WARASHI
題材:妖怪,エクソシスム・悪霊ばらい,
以下はWikipediaより引用
要約
『WARASHI』(ワラシ)は、寺沢大介による日本の漫画および、それを題材にしたテレビドラマ。
概要
『週刊少年マガジン』(講談社)にて、寺沢の代表作の一つとなった『ミスター味っ子』の次回作として1990年35号から1991年27号まで連載。全37話、KCコミックス全4巻。#テレビドラマ化されている。少年少女が妖怪と戦う退魔もののホラー漫画で、作者のデビュー作にみられたファンタジーものをベースに後半は高校生活も織り交ぜている。妖怪のグロテスクな描写に加え、裸体の描写(サービスカット)も複数存在するなど、料理漫画が代表作であるなか異彩を放つ作品となっている。
序盤は勧善懲悪もので妖怪を退治する1話完結型のエピソードであったが、次第に主人公・ワラシの因縁の相手である天邪鬼とのシリアスな戦いが主なテーマとなる。連載終盤(コミックス3巻以降)は、天邪鬼との戦いから3年経過し、ワラシとの再会を待ち望む高校生となったあん子の物語となる。
画風は前作までの児童漫画風にデフォルメが効いたタッチであったが、あん子が高校生に成長した終盤からは頭身が高く少年漫画風のタッチへ変化し、次作「将太の寿司」へ引き継がれた。そのため作者の画風が変わる過渡期的な作品と言える。なお、4巻の袖部分で「成功作とはいえません―」や、別作品での4コマ漫画のコラムで「大コケだった」と後日談を述べており、打ち切りの示唆を伺わせている。
作者の講談社連載作品では喰わせモン!と並び電子書籍化が行われておらず(2021年6月現在)、単行本も絶版のため、長年古本以外での閲覧が困難な作品となっていたが、ピッコマで読むことができる(依然、他のプラットフォームでの電子書籍配信はない)。
あらすじ
友人に頼まれて祖母に妖怪の話を聞くため、友人と共に10年振りに田舎へやって来た14歳のあん子。そこで祖母から「ワラシ様」の話を聞かされる。最初は妖怪を信じていなかったあん子だが、龍神堂の龍石を見に行った際に妖怪に出会ってしまい、襲われたところをワラシに助けられる。この事件を契機に妖怪の存在を知ることとなったあん子は、ワラシと共に妖怪がらみの事件を解決していく。
ワラシは正体を現した天邪鬼を道連れに野槌の口から無間地獄に落ちたことで、東京に平穏な日々が取り戻されたが、3年後、ワラシとの再会を待ち続けたあん子の周囲で再び妖怪による異変が起こる・・・。
登場人物
メインキャラ
ワラシ
主人公。童子(わらし)の名が示す通り、茶髪でキバを生やした10歳程度の少年の姿をしている。あん子の祖母の住む田舎では「ワラシ様」と呼ばれ、一種の神様のように敬われていた。伝承では普段は滅多に人前に姿を現さず、いたずらをする音が時折聞こえるのみで、運のいい者のみがごくまれに出会えるだけという。あん子が幼いころに出会っており、その時に「あん子のおっぱいは俺が予約する」と約束するなどスケベでいたずら好きな性格。自然界のあらゆる精霊の力を借りて、その性質を自分の物にすることができる。善の妖怪を率いるワラシ一族の若様で、その長・カハクを父に、人間の女性・ウズミを母に持つハーフ。本来は妖怪として一人前の年齢だが、幼いころに天邪鬼の策略によって両親と別れており、そのショックのために成長が止まっている。天邪鬼との戦いで一度は死ぬが、あん子の愛情により成長した姿で甦り、天邪鬼を道連れに野槌の口から無間地獄に落ちる。
3年後、無間地獄から精神のみ人間界に戻ってきたワラシは美童の体内に宿り、ピンチの時に美堂の肉体を短時間だけ借りて妖怪を退治する。最終話では美童の嫉妬心によって封印させられるが、美堂の自決によって無間地獄より肉体ともに完全復活し、あん子と共に日本各地へ悪鬼との戦いの旅に出る。
小萩野 あん子(おはぎの あんこ)
