漫画 アニメ 小説

RDG レッドデータガール


小説

著者:荻原規子,

出版社:角川書店,

レーベル:角川文庫,角川スニーカー文庫,

巻数:全7巻,

漫画

原作・原案など:荻原規子,岸田メル,

作画:琴音らんまる,

出版社:角川書店,

掲載誌:月刊少年エース,

発表期間:2012年10月26日 - 2014年7月26日,

巻数:全5巻,

アニメ

原作:荻原規子,

監督:篠原俊哉,

シリーズ構成:横手美智子,

キャラクターデザイン:芝美奈子,

音楽:myu,伊藤真澄,

アニメーション制作:P.A.WORKS,

製作:「RDG」製作委員会,

放送局:放送局,

話数:全12話,



以下はWikipediaより引用

要約

『RDG レッドデータガール』(アールディージー レッドデータガール)は、荻原規子による日本のライトノベル。カドカワ銀のさじシリーズ(角川書店→KADOKAWA)より2008年7月から2017年12月まで刊行された。挿画は単行本・文庫版共に酒井駒子が担当している。2019年1月時点で累計部数は128万部を突破している。

『月刊少年エース』(角川書店)にて琴音らんまるによるコミカライズが2012年12月号から2014年9月号まで連載された。

2013年4月から6月にかけてテレビアニメが放送された。キャラクター原案と角川スニーカー文庫版の挿画は岸田メルが担当。アニメーション制作はP.A.WORKS。

あらすじ

このあらすじは、原作の小説(全6巻)に基づいて作成している。

RDG はじめてのお使い

鈴原泉水子は、世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山の頂上近くにある「玉倉神社」の宮司である母方の祖父・竹臣と暮らしている。両親は仕事の関係で泉水子と一緒に暮らすことはできないが、神社の関係者に保護されるように大事に育てられいる。運動はまったくダメであるが、しばしば玉倉山の頂上で自ら運動着と称する巫女装束で神楽舞を舞う。公共交通機関がないため、登下校は自家用車通学であり、極端な引っ込み思案のため、田舎の中学校でも変わり者として見られている。粟谷中学で3年生の新学期を迎え、泉水子は地元の高校へ進学し、普通の女の子になることが当面の課題となっている。

祖父の竹臣に進路について相談すると、父親の大成はすでに東京の高校に決めていると告げられ、泉水子はありえないと反発する。気分転換で前髪を少し切った泉水子は、学校のパソコンをすべて破壊する事件を引き起こす。この事件を機に雪政は息子の深行を強引に粟谷中学に転校させる。深行は泉水子にはきつく当たるが、クラスにはすぐになじみ、泉水子の数少ない女子の友人も深行に魅了されていく。疎外感を抱えた泉水子は、一度も話したことのない和宮さとるに話しかけられ、自分が和宮と本音で話ができることに驚く。

修学旅行でトラブルに遭い、泉水子と深行は雪政に助けられて紫子の家にたどり着く。雪政は深行に「山伏が厳しい山中修行で身に着けた験力を生まれながらに持っている稀有な人間であり、山伏は『姫神』と呼んでいる。泉水子はまだ目覚めてはいないのだ」と説明する。そのとき、二階から降りてきた着物姿の泉水子は長い髪を解き放ち、艶然と微笑む。深行は思わず「紫子さん」とつぶやく。雪政は古式の礼をとってひざまずく。泉水子に降りてきた(憑依した)「姫神」は、「この子がわたしの最後の器になる。山伏たちの労苦がむくわれるか否かはあと15年で決まる。拮抗するものは海外にある」と予言する。

和宮は泉水子が東京に行ったこと変ってしまったと指摘し、深行を排除すると告げる。玉倉山に戻る途中、車は事故に遭う。和宮は泉水子の願いを込めた舞から生まれた力のある「神霊」であった。深行は神霊とは対決できないと言うが、泉水子が「あなたがわたしの願いでつくられたというのなら、わたしの考えに従いなさい」と和宮であるものに命令すると、彼は去っていく。野々村は和宮が姫神のお使いであり、泉水子がそれを自覚することにより抑えることができたと話す。和宮の願いにより泉水子は運動着に着替え、玉倉山の頂上でいつもの舞を舞うと、和宮は泉水子は深行の前で舞ったと言い、陽炎のように消えていく。

