TOUGH外伝 龍を継ぐ男
以下はWikipediaより引用
要約
『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』(タフがいでん りゅうをつぐおとこ)は、猿渡哲也による日本の漫画。2016年1・2合併号より『週刊プレイボーイ』(集英社)にて連載中。2017年3月時点で前々作『高校鉄拳伝タフ』、前作『TOUGH』、本作を合わせたシリーズ累計発行部数は1000万部を突破している。
『高校鉄拳伝タフ』『TOUGH』の外伝・続編で、『TOUGH』最終回から10年以上後の時代(2017年とされる)を舞台に、灘神影流に入門した鬼龍の息子・龍星の戦いを描く。
単行本ではタイトルから「外伝」が外され、『TOUGH 龍を継ぐ男』として刊行されている。
あらすじ
名門長岡家の次男・長岡龍星は、母が亡くなると同時に居場所のない長岡家を飛び出し、実の父親である伝説の格闘家・鬼龍を探す旅に出る。その途中、鬼龍の双子の弟である灘神影流継承者・宮沢静虎と出会い、その人間性に惹かれ弟子入り。灘の門弟となった龍星の「龍の血」に惹かれるように、数々の強敵が襲いかかる。
父・静虎のような高潔な武道家を目指していた宮沢熹一は、まるで伯父・鬼龍のように情け容赦のない人物へと変貌していた。別人のように人間性が変化した背景には、鬼龍の身勝手な謀略に巻き込まれた末に彼をその手にかけてしまった壮絶な過去があった。鬼龍殺害から10年の時を経て、熹一は格闘大会『血の謝肉祭』を開催、龍星をはじめ熹一に関わる数々の格闘家が強制的に招待され戦いに巻き込まれる。
登場人物
鬼龍の血縁
長岡 龍星(ながおか りゅうせい)
本作の主人公で、鬼龍の息子のひとり。6月生まれ。東京大学理科三類の入学試験に首席で合格する明晰な頭脳と、18歳にして本山流体術を極めるほどの武術の才能を誇る。性格はプライドが高く、向こう見ずで好戦的、慇懃無礼。
長岡家当主の後妻の連れ子として長岡家に入り、義父には見下され、血の繋がらない兄からも虐げられる生活を送っていた。高校卒業の時期に唯一の理解者だった母が亡くなると、東大入学を蹴って義兄を叩きのめし長岡家を出奔、実の父親である鬼龍を倒す旅に出発する。その途中、水木喜太郎の復讐に巻き込まれて静虎に救出され、傲慢な態度でボルキアに挑んだことで静虎から制裁を加えられた。これによって静虎の強さと人間性に惹かれ、灘神影流に入門する。
物語開始当初はやや長い髪型だったが、二度目の姫次戦を前に坊主頭になり、またその姫次によって顔に傷痕をつけられている。静虎を尊敬する一方で静虎の息子・宮沢熹一のことも目標としていた。やがて暗黒武闘会で熹一と邂逅、手も足も出ないまま圧倒的な実力差を見せつけられ脱糞、リベンジを強く誓った。
『血の謝肉祭』の戦いにおいて、G-28に左目を抉り取られ以降隻眼となっている。
小倉 優希(おぐら ゆうき)
鬼塚 姫次(おにづか ひめじ)
熹一の弟子で、鬼龍の息子のひとり。刃物のように鋭い貫手「肉切包丁(ブッチャーナイフ)」を得意とする。全身に刺青を入れてピアスを多くつけた風貌をしており、殺人を厭わない残忍な人間性から、静虎に「超危険生物」と呼ばれている。龍星と同い年で生まれた月が少し遅い(8月生まれ)。好戦的な性格の一方で、その誇り高さ故に弱みを表に出さないようにしている。
9歳の時、自分たちに性的な悪戯をしていた顔見知りの青年を刺殺、その凶行を恐れた母親に捨てられた。医療少年院を退院後は熹一に引き取られ、灘・真・神影流を教えられて育ってきた。熹一はその過去を鑑みて、真・神影流の防御技術と殺傷力の高い貫手のみを敢えて教え込んでいた。
熹一から破門された後、鬼龍を殺すため居場所の情報を求めてボルキアに戦いを挑み、この直後に龍星を襲撃。静虎の介入で止められた後、1か月の特訓を積んだ龍星と六本木ヒルズ屋上のヘリポートで改めて激突。龍星が不完全ながら偶然に体得した灘神影流奥義「破心掌」を繰り返し受けて敗れ、心臓が停止するも危ういところを静虎に救われた。この後龍星と交友を結び、鬼龍の仇討ちと称して熹一に戦いを挑んだが、心臓の急所に貫手を受けて敗れた。