ヒロイン。黒髪でショートカットの活発な女の子。東京の笹原中学校の2年生。妖怪を信じていなかったが、田舎の龍神堂での事件に巻き込まれ、その際のワラシとの出会いにより妖怪の存在を知ることとなる。実は幼いころにワラシと出会っていたが、あん子は覚えていなかった。ワラシとの再会以降は、妖怪事件に首を突っ込むことになり、そのためワラシに呆れられることも。両親を失って一人ぼっちだったワラシにとって、幼いあん子との出会いはかけがえないことだった。
ワラシが無間地獄へ落ちた後、ワラシが戻るまで髪を切らないと誓う。3年後、北沢高校2年生へ成長。妖怪・死人使いの仕業による異変を察知し、危機一髪のところで美童の体を借りたワラシと再会し、次々と妖怪事件を解決していく。最後は肉体とも完全復活したワラシと再会を果たし、もう別れたくないという強い意志でそれまでの生活を捨て、悪鬼との戦いの旅に出る。
美童 和彦(みどう かずひこ)
後半に登場するもう一人の主人公で、あん子の同級生・ボーイフレンド。お調子者な劣等生で、揶揄い半分であん子が好きなことを口にして行動を共にしている。あん子曰く言動などからワラシを思い出させる節がある。
死人使いに巻き込まれたあん子たちを救うため、死人帰り(ゾンビ化)した同級生を鉄パイプで殴るなど勇敢な一面があるが逆襲され気絶。体内に宿っているワラシへ肉体を貸すことになる。肉体が乗っ取られている間はワラシとしてキリっとした目つきや言動となり、霊力も扱える。
最終話で高校卒業後すぐにあん子と結婚することを決心し、デートに誘う準備をする。しかし完全復活が近づいたワラシへの嫉妬心から百目鬼に唆され、体内からワラシが出られないように封印。あん子に告白するがワラシへの想いは変えられないことを認め、電動ドリルで自ら体を刺して自決し、ワラシを完全復活させた。酒呑童子との決戦後、カハクの命を分け与えられて蘇生した。
数年後、「あん子とワラシの幻を見る度に、古い傷が疼くように胸を痛くする」とエピローグで締めくくっており、記憶に留めて再会を待ち侘びている様子である。
テレビドラマ版では北沢学院大学に通う大学生で名前が「洋」となり、既にワラシが体内に宿っている状態で活躍する。
人間
滝川 蕗子(たきがわ ふきこ)
山下 江津子(やました えつこ)
木山(きやま)
善行妖怪
善の妖怪たちは天邪鬼との戦い以降、酒呑童子が倒されるまで登場しなくなった。
カマイタチ
北の風神(きたのふうじん)
美髟公白竜王(びはつこうはくりゅうおう)
悪行妖怪
蛟(みずち)
尸鍋(しこ)
赤い鍋の妖怪。300年ほど昔、狂気に取り付かれた陶芸師・鷲尾 鳩斎(わしお きゅうさい)の手により生まれた。鷲尾は1人の女の血を使って血のような赤い色を出そうとし、そのために殺された1人の女の怨念と鷲尾の狂気が合わさった結果、妖怪・尸鍋となった。尸鍋となった殺された1人の女は、殺された恨みを鷲尾に向けず、自分だけが殺されたのは不公平だとして、何百人もの罪の無い女を喰らい、仲間に引きずり込んだ。女を喰らう様から、尸鍋は赤い鍋の化身として人々から恐れられた。一度は封じられていたが現代に甦り、味吉亭(あじよしてい)という料亭の社長を操り、若い女を襲って喰っていた。女を喰らい、その血を吸うことにより、より赤く美しくなろうとしていた。女の怨念の集合体のため、自分の醜い姿を見られることを極端に嫌う。陶器の妖怪のため、体は硬い。自分の姿を見たあん子を喰らおうとあん子の家までやって来るも、地獄で鷲尾に会って陶器の弱点を聞いたワラシによって、業火と冷水を続けて浴びせられ砕け散った。
首(くび)
風切り(かぜきり)
黒塚の鬼婆(くろつかのおにばば)
千年ぶりに甦ってきた鬼婆。人の悪念が最大級に凝り固まって生まれた大邪鬼。その正体は安達ヶ原の鬼女。僧の力で黒塚に封じられていたが、ペンション建築のために黒塚を取り壊されたことにより復活。人間の子供をさらい、殺害して生胆を喰らうということを繰り返していた。やがてあん子の中学校に保健医として赴任し、正体を隠していたが、居場所を突き止められたことにより、生徒を喰らい尽くしてから逃げようとする。強大な力を持っており、結界を張ることができる。ワラシと共にやって来たあん子を喰らおうとしたが寸前で助けに来た刑事に撃たれ、邪魔をされる。しかし銃で撃たれた程度では死なず、包丁で刑事や教師を殺してあん子を襲うが、ワラシにより再び邪魔をされる。何百人の血を吸い、研ぎ澄まされた妖包丁でワラシを苦しめるも、最後は自ら殺してしまった愛娘の霊の説得により改心、成仏。これにより、彼女の罪業は全てなかったことになった。