RDG2 はじめてのお化粧

泉水子は、先に中等部に転入した深行のパートナー枠ということで鳳城学園に無試験で入学することになった。学園は高尾山の北側にあり、中等部と高等部をもつ新しい私立学校であり、外国人留学生も広く受け入れている。学生寮における泉水子のルームメイトである宗田真響は、中等部では学年2位の才女であり、学年1位をめぐって高柳と対立している。学園でメガネを外した泉水子は、高柳の意思で動く式神が見えるようになり、高柳と真響の対立に巻き込まれる。高柳の仕掛けた呪いのウェブサイトにアクセスし、深行と真響は負傷すると、真夏は真響とともに「神霊」の真澄を呼び出し、高柳の式神を一蹴する。

この事件により、雪政は非常勤講師として学園にやってくる。高尾山の山頂で泉水子は雪政から学園には異能な人たちが集められていること、彼らは未来のために真に保護すべき人材を探す試みであり、いってみれば人的世界遺産の認定の準備段階にある、神霊と接することのできる人間は今では絶滅危惧種になっていることがその背景にあると説明する。雪政は人間が大地との対話がまったくもてなくなると人類は滅亡するとも語る。生徒会役員選挙は仄香の信任投票となる。深行と真響は生徒会の仕事を精力的にこなし、そこには泉水子の居場所がなく疎外感を感じる。

泉水子は仄香に日舞の稽古に誘われ、師匠の穂高からお神楽を舞ってみなさいと言われるが、どうしても人前では舞えない。そこに深行が駆けつけ、「何してんだ」と声をかける。穂高は不愉快そうに自分は判定者のひとりだと語る。そのとき、泉水子の三つ編みがほどけ、「姫神」が現れる。「姫神」は穂高に「判定者とはそなたではない。選ぶのは泉水子だ」と語る。さらに、深行に手をとらせ、「わたしを生じさせないで。泉水子を姫神にさせてはならない」とささやく。深行が「姫神」の残した言葉に思いを巡らしているとき、カラスに扮した和宮が現れ、泉水子のため深行と手を組むと告げる。

RDG3 夏休みの過ごし方

生徒会と実行委員による合同会議で鳳城学園祭のテーマは「戦国学園祭」となる。真響の提案で、生徒会の夏合宿を涼しい戸隠ですることになる。地元の戸隠で、真響は深行の能力を試そうとするが、深行は護身の真言を唱えたものの、攻撃に対しては無力であった。泉水子が深行くんは巻き込まれただけなのと口にし、攻撃を止めさせる。真夏は小さなころから親しんでいた馬のタビが死んだことから、姿を消し、「おれはやっぱり、真澄と同じものになったほうが、真響のそばにいてやれるかもしれない」というメールが届く。泉水子は真夏を取り戻すため「姫神」の力を使おうと、三つ編みをほどく。

泉水子は自分が別の層に入ったことを認識する。真澄が絶壁に案内し、真夏は岩戸の奥にいると言う。泉水子は天の岩戸伝説から神楽舞を思い出し、謡いながら舞い始めると、岩が薄くなっていく。「岩戸を開けちゃだめだ」という真夏の声で泉水子は舞を止めると、真澄は真夏に変っている。そこに真響と深行が近づいてくる。真夏はあの向こうにいるのが真澄の本体の九頭竜であり、全部が出てきたら簡単に吸収されてしまうと言う。岩の割れ目から白い頭が滑り出してくると、「姫神」と思しき紫子が現れ、九頭竜を鎮め、岩の亀裂をふさいでいく。「姫神」は層を浮上し、4人は現実世界に戻る。

RDG4 世界遺産の少女

学園側との交渉で学園祭の路線は「北条氏照」に変更され、執行部メンバーは八王子城址中の丸遺跡を現地調査する。雪政は「姫神」と泉水子は同じものであると話す。しかし、泉水子は、深行が自分を「姫神」の器としか見なさなくなるという予感が怖い。戦国時代の衣装の着付け講習会で泉水子はお姫様モデルを引き受けることになる。泉水子は男性の着付け講師に扮した穂高から、深行が身の程知らずであり、ずいぶん不相応な相手と組まされたと言われ、なぜか怒りを感じる。泉水子は自分を抑えるため深行から教わった護身の早九字を切る。盛装の泉水子を見て着付け師は百点満点の出来栄えだとほめる。

