Z MAN
以下はWikipediaより引用
要約
『Z MAN』(ゼットマン)は、西川秀明が『月刊少年ガンガン』(エニックス(現:スクウェア・エニックス)刊)で1991年5月号から1995年11月号まで連載していたサイエンス・ファンタジー漫画作品。
概要
遠未来サイバーアクションを描いたバトル漫画。『月刊少年ガンガン』の創生期を支え、当時の謳い文句であった「日本一熱い少年漫画誌」を代表するようなテンションの高さと、愛と勇気をテーマにしている点が特徴(反面、後の西川作品の特徴となる「心の闇の執拗かつ陰湿な描写」もまた本作で確立されていた)。
単行本は全11巻。1995年にはドラマCD化されている(内容はコミックス一巻の物語をほぼカバーしたもの)。
2013年1月よりマンガ図書館Zにて無料配信開始。1~5巻が1月6日から、6巻~11巻が1月7日からの配信となっている。
あらすじ
遠い未来、人類は地球から生命力(アバス)と呼ばれるエネルギーを発見し、その力により、人工生命体“イーデア”を誕生させた。そして彼らの管理の為に意思を持った超巨大コンピュータ“MOTHER”を設置。“MOTHER”の管理下、人類・イーデアは共に更なる文明の発展を目指していた。しかし、突如として“MOTHER”が狂いだし、地球上の全イーデアが人類に牙を剥く殺人鬼と化してしまう。人類はこの危機を乗り越える為に全イーデアの機能を停止する、対イーデア独立停止ユニット“Zイレイザー”を作動。しかし、狂った“MOTHER”はそれを阻止する為に生命力(アバス)を暴走させ、“Zイレイザー”と衝突。文明は崩壊し、地球の半分が砕けた。
そして千年後…
荒廃した地球は邪進化悪魔(イーデア)が人を襲い、喰らう暗黒の世界と化していた。とある邪進化悪魔(イーデア)に襲われる少女ヤティマ。彼女の助けを求める叫びに応えるかのように、突如として石柱から少年が現れ、彼女を救う。その胸には伝説の“Z”の刻印が浮かんでいた。
登場人物
主人公とその仲間たち
ナナシ (声:日髙のり子)
この物語の主人公。石柱の中で千年の間眠り続けていたが、眠りから覚めた直後に出会った少女ヤティマに「ナナシ」と名付けられ、彼女の村を襲っていたイーデア・D・デシベルとその軍勢を討った後、自らの運命と昔の記憶を探す旅に出る。
その正体は、記憶と力のほとんどを失った、対イーデア独立停止ユニット“Zイレイザー・ザイン”。「Zの印」に到達して、「ナナシ」としての記憶を抜き取られる代わりに「ザイン」としての力を植え付けられる。一時は暴走してしまったが、ナナシとしての記憶を取り戻すと同時に「ザイン」としての力を制御することに成功。最終決戦にてOZを破り、真の黒幕である魔王(ルシフェル)を打ち倒した。
最終話では逞しい青年に成長を遂げ、同じく美しく成長したヤティマ、幼い息子OZと共に旅を続けている。
ヤティマ (声:笠原弘子)
アジャンタ
本名「イーデア・A・アジャン・タトゥー」。
ナナシが旅の途中で出会うイーデアの少女。悪の因子による邪進化に染まっておらず、強い正義感と優しい心を持つ。
イーデアの頂点・六芒聖神の一人で、「識」を司る。「最も人間に近いイーデア」「成長するイーデア」として生み出された存在で、千年前の悲劇とナナシの過去を知る数少ない人物。外見は人間の女性そのものだが、「結界鋲(メガ・シールド)」と呼ばれる攻防一体の兵器を操り、高い戦闘能力を見せる。またヤティマが再登場するまでは長らくヒロインとして君臨し、パンチラや着替えなどなどのシーンが多数見られた。初期では「全身に凍傷を受ける」「指と爪の間を貫かれる」「片目を潰される」など激しいダメージ描写が見られた。
