Z 〜ゼット〜
題材:ゾンビ,
以下はWikipediaより引用
要約
『Z 〜ゼット〜』は、相原コージによる日本の漫画作品。『別冊漫画ゴラク』(日本文芸社)で2012年1月号から2015年2月号まで連載された。
解説
ゾンビによるパンデミックに巻き込まれた人間たちの悲劇を、ユーモアやお色気を交えて描いたホラー漫画である。相原は、ジョージ・A・ロメロのゾンビ作品に対する疑問が本作を作るきっかけになったと話している。それを反映し、本作のゾンビは「死後硬直が解けた後に肉体が腐敗していくので、走ることができない」「脳を含む身体が破壊されたぐらいでは活動停止しないため、燃やさない限り活動停止しない」「植物以外のすべての生物がゾンビ化の対象となる」といった特徴を持っている。
主人公を固定しないオムニバス形式を採っており、時系列もバラバラでエピソード毎に異なった時期の物語が描かれる。
2014年には実写映画化もされたが、『別冊漫画ゴラク』の休刊に伴い、本作も終了となった。そのため、終盤の展開は本来の構想を圧縮して描いたものであり、やや駆け足な展開となっている。
ストーリー
本作の物語は大きく3つの時期に分類され、各時期のエピソードがランダムで展開される形式となっている。
発生初期
ゾンビ化現象が緩やかに現代社会へ迫る様子を描く。
発生中期
ゾンビに溢れた絶望的な世界で、生きるために足掻く人々を描く。戸田凜子たちの物語はこの時期のものである。
発生後期
事件収束後、ゾンビ対策の法整備もされた中で未だ死者が蘇る世界での人々の生活を描く。
登場人物
主要人物
戸田 凜子(とだ りんこ)
本作の主人公的存在。ゾンビに立ち向かう謎めいた高校1年生。祖母譲りの薙刀の技を駆使してゾンビを駆逐する。ゾンビ化がまだ認知されていない頃、亡くなった祖母がゾンビ化して襲い掛かってきたためにそれを薙刀で斬り伏せて以来、ゾンビと戦いながら生き抜いてきた。冷静沈着なクールビューティーだが、時にはゾンビの特異性に対処しきれず窮地に陥ることも散見される。薙刀は戸田家の先祖が代々守り継いできたものであり、今際の際の祖母から託されたが、荷の重さから躊躇しているうちに祖母が息を引き取ったこともあり、凜子にとっては身を危険に晒してでも守り抜きたい大切な物である。
終盤、TK電力の社員寮に逃げ込んで一時の安息を得るもののやがて社員寮は暴徒に襲撃され、その際に襲い掛かってきた暴徒の1人を殺害してしまう。正当防衛とはいえ、人間を手に掛けたことに呆然としているうちにもう1人の暴徒に頭部を斬られ、死亡する。その後、ゾンビ化して動き始める。
元は主人公として位置付けて作られたわけではなく、「この世界のゾンビは足を切り落として歩けなくするぐらいしか対処のしようが無い」ということを描くために用意された。しかし、全体として軸になる人物が必要と考えた際に凛子の存在が予想外に立っていたために主要人物に据えられたという経緯がある。最期についても、「残りの話をインパクトのあるものにしたい」という理由によるもので、作者としても申しわけなさがあったという。
実写映画版では眼帯をつけており、凜子を演じた川本はスネーク・プリスキンをモデルにしていると話している。
火野原 あかり(ひのはら あかり)
発生初期の登場人物
ヤクザ
登山者
sumiretin
発生中期の登場人物
火野原 香澄(ひのはら かすみ)
アキちゃんとユウくん
ゾンビになりかけのレイプ魔(自称)
竹田 美咲
おっちゃん
黒瀬
平
鳥川
藤井
亀沼 敏江
発生後期の登場人物
古守
ムッツー
宮崎 直樹
橋渡 令子
監督
キンちゃん
ミマちゃん
Zのゾンビの特徴
- 死後硬直が解けた後は肉体の融解期に移行するため、走らない。
- 死者は例外なくゾンビと化す。
- 体液にゾンビ化ウイルスが含まれているため、噛まれないと感染しない(ただし、ゾンビ化した動物の肉を食べたり、ゾンビと性行為に及んでもウイルスが身体に入るため、ゾンビ化する)。
- ゾンビに噛まれた者はまもなく死に、必ずソンビ化する。
- 会話能力は有しておらず、唸り声を上げる程度で喋れない。
- 脳を破壊しても身体を切断しても活動を停止せず、指1本だけになっても活動する。
- 植物以外の地球上のあらゆる生物がゾンビになる。
- 噛まれた部分を早期に切断すればゾンビ化しないという説もあるが、真偽は不明。
- ゾンビを焼いて出た煙ではゾンビ化しない。
- 発生原因は不明(作中では原発事故が可能性として示唆されているが、真相は不明)。
単行本
- 相原コージ 『Z 〜ゼット〜』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全3巻。
- 2013年4月26日 ISBN 978-4-537-13023-2
- 2014年7月19日 ISBN 978-4-537-13188-8
- 2015年5月29日 ISBN 978-4-537-13292-2
映画
2014年7月26日に『Z 〜ゼット〜 果てなき希望』のタイトルで映画化された。同年8月6日には、新エピソードとなる「狂気と天使」「友情と悪夢」「まだ見ぬ夜明け」が収録されたDVDが発売された。
映画版は原作のエピソードからいくつか選ばれたものを再構成した内容になっている。
映画版の特徴として、音楽が1シーンしか使われていないことが挙げられており、台詞以外の残りの音は効果音で占められている。監督の鶴田は音にこだわっており、数々の映画に携わってきた大河原将を音響効果の担当者として指名したと語っている。
キャスト
- 戸田凜子:川本まゆ
- 火野原あかり:木嶋のりこ
- 鈴野恵:田中美晴
- 古守:松田祥一
スタッフ
- 総監督:鶴田法男
- 監督:鶴田法男
- 撮影:神田創
- 照明:丸山和志