泉水子たちがホールに出ると、深行の表情が(「姫神」の出現に怯え)凍りつく。しかし、着付け講習会はなにごともなく終了する。ところが、深行が話しかけると唐突に「姫神」が憑依する。八王子城址で「姫神」は、「自分は死んだ人間であり、人類を根絶やしにした。体を失う瞬間に過去に旅することができるようになり、自分の家系を遡り、自分のいる未来へたどり着かない方策を探し、助けになる人を探してきた。しかし、私は抹殺されて世界遺産となり、他の者が人類滅亡の引き金を引いた。そこで私はもう一度、やりなおすことにした。ここにいるのは三度目に世代を下ってきたわたしだ」と話す。

「姫神」は深行が和宮と一つになっていることを指摘し、言わなくても従うものなのだと話す。深行は「姫神」に吸い込まれそうになり、九字を解脱する呪文を唱え、泉水子の体を抱きしめ、泉水子、戻ってこいと呼ぶ。泉水子は自分を取り戻し、目の前には深行がいる。「姫神」の記憶が戻り、泉水子は、真響に「姫神」のことを打ち明ける。泉水子は「姫神」が深行を選んだこと、深行も「姫神」が好きかもしれないと考えると心がひどく乱される。真響は深行に泉水子についてたずねる。深行は八王子城跡で聞いた「姫神」の話をし、泉水子を世界遺産にしてはいけない、自分も「姫神」を隠すための味方が欲しいと話す。

RDG5 学園の一番長い日

生徒会執行部と実行委員は全校生徒の生徒の人数分の戦国衣装や小道具類の配布に追われる。執行部メンバーは黒装束に紗のたれ布付きの頭巾をかぶり地下足袋姿で、一見すると忍者のようだ。実行委員長の早川の策略で真響は防衛軍チームの姫将軍とされる。学園祭2日目の朝、深行は紫子が送ってきた赤い携帯電話を泉水子に手渡し、使えると思うことが大事だと話す。空にはいつの間にか気球が浮かんでおり、泉水子はなんだか頭が重くなる感じがする。泉水子が深行に電話で馬場の異常を伝えているとき、高柳と数人の男子生徒に囲まれ、「来ちゃだめ、でないとみんなつかまっちゃう」と叫んで電話を切る。

陰陽師の結界の中で泉水子は、クラウスやアンジェリカにやさしく話しかけられ緊張がほぐれ、高柳に対する敵意は消失する。しかし、高柳が不用意に口にした「相楽」の名前に泉水子は強く反応し、深行と九字を思い浮かべると、たちどころに力が生じる。泉水子は自分の意思が不当に曲げられたことを知り、怒りのあまり、式神を消し去り、気球も消し去る。唐突に巨大な衝撃音が走り抜け、学園内の電子機器はすべて使用不能になる。深行と真夏は被甲護身を唱え、結界の中に入ると、数人の生徒と高柳の声で話す白い犬が1匹いる。恐怖をきたしたアンジェリカは「泉水子は別のフェイズに行ってしまった」と話す。

深行は和宮カラスを呼び出し、高柳犬を連れて別の層に入る。泉水子は見知らむ世界に一人でおり、「姫神」が憑依したのではなく、自分が「姫神」の力を使ったことを自覚する。泉水子はその世界で真澄と出会い、なんとなく真澄と一緒に彼の世界で暮らしたいと思う。深行は亡霊の群れの中を繰り返し突っ切り、激しく疲労する。深行は携帯電話を取り出し発信する。泉水子の赤い携帯電話に呼び出し音が聞こえ、深行は「来いって言えよ、行くから」と伝える。泉水子が「それなら来て、今すぐに」と叫ぶと、電話からカラスが飛び出す。和宮カラスは、鈴原さんは戸隠のものにならないと宣言し、真澄は姿を消す。

そのあとカラスの姿が消え、深行の姿が現れる。泉水子は自分が「姫神」であることが分かったと話す。深行から「おれが必要だって、言えよ。言われなきゃ、わかんないんだよ」と言われ、「その返事はものすごく大事なことだから今はとっておくね。でも、深行くんが来てくれたことは一生忘れない」と答える。泉水子が白い犬を元に戻す方法が分からないと言うと、和宮は無意識になれるよう舞を舞うことを提案する。生徒たちは、広場の奥で半透明の少女がお姫様の衣装で舞を舞っているのを見る。雪政がヘリコプターでやってきて、泉水子は現実世界に戻ったことを知る。紫子がヘリから降りてきて、泉水子をねぎらう。