徐々にギャンザに心惹かれていくが、彼がイーデアを憎む理由を知る彼女は、自身がギャンザの家族を殺したのと同じイーデアである事実に思い悩む。
物語の中盤、「結界鋲(メガ・シールド)」が壊れて戦闘能力を失っていたところ、育て親であるガイストに拉致された上洗脳され、かつての仲間に激しい攻撃を仕掛けるが、ギャンザから一途な愛を告白された事で正気に返り、そしてその愛の奇跡が「ケルベロス」を召喚しガイストを撃破した。しかしガイストはまだ死んではおらず、ギャンザを殺そうとしたためアジャンタは咄嗟に彼を刺してしまう。同時に過去の記憶が蘇り、ガイストが悪魔となったのは自分を庇ったからだったと思い出す。
のちに人間となりギャンザと結婚、ガイストという名の息子と共に幸せに暮らす。
ギャンザ・マシュー
ナナシが旅の途中で出会った、「イーデア・ハンター」を名乗る人間の青年。キャラバンや各地の集落に雇われて、人間に害をなす邪進化イーデアを獣神イースターを駆使して倒し、喰らう。
過去に家族(特に命よりも大切な妹)をイーデアに殺されており、自身もその際に左腕を失っている。その過去に起因してイーデアに激しい憎しみを抱いていたが、ナナシやアジャンタと出会い、彼らと心を通わせた事によって変わっていく。
アジャンタに惹かれるものを感じつつも、彼女がイーデアである事にこだわり素直になれずにいたが、自分への想いを口にした彼女が目の前でガイストに攫われた事で本心と向き合い、何としてでもアジャンタを救うことを決意する。
洗脳されたアジャンタの攻撃で満身創痍となりながらも受け止めて愛を告白し、彼女を取り戻した。
ガンダー
本名「リボル・G・ガンダー」。ナナシが旅の途中で出会ったイーデアで、六芒聖神の一人。「地」を司る最強の銃使い。ナナシの過去と記憶を取り戻すための鍵となる場所「Zの印」の手がかりを握る人物で、かつては「Zの印」に住んでいた。
普段は人間を模しているが、本来のイーデアとしての姿は一つ目の機械のようなもの。性格は豪放磊落(英語で言えば「ワイルド」)の一言。この作品の「熱い」部分の大半は、彼が担っていると言っても過言ではない。
「Zの印」から去った後、イーデアに親を殺された孤児達を保護し、自身が開拓した「ガンダー牧場」で育てている。最終決戦ではたった一人で無数のイーデアたちと戦い抜き、ナナシたちの後方支援に回り生還した。戦いの後、養子の一人であるシャロンと結婚し、かつての邪進化イーデアが転生したとおぼしき子供達(デシベルとマゼンダ)を拾う。
六芒聖神
デシベル (声:塩沢兼人)
OZ(オズ)
マゼンダ
N(ネオ)・ガイスト
従属神
六芒聖神に次ぐ存在であり、彼らほどではないが強大な力を振るう。その能力、形質は様々。以下、原作に登場した順に列記。
イーデア・K-5
六芒三邪神の支配から独立して暴虐を働いていた「はぐれ従属神」。2巻のラストボス。
K-1、K-2、K-3、K-4、K-5の5体からなるイーデアの集合体で、K-5はそのリーダー格。性格は揃いも揃って下劣。
絶対0度の冷気を操り、歯向かう者を氷漬けにする。また、並外れた再生能力を誇り、K-5以外の者はどれだけダメージを受けても半永久的に死なず、逆に受けたダメージを進化の糧とする。
ナナシが旅の途中で立ち寄ったチャドの村で、そこの指導者である大僧正トゥパら5人の僧侶を食い殺し、その「皮」をかぶることで彼等に成りすましていた。そして村人たちを生贄に捧げさせエサとしていた(村を襲う災厄も生け贄の儀式も、村を都合良く支配するための「演出」でしかない)。