アニマル / 関根 勇信(せきね ゆうしん)
鬼龍の息子のひとり。アニマルの異名を持つプロの用心棒。静虎より体格が大きく、全身に傷痕が刻まれている。非常に粗野・粗暴な性格で知的な面は少ない。年齢は優希の5歳上。
鬼龍の遺産を強奪すべく10年前、5年前と二度熹一に挑んで二度惨敗、三度目こそ確実に勝つべく関係者から熹一の情報を集め、話を聞き出し終えた黒田と清丸を不意打ちで一方的に殴り倒したが、静虎には簡単にあしらわれ敗北する。それから静虎の紹介で、隠遁生活を送っていた尊鷹のもとへ龍星と共に修業に送られ、帰って来た後で『血の謝肉祭』へ参加、龍星と対戦し関節技で膝を壊され敗れた。その様子を見て熹一は、アニマルは自らを鬼龍の子と詐称していただけだと述べている。
エドガード・C・ガルシア
マーシオ“ジェット”内藤
G-28
悪魔王子
リカルド
宮沢 鬼龍(みやざわ きりゅう)
龍星らの父親で、静虎の双子の兄。「蓋世不抜の超人」の異名をとる灘神影流の達人で、単身・素手で犯罪組織を壊滅させる超人的な強さと明晰な頭脳、極めて傲岸不遜で自己中心的な人間性のため、世界中の裏社会において悪魔的な存在として恐れられている。一方で見初めた女性には優しく、「自分の女に暴力を振るった」という理由だけでマフィアを壊滅に追いやったこともある。多くの女性と関係を持ったことから、龍星たちのような実子が世界中に存在する。
熹一が灘・真・神影流を創始した後は、「ドラゴン・ハウス」と名付けた国内の廃ビルを根城に目隠しバトルロイヤルなどを行う裏格闘技試合『暗黒武闘会』を主宰し、株や為替の取引で500億円もの個人資産を築いていた。やがて自分の老いを悟り、熹一に自らを殺させるために「龍の終活」と称した謀略を巡らせ、10年前に望み通り熹一と戦って敗れ、この世を去ったと言われている。
血を分けた子供は「バースト・ハート」と呼ばれる遺伝性の心臓疾患を持っていることが多い。
動物園のゴリラの展示スペースに落ちた少年を救助した際、無謀にもゴリラに戦いを挑むも敵わず左腕を折られる等重傷を負った。悪夢王子に助けられ応急処置を受けるが「幻魔拳を完成させ、自分を息子として認めてほしい」という申し出を一蹴する、逆に幻魔拳を受け敗北する。
その後、エリア52幻魔邀撃拳トダーを通じて悪魔王子にリークする等暗躍を続け、再び灘から離反。
R国のヴィクトル・グループとコネクションを築き、ホワイト・ナイト・バトルを観戦する。
宮沢家
宮沢 熹一(みやざわ きいち)
『高校鉄拳伝タフ』『TOUGH』の主人公。灘・真・神影流宗家、灘神影流15代当主。静虎の息子。神戸出身で関西弁を喋り、宮沢家の親族以外からは敵味方問わずキー坊のあだ名で呼ばれる。生まれた時から静虎に育てられてきたが、静虎との血のつながりはない。静虎は「現在知る格闘家の中で最も強い」「全盛期の鬼龍をも凌ぐ」と評し、尊鷹をして「生身の人間で熹一に勝てる者はいない」と言わしめる。劇中では、ドラゴン・ハウスで対峙した静虎をはじめ、ビッグ・ピッグやボリスら強敵をほぼ苦戦することなく撃破し悪魔王子とも互角に打ち合う等、その強さは健在である。
灘神影流と近親門派の幽玄真影流を統合した灘・真・神影流を創始し、幽玄の本拠地だった朧山に宗家道場を構えながら姫次を引き取って育てていた。10年前に経営難から真・神影流を潰して山を下り、鬼龍の謀略に巻き込まれて鬼龍を殺害してしまった後は「強さの追求に善悪は問わない」とかつての鬼龍のような性格となり、対戦した格闘家を後遺症が残るほど一方的に叩きのめすことも厭わなくなった。短く刈り込んでいた頭髪は長く伸ばし、人相も大きく変わっている。
鬼龍の死後、遺産を全て受け継ぎ、形見のコートを常に身に着け、鬼龍の拠点だったドラゴン・ハウスに住んで暗黒武闘会の運営も引き継いだが、500億円の資産は手つかずのまま残しているという。
宮沢 静虎(みやざわ せいこ)
