RIGHT×LIGHT
以下はWikipediaより引用
要約
『RIGHT×LIGHT』(ライト・ライト)は、ツカサによる日本のライトノベル。略称は「R×L」。イラストは近衛乙嗣が担当。2007年、ガガガ文庫(小学館)より2007年10月から2011年5月まで刊行された。第1回小学館ライトノベル大賞期待賞受賞作。続編に『RIGHT∞LIGHT』がある。
ストーリー
3年前の海難事故で両親と妹を失った遠見啓介はその時以来、右手でモノを握ると跡形もなく消滅するという、呪いにも似た魔法を得てしまった。ある日、街中で事件に巻き込まれてしまった啓介は、最後の魔術結社である「群れ」クラウドに肉体を奪われたという「方舟」の少女、アリッサ=クラノ=ストーリング=ライトに強引に自分の体を依代(よりしろ)にされてしまい、彼女の肉体探しに手を貸すことになってしまう。その後「方舟」と「群れ」を巡る陰謀に巻き込まれていく。
登場人物
主要人物
遠見 啓介(とおみ けいすけ)
外的魔術パス/天牢
代表魔術/≪貪れ魔狼≫、≪天へ至る狼星≫
傘陽学園高等部に通う高校2年生。事故で両親と妹を失ってから、右手で物を握ると跡形もなく消える能力を手に入れてしまう。啓介自身はこれを<呪い>と言い、「空っぽの手品師」と自称する。当たり障りのない性格。弾かれるのが嫌で三文手品師のフリをしてまで、山崎や宮島と仲良くなろうとしている。
敵を作ることに恐怖を感じており、今まであまり面倒事には関わらないようにしていた。だが、アリッサと出会ったことで、考え方を変えさせられる。以降は、クラスから嫌がらせを受けていた未由助けるなど、人積極的にと関わるようにしている。
ヒース=ストーリングが作り出したシステム、≪魔狼≫の担い手であり、右手の能力は方≪舟の≫三系統の魔術を取り込むことで成長し、やがて自分を含めた全てを呑み込む運命を背負っている。
また、≪魔狼≫の根源である天牢とパスが繋がっているため、天牢の性質をトレースした魔術を使うことができるようになる。現在、≪貪れ魔狼≫、≪銀鎖の黒狼≫、≪魔銀の鎖狼≫、≪三頭の獄牙≫、≪天へ至る狼星≫の五つの魔術と、肉体と精神を全て捧げ、≪高位存在≫を具現化させる高位魔術を習得している。
また、アリッサの内に眠る≪天使王≫の力を引き出す術として、≪彼の右手に天の光剣≫、≪ 天の双翼≫を習得している。
アリッサ=クラノ=ストーリング=ライト
外的魔術パス/流れし星竜
代表魔術/<終わりの閃き><彼方へ運ぶ風>
魔術師。<壁>を作った魔術師ヒース=ストーリングの孫。<高次存在>と<道>を繋ぎ、流れし星竜の系統の魔術を使う。ジンの策略により肉体を奪れてしまっている間は啓介を依代にしていた。その間、普段は半透明だが、魔術を使う時などある程度実体化する事も出来た。その後、肉体を取り戻す。
方舟出身の魔術師だけあって、現代の内的魔術しか使えない魔術師は到底敵わないような実力者。流れし星竜の魔術は「流れる」性質を持つものを操る系統で、風や水を操る魔術をよく使用する。<彼方へ運ぶ風>を始めとする移動系の魔術も彼女の得意分野である。
また、長年の修練によってハイレベルな体術を身につけており、魔術を使わなくても十分に強い。
友月 未由(ともづき みゆ)
外的魔術パス/嘆きし魔王
代表魔術/<嘆きの炎剣><怒りの炎>
魔術師。傘陽学園高等部に通う高校2年生。<高次存在>と<道>を繋ぎ、嘆きの魔王の系統の魔術を使う。クラス内で「友月未由に関わると不幸がおきる」ことから<魔女>として恐れられていた。
初めはクラスでの嫌がらせから自分を助けるようなことをする啓介に対して強い警戒心と疑問を抱いていたが次第に心を開きはじめる。しかしエスカレートする嫌がらせとジンとの接触で魔術に覚醒する。その力で嫌がらせの首謀者である冬上を連れさらい、それを追ってきたアリッサ、啓介と戦うことになるが、啓介を殺そうとした瞬間、‘失うこと’の意味に気づき殺すことはできなかった。激しい戦いの末どうして自分のような人間を助けるのかと思うが、啓介の言葉で前向きになり「今度は私が……助けるから」といい残して去っていった。その後はお互いのことを「啓介くん」「友月」と呼ぶようになる。旧姓は「笹代」。
