Odds -オッズ-
漫画:Odds -オッズ-
作者:石渡治,
出版社:小学館,
掲載誌:週刊ヤングサンデー,
レーベル:ヤングサンデーコミックス,
発表期間:2006年 - 2008年9月,
巻数:全10巻,
話数:全106話,
漫画:Odds plus 1
作者:石渡治,
出版社:小学館,
掲載誌:スピリッツ増刊 YSスペシャル,
レーベル:ヤングサンデーコミックス,
発表期間:2008年10月 - 2009年1月,
巻数:全1巻,
話数:全4話,
漫画:Odds GP!
作者:石渡治,
出版社:双葉社,
掲載誌:漫画アクション,
レーベル:アクションコミックス,
発表期間:2009年2月3日 - 2013年12月3日,
巻数:全14巻,
話数:全116話,
漫画:Odds VERSUS!
作者:石渡治,
出版社:双葉社,
掲載誌:漫画アクション,
レーベル:アクションコミックス,
巻数:既刊30巻,
話数:全107話,
以下はWikipediaより引用
要約
『Odds』(オッズ)は、石渡治による日本の漫画。競輪をテーマとした漫画のシリーズである。2006年からシリーズ開始。『Odds -オッズ-』のほか、続編の『Odds plus 1』、『Odds GP!』、『Odds VERSUS!』について説明する。
沿革
2006年から『Odds -オッズ-』のタイトルで『週刊ヤングサンデー』(小学館)に連載されたが、同誌が2008年7月末で休刊となったため、主人公が競輪学校を終えた時点で本編は「競輪学校編完結」(第1部・完)という形になった。その最終話は『スピリッツ増刊 YSスペシャル』VOL.1に掲載され、『YSスペシャル』VOL.2からVOL.5までは読み切りシリーズ『Odds plus 1』(Odds +1、オッズ プラスワン)が連載された。
その後、双葉社の『漫画アクション』へ移籍して再開し、『Odds GP!』(オッズ ジーピー)へ改題した続編を2009年2月3日発売の4号から2013年12月3日発売の24号まで連載、さらに『Odds VERSUS!』(Odds VS!、オッズ バーサス)へ改題して2014年1月7日発売の2号から2023年22号まで連載。2024年3号からスピンオフシリーズが連載開始。
なお、作中で登場する『競輪学校』については、現実の世界では2019年より現在の『日本競輪選手養成所』に改称されており、ここで研修を受ける者も競輪学校時代の『生徒』から『選手候補生』(単に『候補生』と呼ぶこともある)へと改称されている。また、作中では生徒は男子のみ、かつ年2回募集であった時代に描かれており、現在の養成所内の生活とは大きく異なる点も留意されたい。なお本項目では、作品発表時に合わせて、いずれも旧称である『競輪学校』、『生徒』で統一する。
2021年にシリーズが15周年を迎え、単行本が通巻で50冊刊行の記念として、『漫画アクション』2022年1号にて特集を掲載。特集ではお祝いのコメントを宮尾岳、曽田正人、松本規之、竹山祐右、島本和彦が寄稿し、作者の石渡と競輪選手の高木真備の対談や、よしもとよしともがエッセイを発表といった内容となっている。
あらすじ
主人公、辻堂麟太郎はかつて自転車のロードレース競技で高校選手権2位を獲り、将来を期待されていた選手であった。
しかし、高校選手権と時を同じくして、母親と妹が自動車事故により他界。父親は植物状態となり、延命治療には毎月20万円という費用がかかるという。麟太郎はヨーロッパに渡ってロードレースの選手となるという夢を一旦封印し、より手っ取り早く大金を稼げる自転車競技「競輪」の選手となる決断をする。
競輪世界に入った麟太郎は、苦しみながらもロードレース選手としての肉体を捨てて『競輪選手の肉体』に改造することに成功し、競輪学校を卒業、晴れて競輪選手としてのデビューを迎えた。しかし、麟太郎の金銭的負担は当初の目論見よりも更に増えていた。
麟太郎は当初、競輪を単なる金儲けのための手段としか思っていなかったが、競輪学校の仲間や先輩たちと研鑽を重ね競輪の魅力を肌で感じ、本格的に競輪に取り組むことを決意。終生のライバル藤沢悠はロードレース界の、麟太郎は競輪界の頂上「ラルプ・デュエズ」を目指すことを共に誓い合い、麟太郎はバンクを駆け抜けるのだった。
主な登場人物