灘神影流14代当主。鬼龍の双子の弟で、熹一の父親。港湾地区の倉庫を改造した道場に住み、インストラクターや整体師として生活を送っている。折り目正しい実直な性格で、武道家としての実力は非常に高い。大柄な体格で常に背広を身に着け、前髪の一部を白く染めている。
鬼龍を呼び出すべく龍星を拉致した水木喜太郎のもとに殴り込んで瞬く間に制圧し、ボルキアを見くびり喧嘩を売った龍星に制裁を加え、道場へと連れて帰った。以来龍星を弟子に迎え灘神影流を教授している。生前の龍星の母とは顔見知りで、亡くなる直前に龍星のことを託されていた。
登場当初は標準語で喋っていたが、熹一と再会してからはかつてのように関西弁も交えるようになっている。
旧作の登場人物
ギャルアッド・スワンパクティ
熹一の旧知のムエタイ選手。得意技は回し蹴りのように側頭部を狙う変則の膝蹴り「コブラ・ソード」。高校時代の熹一と対戦し勝利したことがある。
生前のガルシアと対戦し再起不能となっていたが、長いリハビリを経て復帰、ミャンマーでラウェイ選手として活躍していた。1年前に現地で熹一に復讐戦を挑まれ、熹一のコブラ・ソードを受けて失明してしまう。
後に日本に渡り、「レジェンド・M」のリングネームで暗黒武闘会に出場、不敗の王者として君臨していた。龍星の武闘会初出場試合で対戦し、死闘の末にコブラ・ソードを上回る「シン・コブラ」を受けて敗北。
実際は喜一はラウェイへ参加し続けるギャルアッドを止めてほしいと彼の妻から依頼されており復讐戦と称し視力を一時的に奪った。しかし逆効果で暗黒武闘会に参戦するようになる。龍星に敗北後、医務室で熹一の手により再び視力が戻りその後は戦いから退き喜一の援助によりムエタイのジムを開き後任の育成に当たっている。
木場 活一郎(きば かついちろう)
熹一と静虎のライバルだった伝説的プロレスラー・アイアン木場の息子。本業は格闘技プロデューサー。小学生の時に木場の紹介で、高校生だった熹一と出会っている。親譲りの頑強な肉体と格闘技の才能も持ち合わせ、また大人になってからも父親を尊敬しており、生前の父と暮らしていた屋敷で生活している。
本作の10年前、自身の主催する総合格闘技大会『ビースト・ブラッド・ウォーズ』(B・B・W)に熹一を出場させるため、熹一に挑発的な言動を繰り返した挙句に田代を自殺に追い込んだことが激しい怒りを買う。
B・B・W出場権のかかった黒田と熹一の戦いでは、熹一に不意打ちのジャーマンスープレックスを食らわせるも、ダメージを負いながら強烈な反撃を受け顎を割られ倒される。その後黒田の搬送先でさらに熹一に痛めつけられ、背後に鬼龍がいることを白状させられた。
そして10年後、熹一の『血の謝肉祭』開催に協力、龍星やアニマルを拉致し会場へと送り込んだ。
黒田 光秀(くろだ みつひで)
灘神影流の兄弟門派・灘心陽流の当主。熹一の高校時代からの旧友で、互いに「キー坊」「クロちゃん」と呼びあい、武道家と同時にインストラクターとしても活躍している。神戸出身で関西弁を喋る。
10年前、心陽流を離れ行方知れずとなった清丸を探すべく熹一をセコンドに携えて『B・B・W』に出場し、活一郎の策略により清丸と対戦させられ、活一郎の妨害でタオル投入が遅れたため急所に反則打を受けて意識不明の重体に陥った。静虎によるリハビリを経て10年後には元通りの生活を送れるようになっていたが、熹一の話を語って聞かせたアニマルから不意打ちを受けて倒される。
心陽流は一子相伝・門外不出の神影流と違って技を広く公開しており、静虎からディフェンス技術の高さを評価される一方で、鬼龍からは格闘技の体をなしていないなどと酷評されている。
格闘家
本山 昌(もとやま まさし)
ボルキア
馮 文宝(マー・ウェンパオ)
ダンプ松木(ダンプ まつき)
我龍院 清丸(がりゅういん きよまる)
10年前の灘心陽流の門弟で、黒田の直弟子。熱心に心陽流を学び黒田からも可愛がられていたが、路上で暴漢に襲われていた女性を救おうとして返り討ちに遭い、バイセクシャルだった暴漢たちに強姦までされてしまったことで心陽流を離れ、「武術家狩り」に打ち込むようになる。
