Thisコミュニケーション
漫画
作者:六内円栄,
出版社:集英社,
掲載誌:ジャンプスクエア,
レーベル:ジャンプ・コミックス,
巻数:既刊11巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『Thisコミュニケーション』(ディスコミュニケーション)は、六内円栄による日本の漫画。怪物によって人類が滅亡の瀬戸際にある21世紀において、徹底した合理主義者で、殺人も厭わない非倫理的な主人公の元軍人が肉体改造された少女たちを率いて、最後の砦である日本の研究所を怪物から防衛しようとするサバイバルサスペンス作品。『ジャンプスクエア』(集英社)にて2020年5月号より連載中。
あらすじ
20世紀後半に謎の生命体「イペリット」が出現し、人類を駆逐し始めた。彼らが地上に大量の毒ガスを放ったことで人類のほとんどは死滅し、残った人類は、まだガスが届かない山岳などの高地にわずかに生き残っているのみである。この危機に世界の各国政府は、それぞれの優秀な軍人を集めたUNA(世界連合軍)を組織したが間に合わず、壊滅した。
21世紀、日本・長野県松本市槍ヶ岳の雪山。UNAに所属していた卓越した軍人で、徹底的な合理主義者である青年デルウハは、ここに人類の拠点があると聞いて戦場を離脱し、やってきた。しかし、見つからず、絶望して自殺を図ったところを少女に助けられる。デルウハが探していた施設は、実は地下に隠されており、かつての大戦の折に日本が作った研究所であった。デルウハを助けた少女も、研究所が対イペリット用に薬物で肉体改造して作り出した「ハントレス(女狩人)」と呼ばれる存在であった。6体いるハントレスはイペリットに単身で近接戦闘ができるほどの身体能力を持ち、殺されても肉体が再生して復活する不死性まであったが、互いに協調性がなく、複数のイペリットに襲撃されれば完全敗北する危険があった。
研究所の所長は軍人としての腕を見込んで、デルウハに毎日3食の食事と引き換えにハントレスの指揮を依頼する。実は自分の利益のためなら仲間を殺すことも厭わない非倫理的なデルウハは、復活しても死亡時点から直前1時間の記憶は失うというハントレスの特性を利用して、時に意図的に彼女たちを殺しながら自分に都合のいいようにコミュニケーションを図り、イペリットの襲撃に立ち向かう。
登場人物
主要人物
デルウハ
いちこ
にこ
みち
よみ
いつか
むつ
上高地後の登場人物
第33話(9巻)からのエピソードの主要人物。「なな」と「はち」など以前からわずかに登場している者もいる。
なな
はち
竜野
替館
その他
吉永(よしなが)
研究所にある教会に務める神父。後に人付きイペリット。
神父らしい善性の青年。自分は人の心を読むこと(テレパシー能力)ができると主張しているが所内で信じている者はおらず、避けられている。むつと接点を持つが、彼女にも手品を使って自分は人の心が読めると言い続けている。善人だが、独善的かつ後述の過去から周りを見返したいという私欲もあるために相手を理解する意思に欠け、本質的なコミュニケーションスキルが低い。
少年時代に2度テレパシー能力が発現し、元はそのツテで研究所にやってきた過去を持つ。しかし、再発はせず、研究も打ち切られてしまい、そのまま老齢で後任を探していた所内の先代神父に拾われ、現職となる。
ハントレス達を皆殺しにした直後のデルウハと遭遇した際に、偶然能力が発現し、その本性を知る。以降、悪魔から少女たちを守る使命に燃え、行動を始める。計画や行動原理は早々にデルウハに見破られるも、その善性ゆえに非合理的な想定外の行動をとって彼を苦しめる。最期はデルウハに殺されるが、偶然研究所を襲撃にやってきたオスカーに取り込まれ、人付きイペリットとして復活を果たす。テレパシー能力がほぼ常時使えるようなったほか、人への殺意を抑えられるほど自我が強く、今度こそデルウハを殺害してハントレス達を救おうと画策する。
オスカー
美坊子(びぼし)
上高地にあった隠れ里「犀の村」の僧侶。人付きイペリット。