主人公と友人たち
辻堂麟太郎(つじどう りんたろう)
本作の主人公。通称・リンタ。東京都出身。高校時代はロードレース競技の選手として活躍するが、藤沢悠には勝てなかったため万年2位であった。高校時代最後のレース観戦を断ったために、事故で家族を失ったという自責の念(当然麟太郎には何の責任はない)から、父親の医療費と家族が暮らしたマンションを守るため、自転車で稼ぐことができる競輪選手の道を選ぶ。ホームバンクは最初は立川競輪場、後に京王閣競輪場。
脚質は先行であり、プロローグの時点ではS級2班に所属していた。Odds GP!開始時点ではA級3班所属でOdds GP!4巻時点ではA級2班への昇級、同13巻では3場所連続完全優勝でS級への昇級が決まった。
優れた動体視力を生かしてロードレーサー時代から峠の下りを得意としていた。また「地脚のバケモノ」と評されるほどの驚異的なロードレーサー出身ならではの持久力を生かし、競輪学校ではバンクの斜面を利用してスパートをかける独自の戦術「ラルプ・デュエズ颪」「ガリビエカマシ」を生み出している。(但し、競輪学校では正攻法の走法を身に付けなくてはならず禁じ手になった)
高校時代の愛車はジャイアントのTCR COMPOSITEで、装着されていたコンポはシマノのULTEGRA。このTCRは亡き母親がへそくりでプレゼントしてくれたものだが、高校卒業時点でサイズが合わなくなっていたため、競輪学校入学時に同型・同年式でサイズが大きい中古フレームを調達し、部品を移植した。競輪学校受験時代は師匠の秋谷淳から譲られた中古のナガサワのトラックレーサーを使用していた。プロの競輪選手となって以降もロッソフェラーリに塗られたナガサワのフレームを使い続けていたが、地区プロのチームスプリントに参加するため、競技用ピストにのったことがきっかけで、自分にあったフレームの必要性を感じることになり、マキノ自転車工房製のフレームに乗り換えた。
ことあるごとに周囲から「アホリンタ」「ボンクラ王子」「バカ」と評される様に性格は単純明快、直情径行で後先考えずに行動する熱血漢であり、時としてレースでも大きなポカをやらかす。しかし、人懐っこく仲間思いで友情に篤く、なにより自転車に対する真摯でひたむきな情熱は周囲を惹きつける魅力となっている。
練習時は秋谷淳とともに、杏里の飼い犬の絵が入った「TEAM小太郎」ジャージを使用。競輪学校卒業後は背中に「SKY DOG」の文字が加わった。秋谷が中部地区に移動したのち、Odds VERSUS!開始時点では、寒川、烏帽子岩とともに「TEAM小太郎NEO」ジャージを着用している。
藤沢 悠(ふじさわ はるか)
寒川進矢(さむかわ しんや)
烏帽子岩権造(えぼしいわ ごんぞう)
競輪学校同期生
黒岩 悟(くろいわ さとる)
通称・イワさん。立川競輪場所属のA級3班選手。主な戦法は番手だが、ラインの事情次第では先行を務めることもある。
かつて高校選手権の4000メートルタイムトライアルで優勝した実力者だが、競輪に必要な1000メートル以内のスプリントをやや苦手としていたことと、愛好会の後輩に対する高校選手権優勝者という自負(秋谷曰くちっぽけなプライド)から、競輪学校受験で足踏みしていた。最終的に秋谷淳に弟子入りして4回目で合格(麟太郎より年上ではあるが、弟弟子に当たる)。プロ入り後は秋谷の弟子として「TEAM KOTAROH」ジャージを着用。競輪学校では準トーナメント決勝進出、96期卒業記念レースでは特別選抜レース(在校上位9人)出場を果たすなど、成績は常に上位を維持した。
麟太郎とは同期となったが、麟太郎からは兄貴分として慕われている。黒岩自身は秋谷に弟子入りを直訴した際に麟太郎の口添えによって弟子入りを許可された一件で深い恩義を感じており、麟太郎のために「全国の競輪選手全員の信頼を失う」捨て身の行為に出た。
美里 晶(みさと あきら)
通称・和尚。いわき平所属のA級2班選手。
宮城県出身で実家は寺。ホームバンクはいわき平競輪場。東北大学を中退して競輪学校に入った変わり種。MTB、トライアスロンなどをしていたが、オーストラリア留学中にトラック競技に転向。スピード、スタミナともに超一流の能力を持ち、最初の記録会では最高ランクである「金ヘル」を獲得した。麟太郎の目標の一人。後に麟太郎、シーサーとともに「伝説の96期生」と呼ばれる。まくり戦法を好む。