RDG6 星降る夜に願うこと

学園祭をなんとかやり遂げ、学園は気抜け状態となる。授業が再開される日、深行は現れず、病院に行ったらしいと聞いて泉水子は動揺する。赤い携帯でも呼び出すことはできないのでメールを出す。泉水子は深行がいないと何も手が付かない自分に気付く。深行は午後には学校に出て、検査が長引いたと説明する。学園祭後の最初の執行部会で仄香は、生徒会長は初代からずっと穂高であったこと、穂高がこの学園に集まった生徒の中でだれが一番の異能者かを「選ぶ人」であることを話す。学園祭のアクシデントを経験した執行部メンバーはそれがだれであるか分かっているようだ。

しかし、会議の後、泉水子は真響に自分が世界遺産になってはいけないと語り、深行は「姫神」の語った人類滅亡の未来を説明し、泉水子の未来を変えないと人類全体の未来はないと語る。高柳は、穂高の出席する執行部会で、異議申し立てをする。穂高は泉水子の意向を確認し、それならば、その意志にもとづいて学園を支配しなければならないと語り、再判定を認める。深行は「『姫神』が寄り憑く状態は異常であり、泉水子は自分で高柳をねじ伏せなければならない。泉水子が『姫神』にならず自分の意思で生きていくための方法を一緒に探してやる」と話す。この言葉で泉水子の内側に幸福感が広がる。

二人の術くらべは、あっけなく勝負がつき、穂高は理事長に報告すると発言する。しかし、泉水子は「私の友だちなら、私のことを報告せず、候補は高柳くんにして」と提案する。泉水子は鳳城学園の3年間、みんなの協力がほしいとお願いし、穂高は笑いながら同意する。深行は高柳のメンツも守れる賢明な提案だったと語る。保護者を交えた生徒会のクリスマスパーティでの事件により、アンジェリカは、父が生徒会を含めたチームを世界遺産候補に推薦できるかもしれないと報告し、鈴原さんの守りはぜんぶが貴重だと続ける。中山瑞穂が海外勢力と手を組んで泉水子と深行を拉致しようとしたが、紫子と雪政が阻止する。

泉水子は保温ポットにココアを入れ、防寒対策をして星見のため玉倉山の山頂に登る。これは泉水子の行のようなものだ。多くの星々をちりばめられた星空に包み込まれていると、神社の方から深行が登ってくる。深行は雪政のヘリに乗ってきたが、ふもとで降ろされ、ここまで5時間をかけて登ってきたと言う。泉水子は疲れている深行にココアをごちそうする。深行は留学を中止し、進学して泉水子と一緒に泉水子の研究をすることを提案する。泉水子は自分の将来に光が見えるようになる。深行はもう少しこのすごい星空を見ていこう、まだここまで会いに来たわけを教えていないと語り、背をかがめて泉水子に顔を近づけていく。

登場人物
主要人物とその関係者

鈴原 泉水子(すずはら いずみこ)

声 - 早見沙織
本作の主人公。「姫神」が憑依する家系に生まれる。両親の仕事の都合で、中学卒業まで熊野の玉倉神社の宮司である祖父と暮らしている。玉倉神社は人里離れたところにあり、中学卒業までは自家用車で送迎してもらうため、家と学校を往復する生活を送っている。人見知りが強く、中学時代に普通に会話できる女子は2人しかいない。
高校1年の学園祭で泉水子は「姫神」が憑依する体質ではなく、「姫神」そのものであることが判明する。鈴原家の人々や山伏のグループはそれを知っており、泉水子を大切に保護している。母親の紫子は泉水子が異質なものが見えたり、不用意に覚醒しないように特別のメガネをかけさせ、長い髪を三つ編みにして封印している。それでも、電子機器との相性は悪く、コンピュータは原因不明のフリーズを起こし、携帯電話は数カ月で壊れてしまう。
地元の粟谷中学校から東京西部の鳳城学園高等部に進学し、寮生活を送る。クラスは1年C組、生徒会執行部に所属する。寮で同室の宗田真響と友人になり、それにより高柳一条と対立するようになる。相楽深行を自分の運命に巻き込むことを恐れ、深行に迷惑をかけたくない、普通に接してもらいたいと切望する。
姫神(ひめかみ)

声 - 田中理恵
山伏が厳しい山中修行で身に着けた験力を生まれながらにもっている稀有な人間。人類を滅亡させたことや滅亡の引き金となったこともある。すでに死亡しており、神霊に近い霊的な存在となっている。過去に旅する能力をもち、人類滅亡の流れを変えようと泉水子の家系をたどっており、現在は紫子を憑坐(よりまし)としている。泉水子のパートナーとして相楽深行を選び、必要時には深行の前で泉水子に憑依し、自分について、あるいは未来を予言する言葉を残す。
相楽 深行(さがら みゆき)