見目麗しい壮年の男性僧侶であり、村の指導者。他の村人たちと同様に、悪人を人柱にすれば災害が収まるという村の風習を信じており、イペリットの侵攻に対して柿を盗んだ実妹・葉(よう)を人柱にする。それでも収まらなかったために悪が足りないという発想に至り、村人全員で悪事を成して極悪人として人柱になり、事実上の集団自殺をしたという過去を持つ。
人付きイペリットとなって上高地にやってきた吉永に遺体を発見され、他の村人たちと共に自我を伴って蘇る。未だ災害が収まらないのは人柱の悪が足りなかったという考えを持ち、最終的には極悪人であるデルウハを人柱にすればイペリットは収まるという発想で命を狙い始める。
偽デルウハ
弁士
本名不明。上高地近くの地下道で暮らすコミュニティのリーダー。
刀を得物とする青年。イペリットが嫌うガスを発する体液(同時に環境を汚染する)を持つ、謎の大人しいイペリットを傷つけてそれを採取する権限及び、そのガスを流す経路を決定する権限を持つ(この役目を指して「弁士」と呼ばれ、親から引き継いだとする)。普段の態度は冷静で礼儀正しいが、「弁士」という役目をわずかでも否定されると他の仲間と同様にキレて、相手を殺そうとする。
デルウハは、謎のイペリットは、イペリットたちが地下道のようなところに逃げ込んだ人間を完全に殲滅するために用意した罠と推測し、弁士たちをそれにまんまとハマって環境汚染で人類の生息可能範囲を狭めている存在と判断している。
用語
ハントレス(女狩人)
もとは供出された子供であり、精神や思考は年相応の少女。物語開始時点で6人おり、それぞれ異なった個性を持つ。後に旧型として男性のハントレス(はち)も登場する。
旧型ハントレス
基本的な肉体能力は通常のハントレスと同じだが再生の方法が異なり、肉体を成長させることで損傷を直す。このため、損傷の度合いに応じて肉体年齢を経る特徴がある。また、成長するという点で死ぬ直前の記憶も曖昧になり、脳の損傷でより確実に死んだ時の記憶がなくなる。
イペリット
基本は人一人丸呑みできるほど巨大なナマコ状の生物で、口部分からは長い舌が出ているのが特徴。知能はそれほど高くないが、人間の臭いを感じて積極的に攻撃し、生身の人間では近接で勝つことはまず不可能で、体積の半分程度まで削らないと死なない耐久性を持つ。通気ダクトを通れるほど小型の拗体ほか、作中には様々な変異種も登場する。
トゲ付き
人付き
ハネ付き
二本足
弁士のイペリット
デルウハは地下道などに隠れた人類を完全に殲滅するために用意された罠と推測している(詳細は弁士の項も参照)。
殻付き
尻尾付き
血塗れ
共食い
毒ガスのイペリット
研究所
書誌情報
- 六内円栄 『Thisコミュニケーション』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊12巻(2023年12月4日現在)
- 2020年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-882393-5
- 2020年12月9日発行(12月4日発売)、ISBN 978-4-08-882498-7
- 2021年4月7日発行(4月2日発売)、ISBN 978-4-08-882603-5
- 2021年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-882742-1
- 2021年12月8日発行(12月3日発売)、ISBN 978-4-08-882856-5
- 2022年4月9日発行(4月4日発売)、ISBN 978-4-08-883083-4
- 2022年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-883204-3
- 2022年12月7日発行(12月2日発売)、ISBN 978-4-08-883321-7
- 2023年4月9日発行(4月4日発売)、ISBN 978-4-08-883458-0
- 2023年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-883595-2
- 2023年12月9日発行(12月4日発売)、ISBN 978-4-08-883719-2