武術家狩りを繰り返したことを認められてB・B・Wへの出場が決定、活一郎の紹介で鬼龍に師事し技と心構えを教え込まれる。B・B・Wで黒田と対戦し、鬼龍に教えられた技で圧倒した後急所への反則打で勝利。直後に暗黒武闘会へ乗り込んできた熹一と対決するも、潜隠爆破脚で文字通り一蹴される。
10年後には黒田と同じく静虎の治療を受けて元通りの生活を送れるようになっていたが、黒田と同様に当時の話を語って聞かせたアニマルから不意打ちを受けて倒される。
米軍関係者
スヌーカ
戸田亜(トダー)
スタンプ・ハウアー
古流武術に精通した特命捜査官。嘗て悪魔王子を拘束していた過去から、彼から警戒されている。手負いながら熹一の打撃を回避し、一撃を加える実力者である。悪魔王子を追い、龍星、熹一とともにR国で開催されるホワイト・ナイト・バトルにエントリーする。
R国関係者
ボリス
ヨシフ・カデンスキー
"白鯨"の異名を持つヴィクトル・グループ総帥。鬼龍とは互いに牽制し合っている。
サーシャ
"あの男"
R国大統領。
その他の人物
水木 喜太郎(みずき きたろう)
田代 トオル(たしろ トオル)
書誌情報
- 猿渡哲也『TOUGH 龍を継ぐ男』集英社〈ヤングジャンプ・コミック〉、既刊29巻(2023年11月17日現在)
- 2016年5月19日発売、ISBN 978-4-08-890532-7
- 2016年8月19日発売、ISBN 978-4-08-890533-4
- 2016年12月19日発売、ISBN 978-4-08-890534-1
- 2017年3月17日発売、ISBN 978-4-08-890673-7
- 2017年6月19日発売、ISBN 978-4-08-890720-8
- 2017年9月19日発売、ISBN 978-4-08-890773-4
- 2017年12月19日発売、ISBN 978-4-08-890837-3
- 2018年3月19日発売、ISBN 978-4-08-890892-2
- 2018年6月19日発売、ISBN 978-4-08-891060-4
- 2018年9月19日発売、ISBN 978-4-08-891109-0
- 2018年12月19日発売、ISBN 978-4-08-891161-8
- 2019年3月19日発売、ISBN 978-4-08-891246-2
- 2019年6月19日発売、ISBN 978-4-08-891338-4
- 2019年9月19日発売、ISBN 978-4-08-891376-6
- 2019年12月19日発売、ISBN 978-4-08-891452-7
- 2020年3月19日発売、ISBN 978-4-08-891526-5
- 2020年7月17日発売、ISBN 978-4-08-891596-8
- 2020年10月16日発売、ISBN 978-4-08-891663-7
- 2021年1月19日発売、ISBN 978-4-08-891810-5
- 2021年4月19日発売、ISBN 978-4-08-891849-5
- 2021年8月18日発売、ISBN 978-4-08-892068-9
- 2021年11月19日発売、ISBN 978-4-08-892157-0
- 2022年2月18日発売、ISBN 978-4-08-892238-6
- 2022年5月18日発売、ISBN 978-4-08-892327-7
- 2022年8月19日発売、ISBN 978-4-08-892418-2
- 2022年12月19日発売、ISBN 978-4-08-892521-9
- 2023年3月17日発売、ISBN 978-4-08-892648-3
- 2023年7月17日発売、ISBN 978-4-08-892849-4
- 2023年11月17日発売、ISBN 978-4-08-893064-0
番外編
タフ番外編 柔の章(2021年8月18日)