天邪鬼(あまのじゃく)
地上で最も呪われた妖怪。人間を快く思わない、悪しき妖怪たちの頭目。冷酷で残忍な性格で、人間の争い、憎しみ、裏切りを何よりも好む。人間界の争いの影には彼の一族が常に暗躍していたという。かつてワラシの一族を苦しめ、ワラシの両親を策略により無間地獄へ追いやってしまう。鬼婆を解き放ったのも彼である。長らく姿を消していたが、地上より人間を消し去るために再び現れた。悪鬼の中の悪鬼とも言うべき「邪魅六部衆(じゃみろくぶしゅう)」を従えている。ワラシとの対決の際、手始めにワラシの大切な存在であるあん子を狙う。妖怪の生命エネルギーを触れるだけで取り込める。獲物を切り裂く妖気の糸「斬妖索(ざんようさく)」を使い、ワラシを助けに来た白竜王もこの技の犠牲になった。ワラシとの最初の戦いの後、野槌や手下を使って東京に攻め込み、日本中を消し去ろうとする。成長したワラシとの二度目の戦いの際に正体を現す。
野槌(のづち)
土蜘蛛(つちぐも)
死人使い(しびとつかい)
死人帰り(しびとがえり)
面取り(めんとり)
画霊(がれい)
用語
ワラシのお守り(ワラシのおまもり)
龍神堂(りゅうじんどう)
龍石(りゅうせき)
占い棒(うらないぼう)
化けインコの尾羽根(ばけインコのおばね)
風壷(かぜつぼ)・風鋏(かぜばさみ)
妖怪新聞(ようかいしんぶん)
妖気弾(ようきだん)
テレビドラマ『B級ホラー WARASHI!』
1991年10月2日から1992年3月25日まで全24話がTBSで放送された。円谷映像製作。ワラシが既に宿っている大学生の美堂を主人公とするなどドラマオリジナルの内容となっているが、原作のエピソードも存在する。VHSビデオソフトがバンダイビジュアルより2巻発売されているが、それ以降は未ソフト化となっている。
メイン監督らは翌年の『電光超人グリッドマン』にも参加している。
キャスト
- 美堂洋:西尾拓美
- 小萩野あん子:亜里香
- 時田成美
- 清水香里
- ナレーション:稲葉実
ゲスト
- 清水香里
- 実相寺吾子
- 成清加奈子
- いしかわじゅん
- 横須賀昌美
- 谷津勲
- 麻生真宮子
- 清水宏
- 阪本良介
スタッフ
- 脚本:わかつき文三、小中千昭、神戸一彦、園田由宇保
- 監督:村石宏實、神澤信一、石井てるよし
- エンディングテーマ:亜里香「女神たちのRevolution」
- 操演:根岸泉
- 特殊メイク:TONY'S LABO SFX(小西修、山田久仁子、奥野嘉信)
- 音響効果:スワラプロダクション
- 視覚効果:日本エフェクトセンター
- 技術協力:ビデオフォーカス
- プロデュース:永井憲二、阿部宏司、龍宝正峰
- 製作:円谷映像、TBS
主題歌・挿入歌
- 「女神たちのRevolution」亜里香
- 「Tell me」亜里香
サブタイトル
- 第一話 妖怪回廊・ろくろ首
- 第二話 魔界のウイルス・人面疽
- 第三話 勾玉の秘密
- 第四話 妖怪鬼女呪いの手
- 第五話 口裂け女の怒り
- 第六話 河童塚の呪い
- 第七話 妖怪に愛された由里
- 第八話 戦標!妖怪沼田坊の呪いの歌
- 第九話 ヘビ女
- 第十話 悪霊の子守唄 般若の女
- 第十一話 妖怪行路・顔が盗まれる
- 第十二話 風の中に棲む瞳
- 第十三話 妖怪武者・死を呼ぶ法螺貝
- 第十四話 人形の怪!!孤独な妖怪
- 第十五話 妖怪砂かけ美女・呪われた結婚
- 第十六話 妖怪のずち・魔界の夢
- 第十七話 妖怪天邪鬼・狙われた美童
- 第十八話 雪女
- 第十九話 餓鬼・生きていた女
- 第二十話 妖怪二口女・もうひとつの顔
- 第二十一話 牛鬼伝説・妖怪の消えた海
- 第二十二話 警鐘の森・天狗伝説
- 第二十三話 画霊・夜歩く美女
- 第二十四話 無限地獄への罠・死人憑き(最終回)