ジンが利用された人間にして、ジンやアリッサを超えるほどの才能を持つ魔術師であり、物語途中で魔術師となった啓介と比べても、威力は強力で術数も遥かに多い。嘆きし魔王の魔術に関しては、流れし星竜系統だが方舟出身のアリッサが逆に教えられるほど。炎の魔術や復讐の魔術を得意とする。
遠見 由衣(とおみ ゆい)
3年前の海難事故で亡くなった啓介の妹。海難事故の時、ホリィ=ライトが啓介の右腕に<反牙(リバスウォルフ)>を顕現させる際に右手に掴まっていたため生贄にされ、右手に取り込まれ肉体を失ってしまう。啓介が<天牢>とのパスを用いて魔術を使おうとすると、彼女の声が助言を与えてくれることが度々あったのはそのためである。
彼女は<魔狼>を抑える<魔銀の鎖>として右手に存在していたがその後、啓介の魔術<銀鎖の黒狼>として形を得る。最初は小型犬の姿だったがのちに人の姿にもなれるようになる。ただし、完全に人の姿になれるわけではなく、動物の耳と尻尾は残ってしまう。肉体は死亡しているため食事などは必要とせず、代わりとして啓介から精神力を貰っている。
魔術となる時に<反牙>や<魔狼>の知識を得たが彼女自身いまいちわかっていない。しかし物わかりは良い。
傘陽学園の生徒
冬上 雪絵(ふゆがみ ゆきえ)
外的魔術パス/陣=海道=ロームウェルの残滓
傘陽学園に通う高校2年生。啓介のクラスメイト。未由が<魔女>と呼ばれていることに好奇心を持ち、未由へ遠隔的に嫌がらせをさせる。が、未由の報復を受け精神を崩壊させてしまう。
その約1ヶ月後、<雀>により<黒血の徒>の一員として魔術師とな復活し、未由へ復讐しようとする。<黒血の徒>解体と同時に魔力を失うが、現在、未由とは良きライバル同士である。
上司と部下という関係がなくなった現在でも、<雀>=陽菜には苦手意識を持っている。
啓介と由衣の再開シーンでは、啓介に「シスコンでロリコン」という濡れ衣を着せ、以後、定着させる。
由衣の狼形態を溺愛しており、犬好きな一面も見られる。
本人曰く、幼い頃を児童養護施設で過ごしており、7歳の時に冬上家に養子に迎えられたとのこと。それが関係しているのか、ツグミのことを気にかけている。
群れ
<鴉>(クロウ)
<梟>(オウル)
<鵺>(キメラ)
<鳶>(カイト)
方舟
ヒース=ストーリング
ウルト=クラノ=ストーリング
ヴェル=クラノ=ストーリング
友月一族
友月 灘世(ともづき なだせ)
主な用語
外的魔術
内的魔術
同化魔術
定義魔術
未定義魔術
高位存在(ヴィナー)
物質界(マルクト)、形成界(イエソド)、生命の樹(セフィトロ)
天牢(ウオルフ=ライエ)
反牙(リバスウォルフ)
魔狼
方舟
天使/代界存在(ロウラー)
群れ(クラウド)
ヒース=ストーリングによって外的魔術の方法が奪われた後に、世界各地で衰退していった魔術結社が統合され、作られた。
鳥の名
人の枠を飛び超え、高みを目指し、次の世界へと至ることを望む意思を込め鳥の名が使われている。
魔術一覧
<“流れし星竜”レヴァティーン=ミルキーウェイ>系統
<彼方へ運ぶ風>
<野原の笛>
実は、風の演奏の音に夢を編み込むことで、対象者に夢を見せることが本来の使い方。ただし夢を編むのは難しく、初めは術に歌を乗せられなかったが、ユヤに教えてもらったことに よってアリッサは歌を唄うことで夢を編むことができるようになった。
<阻む烈風>
<貫く風>
<薙ぐ旋風>
<弾く光壁>
<終わりの閃き>
<過ぎた輝き>
<彼方へ運ぶ風>と並んで使用頻度が高いアリッサたちの足。ただし、「共通の光源(太陽、月、星など)が照らしている場所にしか飛べない」という制限があるため、屋内で使用することはできない。しかし、たとえ知らない土地であっても目測できる範囲であれば転移できるため、条件さえ整えれば水平線まで一気に移動することも可能。知っている場所に関しては、光源の条件さえクリアすれば目測の必要はない。なお、非常に燃費が悪い。
<癒しの光>
<撫でるそよ風>
<夜星の法衣>
<星の咆哮>