声 - 内山昂輝
鳳城学園高等部1年生。クラスはA組で、生徒会執行部に所属する。山伏の家系であり、泉水子と同年に生まれたため、父親の雪政から泉水子の下僕になるよう決めつけられ、激しく反発し、親子関係はひどく悪い。鳳城学園そのものが「姫神」が経験していない、未来に対する新しい揺らぎ因子であり、深行はその最重要な要素となっている。
泉水子が小学校に上がるか上がらないかの頃に、3カ月ほど玉倉神社で暮らし、13歳で羽黒山で峰入り修行をする。中高一貫の進学校から東大に進み、山伏とは別の道を歩もうとしていた。中学3年生の時、泉水子が起こした事件を機に、転校させられ、泉水子の近くに置かれるようになる。大人には優等生らしい行儀正しい態度で接するが、転校の原因となった泉水子にはつらくあたる。しかし、「姫神」と出会い、泉水子の覚醒を目の当たりにして、泉水子を世間から隠す方向を真剣に考えるようになる。
相楽 雪政(さがら ゆきまさ)

声 - 福山潤
深行の父親。33歳であるが20歳そこそこに間違われるほど見た目が若く、誰もが見とれる美男子。山伏グループの中ではもっとも紫子に近く、グループ全体の内部統制の要となっている。「姫神」の憑坐となっている紫子の指示なら、いつでも死ぬ覚悟ができている。紫子の指示により、泉水子に先入観を与えないように注意しながら、必要時には直接介入して泉水子を大切に守っている。
息子の深行の意思を無視して、山伏に引き込み、泉水子の側に置こうと画策をするため、親子関係は非常に悪い。深行の母親の香織とは深行が4歳のときに離婚している。
鈴原 大成(すずはら だいせい)

声 - 井上和彦
泉水子の父親で天才的なコンピュータプログラマー。大手企業に引き抜かれ、カリフォルニアの会社に勤めている。泉水子に鳳城学園に進学するよう勧める。和服を好み日常的に着ているため、しばしば落語家に間違われることがある。
鈴原 紫子(すずはら ゆかりこ)

声 - 朴璐美
泉水子の母親で警視庁公安部に勤務している。東京に自宅はあるものの、仕事のため住所不定の状態で飛び回っている。「姫神」の憑坐となっており、泉水子に憑依する「姫神」の容姿や性格に一定の影響を与えている。
泉水子を先入観をもたない状態で、かつ自分の意思で未来を決めることのできる年齢になるまで覚醒させないように封印を施す。覚醒が近づく泉水子が引き起こすイベントの後始末をするなど、陰から泉水子を支える。
鈴原 竹臣(すずはら たけおみ)

声 - 伊井篤史
玉倉神社の宮司。泉水子の母方の祖父。
野々村 慎吾(ののむら しんご)

声 - 乃村健次
玉倉神社の神官のひとりで体格が良く、口数は少ない。泉水子の小・中学校時は自家用車で送迎している。古武道に通じており、深行に古武道を教える。
末森 佐和(すえもり さわ)

声 - 津川祝子
玉倉神社に勤める唯一の女性。ハウスキーパーの仕事を一手に引き受け、修行者が宿泊した時の賄いを担当する料理好きである。
中山 瑞穂(なかやま みずほ)

近畿の大学病院に勤める、大脳生理学を専門とする研究者。紫子とは学生時代の友人で、泉水子を定期的に検査している。山伏グループでありながら海外勢力と手を組み、泉水子と深行を国外に拉致しようとして失敗する。

粟谷中学校

泉水子が通っていた中学校。一学年一クラスの小さな学校。

和宮 さとる(わみや さとる)

声 - 釘宮理恵
印象の薄い小柄な男子。泉水子が前髪を少し切ったことで、その存在が認知される。実体は、泉水子が玉倉山の頂上で日課のように舞を舞ったことにより、山の霊気が少しずつ集まって誕生した力のある神霊である。修学旅行で泉水子が東京に行き、すっかり変わってしまったことから相楽深行を排除しようとするが、泉水子の意志により阻まれる。泉水子は鳳城学園に進学する前に和宮の願いで舞を舞うが、そこには深行が同席しており、深行の前で舞ったと言い残し消えていく。しかし、和宮は「姫神」の使い神であるため、カラスの姿で深行の前に現れ、泉水子のため深行と手を組み一体化する。
渡辺 あゆみ(わたなべ あゆみ)