実家は寺だが競輪学校入学時に初めてスキンヘッドにして現在に至る。なお、競輪学校卒業レース特別選抜戦に出場した際には、実父から「負けたら一生ボーズのまま」と宣言されていたが、辻堂、名護に先着を許した。学生時代まで彼女は三人いたらしいが、麟太郎に和尚キャラをつけられて以降モテなくなってしまったらしい。
心斎橋 健太(しんさいばし けんた)
小牧 裕(こまき ゆう)
名護 猛(なご たけし)
広瀬倫央(ひろせ りお)
先輩の競輪選手たち
秋谷 淳(あきや じゅん)
主人公の師匠。かつて伝説的な戦績を誇った選手、鷹取誠吾の唯一の弟子である。八郎潟恵、六郷誠、大津七海とともに、競輪学校時代に先行四天王と呼ばれた。86期、ホームバンクは京王閣競輪場で、高尾在住。辻堂以前に持った弟子が不運な事故で死亡したことがトラウマとなっている。脚質は追込で、南関東の大ベテラン選手、尻手から伝授された相手を転倒やケガに追い込む「死に神」と呼ばれる反則寸前の危険な技術を多用する。そのために失格や注意も多くS級の実力を持ちながらも麟太郎と初めて会った時はA級1班に所属していた。麟太郎を正式な弟子としてからは危険な走法は封印している。
大の犬好きで、遠征中は犬の本ばかり読んでいる。一見クールであるが実は情熱的な人間で、麟太郎が競輪選手の道を諦めかけた時には無利子で300万円を貸し、麟太郎の叔父の家で土下座までして、麟太郎を競輪の道に引き戻した。通称アキ(八郎潟はアギ、七海はアキジューと呼んでいる)。愛車は辻堂と同じくロッソフェラーリカラーのナガサワ。博識な面があり外国人選手と英語で会話している。
連載開始直後は辻堂と同じ京王閣に所属していたが、Odds GP!13巻で石川県に移動した。
八郎潟 恵(はちろうがた めぐみ)
六郷 誠(ろくごう まこと)
大津 七海(おおつ ななみ)
寒川 恩次(さむかわ おんじ)
七味 辛(ななみ しん)
小鳩 敬一(こばと けいいち)
シャーク三ツ沢(シャークみつざわ)
鈴本 勇一(すずもと ゆういち)
神海 雄二郎(しんかい ゆうじろう)
このほか、先述の小鳩以外にも、五漢 信義(京王閣所属、S級1班。モデルは後閑信一とされる。以下括弧内はモデルといわれる選手)、長津田(長塚智広)、富士見 昭俊(ふじみ あきとし、東北伏見俊昭)、加島(加藤慎平)、豪志(合志正臣)など実在の選手を元にした選手が登場している。
その他
秋谷杏里(あきや あんり)
村田英吉(むらた えいきち)
大津美帆(おおつ みほ)
高額療養費問題
本作の設定では「各種の公的補助や保険を利用しても主人公の父親の医療費は本人負担月額20万円」とされているが、日本では保険内診療の場合、こうした高額な医療費は高額療養費の制度によって本人負担の上限が決められている。いわゆる植物状態である主人公の父親の場合は低所得者となるので、月額35400円が本人負担上限となり、確実に本人の障害基礎年金で支払える金額となる。
『ヤングサンデー』連載時には何故父親の医療費本人負担がここまで高額になるのかの説明はされなかったが、『漫画アクション』移籍後の第1話において、父親は障害者手帳1級を取得していること、保険外のシーツ代や個室代などで療養費がかさむこと(競輪学校卒業後は月に60万円とされる)が説明された。
書誌情報
- 石渡治『Odds -オッズ-』小学館〈ヤングサンデーコミックス〉、全10巻
- 2006年7月5日発売、ISBN 4-09-151099-X
- 2006年10月5日発売、ISBN 4-09-151126-0
- 2006年12月28日発売、ISBN 4-09-151150-3
- 2007年4月5日発売、ISBN 978-4-09-151193-5
- 2007年8月3日発売、ISBN 978-4-09-151223-9
- 2007年11月5日発売、ISBN 978-4-09-151243-7
- 2008年2月5日発売、ISBN 978-4-09-151279-6
- 2008年5月2日発売、ISBN 978-4-09-151329-8
- 2008年9月5日発売、ISBN 978-4-09-151380-9
- 2008年11月28日発売、ISBN 978-4-09-151397-7