<方舟>の結界に穴を開けるほどの威力で、海難事故の時アリッサはそれを使い<方舟>の外に出て啓介達を助けた。
<回る水精>
<逆らえぬ波濤>
<虚飾せし光衣>
<群集せし雷弾>
<輝く光球>
<揺れる空音>
<止める光輪>
<開く蒼穹>
<“嘆きし魔王”アル=ザナフ=トワイライト>系統
<侵される紅影>
<怒りの炎>
<嘆きし魔王>
<嘆きし炎剣>
<痛みの片蝶>
<燃える黄昏>
<傷負う鎧>
<嘆きの咆哮>
<“求めし愚者”ホリィ=ライト>系統
<魔女狩りの面>
<狂信者の仮面>
<惑いし道化>
<触れえぬ鳥篭>
<黒き弾丸>
<夜の帳>
<黒の呪縛>
<魔銀の鎖>
<影歩き>
<翳る姿見>
<刻む黒傷>
<天牢>系統
<貪れ魔狼>
<三頭の獄牙>
<天へ駆ける狼>
<銀鎖の黒狼>
<魔銀の鎖狼>
<天の牢>
<陣=海道=ロームウェルの残滓>系統
<凍れる標本>
<黒に沈む道>
<侵す氷原>
<駆逐する絶望>
<天使王>=アリッサ=クラノ=ストーリング=ライト=ミトロン
発動される魔術は、<天使王>の外見的特徴を模した何かを具現化し、アリッサに装備させるもの。このため啓介の魔術というよりはアリッサへの専用支援魔術と言うのが適切。
<彼の右手に天の光剣>
<天への双翼>
主な舞台
傘陽学園(さんようがくえん)
全寮制ということから、色々事情があって通っている生徒が多い。
美傘市(みかさし)
街の中心部に駅ビルや大型ショッピングモールがなどがあり、駅前の大通りを東に行くと図書館や美術館、コンサートホールなどもある。
奈波市(ななみし)
既刊一覧
タイトル | 初版発行日 | ISBN |
---|---|---|
RIGHT×LIGHT ~空っぽの手品師と半透明な飛行少女~ | 2007年10月23日 | 978-4-09-451031-7 |
RIGHT×LIGHT2 ~ちいさな占い師と白い部屋で眠る彼女~ | 2008年3月23日 | 978-4-09-451059-1 |
RIGHT×LIGHT3 ~カケラの天使と囁く虚像~ | 2008年6月23日 | 978-4-09-451074-4 |
RIGHT×LIGHT4 ~嘆きの魔女と始まりの鐘を鳴らす獣~ | 2008年9月23日 | 978-4-09-451091-1 |
RIGHT×LIGHT5 ~求めし愚者と天喰らう魔狼~ | 2009年1月25日 | 978-4-09-451110-9 |
RIGHT×LIGHT6 ~揺れる未来と空渡る風歌~ | 2009年4月22日 | 978-4-09-451129-1 |
RIGHT×LIGHT7 ~飢えし血鬼と夏夜の炎花~ | 2009年9月23日 | 978-4-09-451159-8 |
RIGHT×LIGHT8 ~散りゆく雪華と赤い月を仰ぐ夜鳥~ | 2010年2月23日 | 978-4-09-451191-8 |
RIGHT×LIGHT9 ~終わる宴と緑翼の宣告者~ | 2010年5月23日 | 978-4-09-451207-6 |
RIGHT×LIGHT10 ~たゆたう方舟と泣かない英雄~ | 2010年10月24日 | 978-4-09-451236-6 |
RIGHT×LIGHT11 ~黄昏の王と深緑の巨臣~ | 2011年1月23日 | 978-4-09-451250-2 |
RIGHT×LIGHT12 ~繋がる声と届く指先~ | 2011年5月23日 | 978-4-09-451274-8 |
オーディオブック
第1巻の内容がデータ販売でオーディオブック化されている。2020年6月22日発売。
- キャスト
- 山口隆行(朗読+遠見啓介 役)
- 奥野香耶(アリッサ 役)
- 陣谷遥(陣 役)
- 星乃葉月(友月未由ほか 役)
- 比留間俊哉(山崎勉ほか 役)
- 祐仙勇(宮島通ほか 役)
- 久遠エリサ(冬上雪絵ほか 役)
- 山口隆行(朗読+遠見啓介 役)
- 奥野香耶(アリッサ 役)
- 陣谷遥(陣 役)
- 星乃葉月(友月未由ほか 役)
- 比留間俊哉(山崎勉ほか 役)
- 祐仙勇(宮島通ほか 役)
- 久遠エリサ(冬上雪絵ほか 役)