声 - 宮本佳那子
泉水子の親友。背の高い颯爽とした女の子。
三田 春菜(みた はるな)

声 - 諏訪彩花
泉水子の親友。色白の女の子。泉水子に「はるっち」と呼ばれる。
三崎 洋平(みさき ようへい)

声 - 河本啓佑
声が大きく、遠慮がなく、がさつでうるさい男子。泉水子の三つ編みを「しめなわ」とからかう。
小川 智也(おがわ ともや) / 瀬谷 和人(せや かずと)

声 - 金本涼輔 / 速水秀之
三崎と行動を共にする男子。
越川 美沙(こしかわ みさ)

声 - 壹岐紹未
粟谷中学生徒会長。おどおどとした泉水子に見下した態度で接する。
中村 可南子(なかむら かなこ)

声 - 岡田栄美
粟谷中学校の教師。泉水子の担任。雪政に好意を持っている。

鳳城学園

東京都西部、高尾山の北側、八王子城の側に位置する創立3年目の若い学校。外国人留学生も広く受け入れている。中等部と高等部があり、生徒数は各学年100名程度。高等部の生徒の約8割が寮で生活している。一般の生徒も在籍しているが特殊な力を持つものが集められる傾向がある。

宗田 真響(そうだ まゆら)

声 - 米澤円
高等部1年A組。生徒会執行部と日本史研究会に所属している。長野・戸隠出身で忍者の家系。泉水子のルームメイトであり明るい性格から男女ともに人気がある。中等部時代の学業成績は学年2位である。世界遺産候補につながる学園1位の座を高柳一条と争っている。真響、真夏、真澄の三つ子であったが真澄は小さな頃に心不全で亡くなっている。真夏と一緒に念ずることにより、神霊の真澄を呼び出すことができる。
宗田 真夏(そうだ まなつ)

声 - 石川界人
高等部1年C組で真響の弟。生徒会執行部と馬術部に所属している。高等部から鳳城学園へ入学したが、勉強嫌いであり、人より馬に関心を持つ。深行とは相性がよく、懐いている。
宗田 真澄(そうだ ますみ)

声 - 木村良平
真響の三つ子の弟で6歳のとき心不全で亡くなっている。真響と真夏によって呼び出されると現れる。顔は真夏にそっくりだが、見た目を自由に変えられる。その正体は幽霊ではなく戸隠の神霊で、幼い三つ子の願いによって作りだされたものである。
如月・ジーン・仄香(きさらぎ・ジーン・ほのか)

声 - ブリドカットセーラ恵美
高等部2年生で現生徒会長。容姿端麗なハーフで、いつも男子の制服を着ている。穂高から日本舞踊を習っている。
秋乃川 玲奈(あきのかわ れな)

声 - 中上育実
高等部2年生。生徒会執行部所属で周囲の纏め役。仄香の親友。
村上 穂高(むらかみ ほだか)

声 - 石田彰
初代生徒会長。梨園の仕事が忙しく、出席日数が足りずに留年し、影の生徒会長となっている。世界遺産候補となる学園1位を中立の立場から決める「判定者」の一人である。穏当な性格であるが、深行を身の程知らずで泉水子に釣り合わない者と考えている。
神崎 美琴(かんざき みこと)

声 - 小堀友里絵
高等部3年生で前生徒会長。
早川 佳樹(はやかわ よしき)

声 - 宮野真守
高等部2年生。野球部に所属しており、学園祭実行委員長となる。戸隠の出身であることを秘密にしている。
高柳 一条(たかやなぎ いちじょう)

声 - 野島裕史
高等部1年A組。陰陽師の一族の御曹司であり式神を操る。中等部時代の学業成績は3年間ずっと学年1位だった。鳳城学園は高柳の実力を確認するために設立されたともうわさされており、学園1位を宗田真響と争っている。覚醒した泉水子に術くらべを挑み、あっさり退けらる。

評価

現代日本児童文学を専攻する井上乃武は、泉水子が命の危機を乗り越えて成長していく過程とともに泉水子の周囲の人間関係が緻密に描かれている点を本作の特徴の一つとして挙げている。

