、オカルトを題材とし小学館の社員が謎を調査するという高野聖ーナによる『CCC -コロコロ超常現象調査団-』が連載されていた。
- 2003年10月から講談社の『コミックボンボン』にて、読者の周りの不思議な体験を捜査するというきむら繁による『科学特捜BBR』が連載された。本作のイケダもコミックボンボン編集部員として登場する。同時期の同誌には石垣ゆうき作『マジシャン探偵A』も連載されていた。
- 2004年の週刊少年マガジンにて西本英雄による『西本英雄のマガジン調査隊(仮) もう、しませんから。』が連載される。
- 漫画家の美川べるのは『別冊フレンド』の「BMR(別フレミステリー調査班)」のリーダーとして『週刊少年マガジン』とも合同調査を行った事がある。
- ミリオン出版の『漫画実話ナックルズ』には、同じくオカルトを題材とした『KMR(ナックルズ・ミステリー・調査班)』という漫画がたまに掲載される事がある。初掲載作は『漫画実話ナックルズ』2009年7月号の『2012年 人類が滅亡する日』。
- 2008年3月26日、ゲームポットは『MFO(モンスターファームオンライン)』と『MMR マガジンミステリー調査班』との連携企画として『MMR』の登場人物が攻略法を指南する攻略ページや、漫画のコマに利用者が好きなセリフを当てはめられるサービスを提供した。
- モンスターファーム調査班(MFR)
- MFRジェネレーター
- モンスターファームオンライン 公式ブログ | 明日 ヤツが帰ってくる?
- 2008年9月、『週刊少年サンデー』・『週刊少年マガジン』創刊50周年記念として、『週刊少年サンデー』と『週刊少年マガジン』に連載された漫画がそれぞれ8作品ずつサカモトのコミックスメモの題材とされたが、本作も50年間の『週刊少年マガジン』作品を代表する8作品の内の1作に選ばれ、少年マガジンコミックスメモシリーズとして発売された。表紙は単行本7巻の表紙を引用している。
- 2009年11月30日 コードマスターズの『Operation Flashpoint: Dragon Rising』公式サイトにて、本編をコラージュした宣伝漫画が掲載された。
- 『Operation Flashpoint: Dragon Rising』特設ページ
- 2014年3月20日発売のPlayStation Vita専用ソフト『超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth2 SISTERS GENERATION』の特設サイトにおいてコラボ企画が掲載されておりMMRの面々が同作の世界観を読み解く宣伝画像やMMRと同作の登場人物たちのインタビューという形式のキャラトークが見られる。
- モンスターファーム調査班(MFR)
- MFRジェネレーター
- モンスターファームオンライン 公式ブログ | 明日 ヤツが帰ってくる?
- 『Operation Flashpoint: Dragon Rising』特設ページ
出版情報
石垣ゆうき『MMR マガジンミステリー調査班』講談社〈少年マガジンKC〉、全13巻
石垣ゆうき『新世紀黙示録MMR Resurrection』 2014年4月17日発売 ISBN 978-4-06-395059-5
講談社プラチナコミックス