- 石渡治『Odds -オッズ- +1』小学館〈ヤングサンデーコミックス〉、2009年3月30日発売、ISBN 978-4-09-151424-0
- 石渡治『Odds GP!』双葉社〈アクションコミックス〉、全14巻
- 2009年6月27日発売、ISBN 978-4-575-83638-7
- 2009年11月28日発売、ISBN 978-4-575-83697-4
- 2010年4月28日発売、ISBN 978-4-575-83759-9
- 2010年8月28日発売、ISBN 978-4-575-83805-3
- 2010年12月27日発売、ISBN 978-4-575-83852-7
- 2010年4月28日発売、ISBN 978-4-575-83900-5
- 2011年9月28日発売、ISBN 978-4-575-83967-8
- 2012年1月28日発売、ISBN 978-4-575-84024-7
- 2012年6月28日発売、ISBN 978-4-575-84090-2
- 2012年11月28日発売、ISBN 978-4-575-84162-6
- 2013年2月27日発売、ISBN 978-4-575-84201-2
- 2013年5月28日発売、ISBN 978-4-575-84237-1
- 2013年10月28日発売、ISBN 978-4-575-84304-0
- 2014年6月27日発売、ISBN 978-4-575-84437-5
- 石渡治『Odds VS!』双葉社〈アクションコミックス〉、既刊30巻(2023年7月27日現在)
- 2014年6月27日発売、ISBN 978-4-575-84438-2
- 2014年10月28日発売、ISBN 978-4-575-84513-6
- 2015年2月27日発売、ISBN 978-4-575-84579-2
- 2015年6月27日発売、ISBN 978-4-575-84637-9
- 2015年9月26日発売、ISBN 978-4-575-84686-7
- 2015年12月28日発売、ISBN 978-4-575-84735-2
- 2016年4月28日発売、ISBN 978-4-575-84790-1
- 2016年7月28日発売、ISBN 978-4-575-84832-8
- 2016年10月28日発売、ISBN 978-4-575-84873-1
- 2017年2月28日発売、ISBN 978-4-575-84936-3
- 2017年5月27日発売、ISBN 978-4-575-84983-7
- 2017年9月28日発売、ISBN 978-4-575-85037-6
- 2018年1月27日発売、ISBN 978-4-575-85099-4
- 2018年4月28日発売、ISBN 978-4-575-85143-4
- 2018年7月27日発売、ISBN 978-4-575-85189-2
- 2018年11月28日発売、ISBN 978-4-575-85236-3
- 2019年3月28日発売、ISBN 978-4-575-85288-2
- 2019年6月27日発売、ISBN 978-4-575-85326-1
- 2019年10月28日発売、ISBN 978-4-575-85368-1
- 2020年2月28日発売、ISBN 978-4-575-85416-9
- 2020年7月28日発売、ISBN 978-4-575-85472-5
- 2020年11月26日発売、ISBN 978-4-575-85518-0
- 2021年4月27日発売、ISBN 978-4-575-85573-9
- 2021年7月28日発売、ISBN 978-4-575-85614-9
- 2021年12月27日発売、ISBN 978-4-575-85675-0
- 2022年4月27日発売、ISBN 978-4-575-85712-2
- 2022年8月25日発売、ISBN 978-4-575-85750-4
- 2022年12月27日発売、ISBN 978-4-575-85797-9
- 2023年3月28日発売、ISBN 978-4-575-85828-0
- 2023年7月27日発売、ISBN 978-4-575-85864-8