既刊一覧
小説(本編)
カドカワ銀のさじシリーズ
  • 荻原規子(著) / 酒井駒子(イラスト) 『RDG レッドデータガール』 角川書店〈カドカワ銀のさじシリーズ〉、全6巻
  • 「はじめてのお使い」2008年7月4日初版発行(7月3日発売)、ISBN 978-4-04-873849-1
  • 「はじめてのお化粧」2009年5月28日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-873952-8
  • 「夏休みの過ごしかた」2010年5月28日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-874052-4
  • 「世界遺産の少女」2011年5月27日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-874204-7
  • 「学園の一番長い日」2011年10月28日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-110039-4
  • 「星降る夜に願うこと」2012年11月29日初版発行(11月27日発売)、ISBN 978-4-04-110348-7
角川文庫
  • 荻原規子(著) / 酒井駒子(イラスト) 『RDG レッドデータガール』 角川書店→KADOKAWA〈角川文庫〉、全6巻
  • 「はじめてのお使い」2011年6月23日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-394440-8
  • 「はじめてのお化粧」2011年12月22日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100054-0
  • 「夏休みの過ごしかた」2012年7月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100370-1
  • 「世界遺産の少女」2012年12月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100626-9
  • 「学園の一番長い日」2013年3月23日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100752-5
  • 「星降る夜に願うこと」2014年2月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-101235-2
角川スニーカー文庫
  • 荻原規子(著) / 岸田メル(イラスト) 『RDG レッドデータガール』 角川書店→KADOKAWA〈角川スニーカー文庫〉、全6巻
  • 「はじめてのお使い」2013年2月1日初版発行(1月31日発売)、ISBN 978-4-04-100674-0
  • 「はじめてのお化粧」2013年4月1日初版発行(3月30日発売)、ISBN 978-4-04-100763-1
  • 「夏休みの過ごしかた」2013年6月1日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100863-8
  • 「世界遺産の少女」2013年9月1日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-100990-1
  • 「学園の一番長い日」2014年1月1日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-101118-8
  • 「星降る夜に願うこと」2014年3月1日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-101247-5
小説(スピンオフ)
  • 荻原規子(著) / 酒井駒子(イラスト) 『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』 KADOKAWA、2017年12月21日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-106070-4
  • 「角川文庫版」2019年1月25日初版発行(1月24日発売)、ISBN 978-4-04-106069-8
  • 「角川文庫版」2019年1月25日初版発行(1月24日発売)、ISBN 978-4-04-106069-8
漫画版

『月刊少年エース』(角川書店)2012年12月号より2014年9月号まで連載された。コミックスには、巻末または、カバー裏に、琴音らんまるによるコミックス描きおろしの4コマ漫画が収録されている。コミックス第4巻には原作者荻原規子による描きおろし小説『相良くんは忙しい』が収録された。

  • 荻原規子(原作) / 岸田メル(キャラクター原案) / 琴音らんまる(作画) 『RDG レッドデータガール』 角川書店→KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、全5巻
テレビアニメ

2013年4月から6月にかけて、TOKYO MXほかにて放送された。テレビ放送に先駆け、3月よりニコニコ生放送にて先行配信された。角川文庫創刊65周年記念作品。原作全6巻のうち第5巻までに相当する。

イギリスにあるレディングという町のツイッターのハッシュタグが、この作品の略称である「RDG」であったため、現地時間の午後5時から6時までの間に、この作品のツイートが17000以上流れ込み、住民を困惑させる(ハイジャックされる)事態になった。レディング側はハッシュタグの変更を検討したが、4月5日にP.A.WORKS側がハッシュタグを「RDG_anime」に変更した。

スタッフ
  • 原作 - 荻原規子「RDG レッドデータガール」シリーズ(角川書店 / カドカワ銀のさじシリーズ・角川文庫刊)
  • 監督 - 篠原俊哉
  • シリーズ構成・脚本 - 横手美智子
  • キャラクター原案 - 岸田メル
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 芝美奈子
  • 美術監督 - 東潤一
  • 色彩設計 - 中野尚美
  • 撮影監督 - 梶原幸代
  • 編集 - 野川仁
  • 3D監督 - 山崎嘉雅
  • 特殊効果 - 加藤千恵
  • 音響監督 - 若林和弘
  • 音響効果 - 森川永子
  • 音楽 - myu、伊藤真澄
  • 音楽制作 - ランティス
  • エグゼクティブプロデューサー - 安田猛
  • プロデューサー - 松木あい、堀川憲司
  • ラインプロデューサー - 相馬紹二
  • アニメーション制作 - P.A.WORKS
  • 製作 - 「RDG」製作委員会
主題歌

オープニングテーマ「スモルワールドロップ」
作詞・歌 - Annabel / 作曲・編曲 - myu
エンディングテーマ

「予感」
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲・歌 - 伊藤真澄
「予感(泉水子バージョン)」(第3話、第8話)
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲- 伊藤真澄 / 歌 - 鈴原泉水子(早見沙織)