たびたび自分たちの邪魔をするアジャンタが秘める「刻印の生命核」を狙っており、従属神から六芒聖神に進化し、更なる力を手に入れる野望を抱いている。合体して真の姿となり首尾よくアジャンタを追い詰めるがナナシによって阻まれ、肉体を粉砕され「永遠に生きたい」と呟いたところをナナシに踏み潰され「永遠に死ね」と言い渡され死亡した。
獣神イースター
ヒルダ
P-PIT
ジェネラル・R(ロンメル)
マゼンダ・セキュリティ
その他、未分類のイーデア
ディーボ(声:鈴木琢磨)
イーデア・D・デスグル(声:津久井教生)
イーデア・D・ジャカス(声:宇垣秀成)
イーデア・D・ザンデス
イーデア・D・コバンザ(声:千葉繁)
タイタロス
鉄指(テツシ)
イレイズ
Z(ザイン)
リヴァイアサン
神官モリモト
ナナシの行く手に度々現われる邪進化イーデア。六芒三邪神に仕える神官で、彼らの名の下に各地の邪進化イーデアに命令を下す他、伝令役としての役割を担う。戦闘力は低く、自分が戦うことはまったくない。
表向きは六芒三邪神の命令で動いている。
その正体は、1000年前に存在していた狂気の科学者。自らの心にある「悪」を用いて悪の因子を開発し、自身をイーデア化させた。そして"MOTHER"に悪の因子を植え付け、すべてのイーデアを邪神化悪魔へと変貌させた。そして"MOTHER"を名乗って「我々は我々の文明を築くのだ」とイーデアたちに呼びかけ、世界規模の虐殺を引き起こした。しかし、Zイレイザーの発動によって阻止され、以後は正体を隠しながら生きてきた。終盤にてOZがナナシに敗れると正体を現し、"MOTHER"の生命力を手にしたことで神を超える存在へと至った。
魔王(ルシフェル)
"MOTHER"と合体し、「常しえの闇の王」を名乗るモリモトの新たな姿。
実は、OZの人格や「母を求める思い」はモリモトが植え付けたもので、OZはモリモトの分身(コピー)でしかなかった。そのことを告げた後、指一本でOZを破壊し活動を停止させた。そして無数の悪魔を生み出し、ナナシたちを追い詰める。しかし、旅の中で出会った仲間たち「Zの戦士」が次々と集い、力を合わせたことで形勢逆転される。仲間たちの想いを背負ったナナシにより「つるはし」が矢へと変化。最期はナナシとヤティマが放った「Zアロー」によって生命核を砕かれ敗北。暴走した力に呑まれて崩壊していった。
死の間際、「愛」に勝てなかったことを認めたが、「人は善と悪を併せ持つ存在。誰もが悪魔となる可能性を秘めている」ことを告げ、この世界から消え去った。
用語
生命力(アバス)
人工生命体イーデアの誕生、ひいては彼らと人間による更なる繁栄を築く足がかりとなった。
有機物を活性化させ、無機物を有機物に変化させる事ができる。
邪進化悪魔(イーデア)
人類の天敵ともいえる存在。
悪の因子
本来、純粋善の存在であるイーデアはこれに冒されると人間の心の暗黒面が突出したような凶悪で残忍な性格に変異し、体の構造・能力さえもが劇的に変化する。
生命核(バイオ・コア)
バイオ・チップ
六芒聖神
強力な能力を与えられた刻印(ラビリングニードル)の生命核(バイオコア)を持ち、地・水・火・風・識・空の6つの力を司る。
しかし、悪の因子による"MOTHER"の暴走と1000年という年月の間に、デシベル、マゼンダ、N(ネオ)・ガイスト、OZ(オズ)の4人は邪進化イーデアと化してしまう。
"MOTHER"
伝説では過去に滅亡に瀕した世界に生命力(アバス)とともに顕れその力を人類に示し、世界に更なる繁栄をもたらすきっかけともなった。
実際には人間が造り出した、「樹」をイメージした巨大な生体コンピューターであり、そこまで明確な意志は持たない。世界の中心に根ざし、全世界のイーデアを管理するようになる。