挿入歌「泉水子の舞」(第3話、第8話)
作詞・作曲 - 神木遥 / 歌 - 鈴原泉水子(早見沙織)

各話リスト

話数 サブタイトル コンテ 演出 作画監督
第1章 はじめての転校生 篠原俊哉 大西景介
太田知章
伊藤依織子、芝美奈子
第2章 はじめての手のひら 安斎剛文 皆川一徳
第3章 はじめてのお使い 市村徹夫 川口千里
第4章 はじめてのルームメイト 許琮 中村深雪、竹下美紀
伊藤依織子
第5章 はじめてのお化粧 古川知宏 大東百合恵、長谷川亨雄
宮下雄次、大導寺美穂
川口千里
第6章 はじめてのお泊まり 畑博之 安藤健 岡本達明
第7章 はじめての迷子 室井ふみえ 大導寺美穂
第8章 はじめてのお願い 市村徹夫 川口千里、関口可奈味
芝美奈子
第9章 はじめてのお披露目 渕上真 政木伸一 鈴木奈都子
第10章 はじめての学園祭 安斎剛文 西畑あゆみ、長谷川亨雄
第11章 はじめての拒絶 室井ふみえ 平向智子 もんちあきら、野田康行
明珍宇作
第12章 世界遺産の少女 篠原俊哉 芝美奈子、中村深雪

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
日本全域 ニコニコ生放送 2013年3月16日 - 6月1日 土曜 23:30 - 24:00 ネット配信 先行配信
タイムシフト非対応
東京都 TOKYO MX 2013年4月3日 - 6月19日 水曜 25:00 - 25:30 独立局
富山県 北日本放送 水曜 25:58 - 26:28 日本テレビ系列 P.A.WORKS所在地
兵庫県 サンテレビ 水曜 26:00 - 26:30 独立局
福岡県 TVQ九州放送 水曜 26:40 - 27:10 テレビ東京系列
岐阜県 岐阜放送 2013年4月4日 - 6月20日 木曜 25:45 - 26:15 独立局
三重県 三重テレビ 木曜 26:20 - 26:50
千葉県 チバテレビ 2013年4月5日 - 6月21日 金曜 25:30 - 26:00
日本全域 BS11 金曜 27:00 - 27:30 BS放送 ANIME+』枠
埼玉県 テレ玉 2013年4月7日 - 6月23日 日曜 24:30 - 25:00 独立局
神奈川県 tvk
日本全域 キッズステーション 2013年4月9日 - 6月25日 火曜 24:00 - 24:30 CS放送 リピート放送あり

Blu-ray / DVD

発売・販売元は角川書店。Blu-ray版とDVD版2系統で全6巻。各巻のジャケットはキャラクター原案の岸田メルとキャラクターデザインの芝美奈子の描きおろしイラストを使用している他、各巻に提供バックに使用されたイラストカードが各2枚収録され、各キャラクターのしおりが付属した。

各巻の封入特典として、第1巻には原作者の荻原規子が新規に書き下ろした短編小説「影絵芝居」やアニメ設定資料やスタッフインタビューを収録したブックレットが付属し、第2巻・第3巻は野性時代に掲載された、第1巻と第2巻の間の時系列の話である短編小説「九月の転校生」を第2巻・第3巻に渡り上下巻と分割して録りおろしでドラマCD化している。第4巻・第5巻にはアニメではカットされた原作の第4巻の肝試しのエピソードを元に「はじめての肝試し」として第4巻・第5巻に渡り上下巻と分割しドラマCD化した、また第6巻は岸田メルの原案設定資料と監督インタビュー、キャストインタビューが収録したブックレットが付属した。

映像特典として第1巻にはノンテロップオープニング、第2巻はノンテロップ第1弾エンディング、第3巻はノンテロップ第2弾エンディング、第4・5巻は先行プロモーション映像(各巻内容は別)、第6巻はCM集が特典として収録されている。

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
1 2013年6月28日 第1話 - 第2話 KAXA-6301 KABA-10154
2 2013年7月26日 第3話 - 第4話 KAXA-6302 KABA-10155
3 2013年8月30日 第5話 - 第6話 KAXA-6303 KABA-10156
4 2013年9月27日 第7話 - 第8話 KAXA-6304 KABA-10157
5 2013年10月25日 第9話 - 第10話 KAXA-6305 KABA-10158
6 2013年11月29日 第11話 - 第12話 KAXA-6306 KABA-10159